推理将棋第9回解答(3)
[2008年3月29日最終更新]
推理将棋第9回出題の
9-3の解答、第9回出題の当選者を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第9回出題 推理将棋第9回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
9-3 上級 よく見るとちょっと違う かずひで作 11手
「昨日、11手で後手玉が詰んだ将棋を見たよ」
「どんな終わり方したの?」
「詰みの局面で、先手陣(7・8・9段目)は初型から1枚だけ駒が変わっていたんだ」
「どういう意味?」
「例えば、2八の飛車が銀に変わった、というような意味。
変わったのはその1枚だけで、無くなったり増えたりした駒はなかったよ」
「へえ。手順は覚えてる?」
「後手が2手連続で玉を動かしてたよ」
- 11手で詰み
- 先手陣(7・8・9段目)は、初型から1枚だけ駒が入れ変わっていた
- 後手が2手連続で玉を動かしてた
さて、どんな将棋だったでしょうか?推理してください。
出題のことば(担当 ミニベロ)
推理将棋界の今看寿、ついに登場!
推理将棋9-3 解答 担当 ミニベロ
▲8六歩、▽8四歩、▲8五歩、▽8三飛、
▲8四歩、▽6ニ玉、▲8三歩不成、▽7二玉、
▲8七飛、▽6ニ銀、▲8ニ歩成 まで11手で詰み
まだ「推理将棋」という名前さえない頃、この人の作品を夢中になって解いた。今こうして氏の作品を解説できるとは、感無量である。
すでに「かずひでブランド」という信用が出来上がっている作者だが、本作は「さあ解いてみろ」というものではなく、コミカルな仕上げになっている。
しかし理屈で解こうとすると、例えば、角を奪って88・77とすえて22への成りで詰まそうとしても、成った瞬間77がお留守になる。77に何か置くと2枚角が遮断される。
この人の作品は、きっとこういう解き方ではだめなんだ。おそらく感性で創っていると思われるので、こちらも感性に働きかけると、歩より内側の駒は無関係だということに気が付く。そして一番強力な飛車を取りに行く順が見えてくれば、角頭歩突き以下できっちりと条件を満たすことはそう難しくはない。
一発で見えた人には簡単。そうでない人には、見えた瞬間の感動が「ブランド」なのだ。
香箱さん 「置き換わる駒は77の歩のはず、とあたりをつける。まず角が右辺で暴れる順、次に第1問に倣って7筋の歩を伸ばしてみるが失敗。7筋で飛車を取るには後手の手数がかかりすぎる。あれ、それなら8筋で取ればいいんじゃ、、、というわけで解けました。歩の不成も入って解後感よし。」
■やはり一回は紛れ筋にはまってくれないと、出題したほうもがっかり?です。
Normanさん 「着眼点が鋭い。詰パラ(2008年1月号)掲載の姉妹作。こちらも見事。」
■あっそうか! 言われるまで気が付きませんでした。なるほど!着眼点が鋭い。
たけとひでさん 「9手目8七歩なんか、どう?」
■7、8、9段目原型、という作品も存在しています。
けいたんさん 「この発見、初手86歩は意外と有力な手。」
■分かっております。あれ、いずれ使わせていただきます。
はてるまさん 「86歩が閃くかがカギでしょうか。面白い条件設定と思いました。」
■私は閃きませんでしたねぇ(笑)。
S.Kimuraさん 「角を取って,88角・77角 (馬?) の形にするのでしょうか.11手での詰みは,まだ見つかっていません.」
■解答を見てどうだったでしょうか。これが「かずひでブランド」です。
高坂研さん 「多分これでいいんでしょうね。解図よりも問題文の解釈の方に悩まされた。」
■正解です。分かりにくかったですかねぇ。
たくぼんさん 「変わる駒は77だとばかり思ってましたが、作者名を見て発想を転換したらすぐに作意に気づきました。この瞬間がたまらなく気持ちよいです。好作。」
■作者名から作意を推理するとは、マニアです。詰将棋的解き方。
まじーさん 「上級にも関わらずこれが1番見えやすかったです。87飛が好手。」
■一枚だけ換わった駒とは87の歩(飛)でした。
まささん 「ユニークな着想に巧みな条件設定の好作。」
■まさ作に「先手陣原型のまま駒の損得無し」というのがありましたね。
橘圭伍さん 「素晴らしいアイデアの作品ですね。一個だけ変化するのが面白い」
■この人の一号局からいろいろと派生作品が生まれます。
natsuoさん 「先手の駒が置き換わることが詰みに役立っているはずであると考えると、どれかの歩が飛び道具になっていると想像がつきます。そこから解答がたぐり寄せられますね。」
■歩より内側の駒は結局関係ないんですね。
タラパパさん 「角頭の歩とは洒落た筋に着目したものです。なんたって発想が素晴らしい。」
■提示されてみると、今までなかったのが不思議。
館長さん 「解けませんでした。」
■ありがとうございました。
正解:12名
香箱さん けいたんさん 高坂研さん たくぼんさん たけとひでさん
橘圭伍さん タラパパさん natsuoさん Normanさん はてるまさん
まささん まじーさん
総評など
香箱さん 「先月は中上級2問に手も足も出なかったのですが今月はさくっと解けました。春めいてきたので脳が活性化したのかな。」
■詰パターンを覚えていくと解図速度が上がります。
S.Kimuraさん 「ところで,出題日をもっと早くする (例えば,20日締切,21日出題など) 予定はないのでしょうか.」
■レスポンスは早いほうなんですが・・・。TETSU さんと相談ですね。
TETSU: 展示室との兼ね合いで今の日程にしているので、当面はこのままいきたいと思います。ご希望が多ければ再検討しますので、解答時、またはコメントや掲示板などに書いてください >みなさん
高坂研さん 「3題のうち、一番時間がかかったのが初級の問題でした(笑)。
9-3の問題文はどうも解りにくいですね。
まず、「変わったのは…」以下の指している内容があくまで7~9段目に限定されているのかどうか、不明瞭。「無くなったり増えたりした駒が無い」という文章から、最初は先手の駒数は詰上がりにも20枚なのだと思ってめちゃくちゃ悩みました。
「変わったのはその一枚だけで、無くなったり増えたりした駒はなかったよ」という一文はむしろ無かった方がよかったかも。」
■そう思って、「先手陣(7・8・9段目)は」としたのですが、だめでしたか。
今後の参考にさせていただきます。ありがとうございました。
某氏 「希望景品は「踊る駒たち」筑木力著」
■私も何度か景品狙いで他コーナーで解答しましたが、なかなか当選しません。
一発で当たる幸運な人もいるんですけどねぇ。
担当にご褒美ないのかな?
TETSU: ありません (^^;
推理将棋第9回出題全解答者: 15名
S.Kimuraさん 館長さん 香箱さん くまちゃんさん けいたんさん
高坂研さん たくぼんさん たけとひでさん 橘圭伍さん タラパパさん
natsuoさん Normanさん はてるまさん まささん まじーさん
当選: 高坂研さん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。
あとがき
今月は易しめのつもりだったが、実際は作者も担当もよく分かっていない。
難易度の注文を解答時に書き添えていただくと有難い。
推理将棋の連載が始まる近代将棋の5月号の発売日が、4月18日(金)に変更になったらしいです。
さて、先月の練習問題の答え合わせです。
● 7手詰(古典より) 5問 練習問題 ●
第1問 角以外の駒が成った
第2問 大駒の手は一手だけ
第3問 玉の手が2回あった
第4問 銀の上で詰まされた
第5問 歩を突いたら玉が斜めに上がり直後に駒が成った
第1問~4問はすべて同じ答えで
「▲2六歩 ▽4二玉 ▲2五歩 ▽3二玉 ▲2四歩 ▽4二飛 ▲2三歩成」
第5問だけが
「▲7六歩 ▽6二玉 ▲3三角成 ▽4二金 ▲同 馬 ▽7二金 ▲5二金」
簡単すぎて1分もあれば全部解けてしまう問題。
推理将棋の7手詰は、詰め上がり形11種類、手順29通りしかないが、
条件が変われば見えるものも違う、というテーマでした。
それでは今月の練習問題です。
もちろん回答はいりません。答え合わせは次回の「あとがき」で。
● 7手詰(古典より) 3題 練習問題 ●
第6問 連続不成の3連続王手
第7問 玉が上がったら飛車取りを掛けられた
第8問 3種類の補足記号があった(補足記号=成・不成・打・右など)
次回をお楽しみに。
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