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小林敏樹さんの7手詰

[2005年10月2日最終更新]
短編の名手、小林敏樹さんの作風をちょっとだけ分析してみた。


小林敏樹さんの7手詰
10月2日、短編詳解として小林敏樹さんの31角 ~65角成という7手詰を紹介しようと思っている、というやっくんの記事を見て、データベースで小林さんの7手詰を探したら、重複を除いて19局あった。これらの作品を並べていたら、少し傾向が見えてきた。ちゃんと分析すれば、小林さんのようなすばらしい作品が創作できるかも(違

まずは19局の手順を並べてじっくり見てみよう
62銀  54玉 53銀成 同 香  65龍  同 玉  64角成
13角打 36玉 33飛打 25玉  34飛成 同 玉  24角成
83角打 58玉 56龍  57金打 47龍  同 金  94角成
56飛打 同 玉 58香打 66玉  67金打 同 と  59馬
46銀打 同 と 75飛打 同 角  64飛成 同 玉  73角成
39香打 同 馬 33飛打 22玉  13飛成 同 玉  23角成
79角打 同 龍 46角打 同 銀  23と  14玉  34龍
53飛打 47玉 56角打 37玉  33飛成 同 飛  64角成
67銀打 同 と 47銀打 同 桂生 48馬  同 玉  49金打
31角打 85玉 86金打 74玉  65馬  同 玉  75角成
36銀打 同 桂 47飛打 同 と  33金  44玉  42金
33角打 同 龍 93角打 同 龍  56金  76玉  65金
35飛打 同 角 56銀打 同 と  55飛打 同 銀  27角
27角打 同 と 53銀成 56玉  55飛打 同 玉  54龍
37金打 同 と 21飛打 38玉  29飛成 同 玉  18龍
45角打 同 桂 49馬  57桂生 37歩  49桂成 36歩
12飛打 43玉 46香打 54玉  52飛成 同 馬  64角成
65角打 56馬 28金打 19玉  12龍  同 馬  29金
53金打 同 玉 33飛打 52玉  63飛成 同 玉  62角成

ここでは、駒打か駒の移動か区別するため、打つ手は全て「打」を付けている。

1)初手、2手目の特徴
 初手は駒打が19局中18局で圧倒的に多い。うち角打が8局、飛打が4局。
 2手目は同x が19局中12局と多い。これは初手が捨て駒だったことを意味している。
 残りの7局にも同xの変化があるので、実際の比率はもっと高い。
 教訓:初手は駒打ち(なるべく大駒)の捨て駒から入れ

2)3手目、4手目の特徴
 3手目も駒打が15局と多い。うち飛打が6局、角打が3局、金銀香打が各2局。
 4手目の同xは7局とそれほど多くない。玉の移動が10局で最も多く、あとの2局は合駒。
 教訓:3手目も駒打ち(なるべく大駒)で局面を展開

3)5手目、6手目の特徴
 19局中、xx飛成、同xが7局、xx龍、同xが3局、xx飛打、同xが2局、xx馬、同xが2局。
 教訓:5手目は最大の見せ場。大駒捨ての出番

4)7手目の特徴
 角成が9局で圧倒的に多い。角、馬の各1局も含めると11局。
 教訓:最後は角成で締める

以上を合成すると、もっとも典型的な手順は次の通り。
 xx角打、同x、xx飛打、xx玉、xx飛成、同x、xx角成 まで7手
ちなみに、この「7手小林パターン」、なぜか、小林さんの作品には1局も該当しない(ダメじゃん)。データベースで検索したら4局あったので、そのうちから将棋世界1971年4月の針ヶ谷輝夫さんの作品を紹介しよう。

  9 8 7 6 5 4 3 2 1
+---------------------------+
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 銀 ・|一
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・v玉 ・|二
| ・ ・ ・ ・ ・v銀v金 角 ・|三
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|四
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ 歩 歩vと|五
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|六
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|七
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|八
| ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・|九
+---------------------------+
持駒:飛 角 

やはり、作意手順のパターンだけではなく、駒の位置関係や変化や紛れなどを含め、もっとちゃんと分析しなければ、小林さんに近づくのは難しいようである。

短編詳解
10月2日、All by myselfで、短編詳解
「以前から考えている短編詳解という企画。惜しくも賞に選ばれなかった傑作を紹介する予定ですが、昔のパラを眺めていたところ、小林敏樹さんの31角 ~65角成という素晴らしい 7手詰を見つけたので、第1回はこれにしようかなーと思ってます。作意もさることながら変化処理が実に秀逸。時間のある方はいつ頃の作品か調べてみてくだ さい。ヒントは短編競作展。」

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