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推理将棋第10回解答(3)

[2008年4月29日最終更新]
推理将棋第10回出題の 10-3の解答、第10回出題の当選者を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第10回出題  推理将棋第10回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


10-3 上級 まじー作  銀の横の馬 11手

「隣の将棋はすごかったね」
「11手で後手玉が詰んでたよ」
「最終手は歩が動く手だったね」
「銀の横に馬が動く手があったよ」
「桂跳ねもあったね」
「不成の手もあったな」

さて、どんな将棋だったのでしょう?

  • 11手で詰み
  • 最終手は歩が動いた
  • 銀の横に馬が動いた
  • 桂跳ねがあった
  • 不成があった

出題のことば(担当 ミニベロ)
  新人コンクール優勝作。手強いよ!


推理将棋10-3 解答   担当 ミニベロSuiri103

▲7六歩、▽4二玉、▲3三角不成、▽3二玉、
▲8八角成、▽2四歩、▲7七桂、▽2三玉、
8九馬、▽1ニ玉、▲6六歩 まで11手で詰み

すでに実力解答者として知られているまじーさんのデビュー作で、MIXI内で開催された「新人コンクール」で見事優勝した快作。

「最終手は歩が動いた」という条件から開き王手が見えるかどうかで難易度が大きく違ってくる。「桂が跳ねて、銀の横に馬」から89馬が推理できれば、67の歩越しに遠く12をにらんでいることが分かる。

馬(角)による単騎詰は、頭の丸い生角を隣に必要とする場合、大きく分けて3つある。
22角で12玉、角が移動してその隣に玉、角を交換して何処かに打つ形。

この「開き王手」と「単騎詰」の組み合わせが処女作とは、恐ろしい新人ではある。どちらも作図例はあり、組み合わせた作品もあるので、知っている人には見える順ではあるのだが、知らない人には全くお手上げの難作かもしれない。

本手順の先手6手、後手5手をよく見ると、手順前後や成り生非限定の入る余地は全くなく、すべてがオートマチックで決定されていることに気が付く。これはアイデアの秀逸さに起因するのは当然としても、若干の幸運があったことも事実だろう。詰将棋ファンならお分かりだろうが、旨くいく時というのはムシのいい順があっさりと入るものなのだ。

と、すべてが順調だったのに・・・。

▲7六歩    △3二銀    ▲3三角成  △6二玉   
▲4二馬    △6六角  ▲7七桂    △5七角不成
▲5四歩    △7二飛    ▲5三歩成

中級に続き、たけとひでさんの今度は力業での余詰指摘。
全く想定していない順でした。たけとひでさん、ありがとうございました。
すべては私の責任です。粗検お詫び申し上げます。

作者からの修正とコメントです。

・「5筋の指し手はなかった」を追加します。

「粗検おわび申し上げます。指摘していただきありがとうございます。想定外の手順でびっくりしました。推理将棋おそるべし!」

二つもやってしまうとは、そろそろ私の耐用年数がきたのかも。

※単騎詰
王手を掛けている一枚の駒以外のすべての攻め方の駒を盤上から排除しても詰んでいる形

Normanさん 「12玉は角単騎詰の定位置。最遠地点の馬によるところが面白い。」

■それを見破られてはお手上げです。この条件でそれが見えるところが凄い。

けいたんさん 「33歩がなくなった局面が後になって効いてくる」

■前からありましたね、けいたん作にそれが。

たけとひでさん 「余詰順。正解は何でしょうか?」

■中級に続き上級も余詰指摘をいただきました。降参です。

箱さん 「ダルマです。」

■単騎詰は形を知らないと推理のしようがないかも。ブルータスのような感じ?

はてるまさん 「やはり「馬は自陣に引け」といったところでしょうか。」

■盤の隅々まで目が届いている作者ですね。

高坂研さん 「意外性十分の透かし詰。新人コンクール首位も当然の傑作!」

■新人とは思えない手法ですよね。修正しても傑作であることに変りありません!

馬屋原剛さん 「空き王手の詰上がりだと最初に踏んだのがラッキーですぐ解くことができました。それにしても遠くから射抜かれたあわれな王様ですね。」

■いきなりこの詰上がりが見えるとは、頼もしい限りです。

たくぼんさん 「この詰上りを想定するのはかなりのマニアでなければ難しいでしょう。」

■角(馬)の王手の合駒なしは、いつも警戒が必要です。

橘圭伍さん 「傑作だったんですが余詰でしたか…残念。やはり、最低有力解答者3名以上の検討が通っていないと危なそうですね。何か良い検討システムがあればよいですが。」

■傑作に悪いことしました。
 本作はコンテスト優勝作なので、多くの人の目には触れていたんですが・・・。

natsuoさん 「隣にいる銀というのが何と79銀!詰め上がりの美しさといい、新人賞の名に恥じない名作ですね。」

■単騎詰の完成品だと思います。

魚熊さん 「この手順を見たときは感心しましたが、改めて出題されても、その手順を思い出しただけで、何の感激もなし。それより、余詰めとの報告には驚かされました。」

■この余詰は痛いです。

館長さん 「自陣の銀の横に馬が来るとは、絶妙でした。」

■単騎詰と開き王手の複合技が89馬の詰みを実現させます。

まささん 「ギブアップ。解けそうで解けません。」

■ウーム、名人でも・・・。これはやはり推理将棋史に残る傑作です。
 「新人コンテスト」やってよかったですね、主催者さん!

木星人さん 「強い創意を感じる傑作です。 創作とはかくあらまほし。 」

■そう、「推理将棋は発見」のように思われていますが「強い創意」がないと創れません。


正解:12名

  馬屋原剛さん  館長さん  けいたんさん  高坂研さん  たくぼんさん
  たけとひでさん  橘圭伍さん  natsuoさん  Normanさん  はてるまさん
  まじーさん  木星人さん


推理将棋第10回出題全解答者: 17名

  魚熊さん  馬屋原剛さん  S.Kimuraさん  館長さん  けいたんさん
  高坂研さん  香箱さん  シンさん  たくぼんさん  たけとひでさん
  橘圭伍さん  natsuoさん  Normanさん  はてるまさん  まささん
  まじーさん  木星人さん

当選: S.Kimuraさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。


あとがき

こういったメディアを使っての出題に余詰があってはいけないのは当然だが、作家の方は、あまり余詰を気にせずどんどん作っていただきたいと思う。余詰や誤解から生まれた名作もたくさんあるのだから。問題は検討ですね。

さて、前回の答え合せです。

● 7手詰(古典より) 3題  練習問題 ●

第6問 連続不成の3連続王手
「▲7六歩  △5四歩   ▲3三角不成 △4二銀   ▲同角不成  △5二玉 ▲5三銀」 

第7問 玉が上がったら飛車取りを掛けられた
「▲7六歩   △5四歩   ▲4四角   △5二玉   ▲7一角成  △5一金右 ▲5三銀」

第8問 3種類の補足記号があった(補足記号=成・不成・打・右など)
「▲7六歩   △3四歩   ▲2二角不成 △5二金左  ▲4二角   △4一玉 ▲3一角右成」

7手の基本詰形は、全部頭に入れておきたいですね。

それでは今月の練習問題です。今回は、○×クイズ。
7手詰で可能な条件は○。不可能な条件は×。
○の場合は、代表手順を一つ考えてください。

● 7手詰○×クイズ 3題  練習問題 ●

第9問 ・不成りも成りも王手ではなかった
第10問 ・不成りは王手で成りは王手ではなかった
第11問 ・不成りは王手ではなく成りは王手だった

次回をお楽しみに。

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