« 2005年10月28日 | トップページ | 2005年10月29日 »

これでいいのか、塚田賞

[2005年11月3日最終更新] 関連記事・皆様のコメント
近代将棋2005年12月号で、ようやく2004年の塚田賞が発表された。遅れに遅れ、このままなくなってしまうのではないかと噂されていただけに、発表があったのは朗報だが、その発表を読んでいるうちに暗い気持ちになってきた。名門、近代将棋の詰将棋欄は、これからどうなって行くのだろうか。これからの発展を祈って、あえて本稿を書かせていただいた。
====> 関連記事・皆様のコメント


97期塚田賞投票結果

近代将棋12月号の塚田賞発表に書かれている選考委員の投票を集計してみた。

・短編
2月号金子義隆15手 1(岡)            1(谷)     2点(2人) 
2月号北川明 19手 1(岡)                2(柳) 3点(2人)
4月号平井孝雄9手                 1(谷)     1点(1人)
5月号三浦司 19手 1(岡)2(植)1(桑)        1(柳) 5点(4人)受賞作
6月号妻木貴雄13手     1(植)                 1点(1人)
7月号山田修司13手         1(桑)             1点(1人)
9月号山田修司15手                 1(谷)     1点(1人)
10月号村山隆治15手         1(桑)             1点(1人)
(伊藤果氏は該当なし)

・中編
1月号星田口加郎27手    1(植)                 1点(1人)
2月号星田口加郎27手             2(伊)        2点(1人)
(2月号には存在なし)
2月号金子哲哉29手 1(岡)                     1点(1人)
4月号木田勇 23手     1(植)                 1点(1人)
7月号三角淳 23手 1(岡)                3(柳) 4点(2人)
7月号北原義治27手         1(桑)             1点(1人)
9月号江口伸治35手                 2(谷)     2点(1人)
10月号山田修司31手 1(岡)            1(谷)     2点(2人)
11月号妻木貴雄25手             1(伊)         1点(1人)
12月号妻木貴雄25手     1(植)                 1点(1人)
(12月号には存在なし)

・長編
4月号添川公司121手 1(岡)                     1点(1人)
5月号添川公司121手             1(伊)         1点(1人)
(111手か?4月号の間違い?)
8月号添川公司109手 1(岡)1(植)3(桑)             5点(3人)
9月号井上徹也119手                     1(柳) 1点(1人)
9月号添川公司109手             2(伊)         2点(1人)
(9月号には存在なし)
11月号添川公司119手     1(植)                 1点(1人)
12月号添川公司235手 1(岡)1(植)        3(谷)2(柳) 7点(4人)受賞作

 上記のように、誤りが多い。数からいって誤植ではなく投票者の誤記や思い違いと思われる。このことから分かるのは、編集部が投票結果を実際の作品を確認することもなくそのまま掲載していることである。実際、伊藤果氏の長編の投票は8月号の添川作の誤りと思われるが、これを訂正すると、受賞した「妖精2」と同点の7点になるが、これについての言及は一切なく、気づいてすらいないようである。

これでいいのか、塚田賞

もずさんは、勝手に将棋トピックス第97期塚田賞で、次のように書いている。
「・・・ 中篇賞は「票が割れたため『該当作なし』となりました。」とのことです。編集部を除く6名の推薦が掲載されていますが、中篇の部では6名中2名から推薦を 受けた作品はいくつかあるものの、3名以上から推薦を受けたものはありませんでした。とはいえ、「該当作なし」とした選者はいなかったので、もう少し意見 をすりあわせれば受賞作品を決定できたのではないかという気がします。詰将棋パラダイスでの近年の看寿賞選考への力の入れ方と対照的に、塚田賞は影が薄くなってきていないでしょうか。伝統ある賞だけに寂しく感じます。」

看寿賞と比べると、わずか2ページの発表で、受賞作以外の候補作の紹介もなし、受賞作も手順だけ(「妖精2」はそれも途中まで)で解説なしと、あんまりの寂しい内容。看寿賞は看寿賞委員会での熱心な討議の結果で決定しているが、今回の塚田賞はその気配すらなく、選考委員会も1回も開かれていないのではないかと思われる。

半年1回が1年1回になって、その発表も何ヶ月も遅れ、説明もお詫びもなし。そして今回のような発表内容では、やる気がないのが丸見えで、このままでは、作家も解答者も離れていってしまうのではないか。

こらからの近代将棋のために

私は近代将棋の詰将棋欄から詰将棋の世界に入っていった。塚田賞は、そのシンボルとしての存在で、選考のことばに感心したり、何度も並べたりして鑑賞したものである。詰将棋パラダイスも将棋世界も、そしてネットでの出題もある現在でも、近代将棋の詰将棋欄の果たす役割は大きいと思う。

現在の状態では塚田賞が存続できるかどうかも疑問で、編集部に情熱を持って担当できる人がいないのであれば、詰パラの看寿賞委員会のように実質的に機能する選考委員会を組織すべきと考える。近代将棋の現在の解説者の柳田明氏は、看寿賞委員長でもあり、「看寿賞作品集」の解説でも分かるように優れた見識を持っている。現在は解説だけのようだが、選題や塚田賞の運営にも関わっていただいたらどうだろうか(日本一忙しいツメキストがますます忙しくなりそうだが・・・)。


関連記事・皆様のコメント

  • 塚田賞について (11月3日、冬眠蛙の冬眠日記
    「・・・ 運営についてですが、もう「賞品はなく名誉だけ」とキッチリ書いてもいいのではないかと思います。極端な話、入選作に対するお金もナシにしてもかまわないのではないかと。その分塚田賞選考だけはキッチリやってほしいな、と思います。作家や読者として、一番見たいのは一流作家の視点が覗える選考コメントや、創作の苦労のにじみ出た受賞の言葉ですから。 「詰将棋ファンからも愛される雑誌」としての近代将棋誌の発展をお祈りしております。」
  • 塚田賞はどうなる (10月28日、勝手に将棋トピックス
    「昨日第97期塚田賞についてお伝えしましたが、調べてみたら2003年の塚田賞は2004年6月号(2004年4月26日発売)に発表されているんですよね。2004年の中から選ぶのに今までかかるのは、時間がかかりすぎです。 遅れたことについて事情説明がないのは近代将棋ではいつものことですが、近代将棋編集部が塚田賞をどのように位置付けているのかは気になります。もしかしたら重荷に感じているのかもしれませんが、詰将棋は売り上げに結構貢献していると思いますよ。」

|

« 2005年10月28日 | トップページ | 2005年10月29日 »

「詰将棋イベント」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/22735/6709603

この記事へのトラックバック一覧です: これでいいのか、塚田賞:

« 2005年10月28日 | トップページ | 2005年10月29日 »