推理将棋第11回解答(3)
[2008年5月28日最終更新]
推理将棋第11回出題の
11-3の解答、第11回出題の当選者を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第11回出題 推理将棋第11回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
11-3 上級 けいたん作 新定跡 11手
「これが僕の発見した新定跡さ。11手で詰むところまで研究したよ」
「どれどれ、不成があるな。先手は一つの駒を4連続で動かしている。
おや、後手も一つの駒を4連続で動かしているぞ」
「そうさ。終局時、後手の玉に接する駒がないけど、これで詰みさ」
- 11手で詰み
- 不成がある
- 双方とも一つの駒を4連続で動かす
- 終局時、後手玉に接する駒はない
さてどんな将棋でしょう? 推理してくださいね。
出題のことば(担当 ミニベロ)
北の刺客の抜群の切れ味をどうぞ
推理将棋11-3 解答 担当 ミニベロ
▲9六歩、▽7四歩、▲9五歩、▽6ニ玉、
▲9七角、▽7三玉、▲5三角不成、▽8四玉、
▲9七角成、▽9五玉、▲7五馬 まで11手で詰み
端に玉を誘き出して、端の香車を使っての開き王手でし止める。
このネタは担当も持っていたのだが、洗練された本作の前ではかすんでしまった。
最近巧妙な新作を連続で発表している作者、いよいよ「本格化した」というところか。
絶妙の手順に三つの条件がシンプルで適切。全く無駄がない。
「終局時、後手玉に接する駒はない」という条件が5段目辺りを想像させる。
玉側が「同じ駒を4回」動かした場合は、それが玉であることは結構多い。
これらから最終形を推理できれば、鮮やかなとどめを発見するのも難しくはないのだが、入り口を間違えると中空をさまようことになる難解作。
生角を馬に変えながら、端に玉を誘き出す97角成が巧妙。
95の歩を取った玉が戻れる場所はなかった。
玄人筋の解答者の評価も高い、けいたんさん会心の一作であろう。
最近難解作にシフトしている作者だが、易しい作品も作ってね!
たけとひでさん 「この定跡を坂田三吉に教えてあげたい。」
■こんなん、ほんまに使えるんかいな(三吉談)。
香箱さん 「これは最高級の解後感です。」
■ありがとうございます。うれしい短評です。
まじーさん 「角のスイッチバックが面白い。きれいに出来ています。」
■このタイプ(端の香利用の開き王手)の決定版でしょう。
S.Kimuraさん 「後手玉が1五か9五に行くと予想して色々と考えたのですが,上記手順しか見つかりませんでした.もっとも,△7五歩と無駄合い出来るので,推理将棋ではこの手順では駄目だったような・・」
■びっくりしました。あわや余詰か、というところでしたが、確かに最後の無駄合いで13手に逃れていました。しかしこの順、いけてますよ。見たことない順です。あえて公開しませんので、ぜひこれで一局ものにしてください。
たくぼんさん 「これは見事!詰上りも手順も緩みがない。傑作。」
■この短評に尽きますね。
けいたんさん(作者) 「『裸の王様』はてるま&ミニベロ作をヒントに作りました。幸運です。」
■これは意外でした。だって手順も狙いも全くの別物ですから。
おそらく作図動機になったんだろうと思いますが、役に立ってよかった!
魚熊さん 「後手の4連続は王で、5段目に出てきてもらうところまでは思い至ったものの、詰み形が見えず。」
■絶対に必要な飛び道具は、まさかの端の香でした。
館長さん 「後手の4回は当然玉。先手の駒は「角」しかない。」
■形に明るい人は、これにすぐ気が付いてしまいます。
Normanさん 「解けません……。玉に接する8マスに駒なし条件が11手で可能なのか!?」
■ごめん。「裸の王様」の条件と混同させてしまったか。
Normanさん 「がーん、条件を誤解してました。」
■やっぱりそうか。「錯覚イケナイ、ヨク見ルヨロシ」。
まささん 「後手の4連続を玉と決め打ちすれば、4手動いて駒に接しない場所として15や95が見えてくる。比較的易しい問題。」
■やはりこのクラスは条件を見ただけでもう詰め形が見えています。
natsuoさん 「玉と馬が描く2本の平行線が美しいですね。スイッチバックする馬は個人的にも思い入れがあり、気に入りました。」
■ほんとだ! 斜めに二本、綺麗に入ってますね。
はてるまさん 「実は同じ筋で作品化を考えていましたが、これはひとつの完成型といっていいと思います。条件もシンプルで何より手順が美しい。たいへん感心しました。」
■確か発表寸前に本作を見て、泣く泣くお蔵入りでしたっけ。ところが本作の元ネタは、はてるまさんの「裸の王様」という因果関係。
タラパパさん 「〆切近くまで解いていなかったので焦りました。 なんとか解けたのが〆切30分前(汗) はじめは飛車を取って75飛打まで?と思えば、その順ではどうしても後手が74歩を突いてくるのでNG。条件的にも覚え易く、手順もまた良しの佳局でした。」
■条件・手順・緊張感溢れる詰め上がり、すべて一級品です。
正解:10名
館長さん けいたんさん 香箱さん たくぼんさん たけとひでさん
タラパパさん natsuoさん はてるまさん まささん まじーさん
推理将棋第11回出題全解答者: 15名
魚熊さん S.Kimuraさん 館長さん けいたんさん 高坂研さん
香箱さん たくぼんさん たけとひでさん タラパパさん natsuoさん
Normanさん はてるまさん はらたっとさん まささん まじーさん
当選: けいたんさん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。
あとがき
近代将棋が6月号をもって休刊となった。
せっかく推理将棋の連載が始まったというのに・・・。
まあしかし、詰将棋から見れば推理将棋の嘆きなど問題外だろう。
将棋道場の減少も含めて、ネットの普及の影響があったのだろうか。
それとも将棋の遊びは、ネット上でこそ生き続けるものなのだろうか。
歴史ある将棋専門誌の再起を応援したい。
それでは前回の答え合わせです。
● 7手詰○×クイズ 3題 練習問題 ●
第9問 ・不成りも成りも王手ではなかった ○
手順例
▲7六歩 △4二金 ▲3三角不成 △6二玉
▲4二角成 △7二金 ▲5二金
第10問 ・不成りは王手で成りは王手ではなかった ×
第11問 ・不成りは王手ではなく成りは王手だった ○
手順例
▲7六歩 △3四歩 ▲2二角不成 △5二金左
▲4二角 △4一玉 ▲3一角右成
ちょっと難しかったかな?
7手でもいろいろ遊べるという例でした。
さて今月の練習問題です。
例によって回答はいりません。答え合わせは次回の「あとがき」で。
● 7手詰(古典より) 3題 練習問題 ●
第12問 ・32銀と指した
第13問 ・後手が歩を突いた直後に先手は2枚目の駒を取った
第14問 ・2段目の手しか指さない後手に不成で王手を掛けた
それでは次回をお楽しみに。
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