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推理将棋第12回解答(3)

[2008年6月30日最終更新]
推理将棋第12回出題の 12-3の解答、第12回出題の当選者(natsuoさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第12回出題  推理将棋第12回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


12-3 上級 タラパパ作 小金持ち 11手

「11手で詰ませて、持駒を5枚も貯めこんだって?」
「うん、駒を成る手は最終手だけだったけどね」

  • 11手で詰み
  • 終局時、先手の持駒が5枚
  • 駒を成る手は最終手のみ

さて、どんな手順だったのでしょう。推理してくださいね。


出題のことば(担当 ミニベロ)
  豪快に取りまくってください


推理将棋12-3 解答   担当 ミニベロ Suiri123_2

▲7六歩、▽4四歩、▲同角、▽4二飛、
5三角不成、▽4七飛不成、▲3一角不成、▽4八飛不成、
同飛
▽4二金、▲同飛成 まで11手で詰み

11手で5枚ということは、初手は駒を取れないから、詰め方は最後まで駒を取り続ける。打つこともできないので単騎詰を考えるが、成る手は最終手だけとなるとそれもパス。さんざん考えさせられて自飛車の出動に思い当たれば、正解はもうすぐだ。

それにはまず玉方の飛車に、邪魔な47の歩を取らせる。さらにその前に、邪魔な43の歩を44で取っておく。これだけ駒が動いて11手とは、なんと効率のいい駒さばきだろう。
 
「成る手は最終手だけ」は、最後62銀・41馬のような順も消していて用心深い。 

この作者には他に、「13手6枚」や「15手7枚」という「がめつい奴シリーズ」もあるが、本作は「11手5枚」なので「小金持ち」というわけだ。

作者(タラパパさん) 「ミニベロさんのお陰で生まれた作品。馬による単騎詰か、自陣から協力駒を連れて来るしかありませんが、単騎詰11手では4枚取るのが限界のようです。」

■そうか、11手では自由に成っても単騎で5枚は無理だったのか。
 15手あれば、7枚取ることは比較的簡単なんですね。

リーグ戦ファンさん 「すばらしい! 二手目の奇想、44歩が「消去法的に思い受かぶかどうか」ではなくて、これしかない!と積極的に発想させるところが素敵。
そもそも、途中手段がロジカルに限定される問題は大好きです。
 (先手は3手目から最後まで駒取しかありえなくて、初形から角以外にもう一枚活用させないと詰むはずがない)
もう一枚の活用として普通思いつくのは 77桂→65桂→53桂成で、その筋に10分くらいこだわってしまいました。77桂でなければ、残るは飛車しかなくて、すると二手目の44歩は、それしかない、と、気がつきますね。所要時間15分。」

■解説ありがとうございます。
 これだけ論理的に解かれれば、作者も満足でしょう。
 15分は速過ぎだけど・・・。

たけとひでさん 「華麗なる捌き、どちらかと言えば後手の。」

■バカ詰系ですから、斬られ役が旨くないと。

S.Kimuraさん 「角だけでは駒を5枚取っても詰まないので,飛車を活用することを考えましたが,後手の飛車が3筋ではなくて4筋から来たのには驚きました.」

■私も最初は3筋を考えました。
 4筋のほうが玉が動かなくてもいいので、手数が節約できるんですね。

中村雅哉さん 「飛の活用はなかなか見えなかった。簡素な条件に巧みな手順の秀作。」

■私も角で散々な目に会いました。ヘトヘトになってやっと飛車の活用に至るも、しばらくは3筋でウロウロしていました。

たくぼんさん 「48飛生が上手いです。5枚も取れるとは思わなかった。」

■攻め方の最大は手数マイナス1ですから、6手ある本作では5枚。
 後手も取っているので計6枚。
 先後合わせて取れる最大枚数は何枚なのかな?

けいたんさん 「駒取りでも美しく表現できるんですね。」

■駒取り回数や王手回数は、きつい縛りのようで実は親切なヒントでもあります。

Normanさん 「76歩を除き全て駒取り、詰ますために飛車の援軍、と考えたらなんとか解けました。論理的に解ける好作。」

■これは難しいと思ったのですが、難易度の判定、間違ってましたかね。

高坂研さん 「5連続で駒取りをしなければならないのだが、全部角で取るとばかり思い込んだために思考が袋小路に。3題の中では一番論理的にアプローチできる作なのに…。これまた完敗です。」

■私も最初は角でずっと追いかけていました。

natsuoさん 「3手目から常に駒を取る必要があるため、難易度としては他の2問と同じくらいに感じました。33ではなく、44から駒取りが始まることに気づくのがポイントですね。」

■通常後手の飛車の活用は3筋ですので、4筋は最後になってしまいますね。


正解:8名

  S.Kimuraさん  たくぼんさん  たけとひでさん  タラパパさん
  中村雅哉さん  natsuoさん  Normanさん  リーグ戦ファンさん


推理将棋第12回出題全解答者: 11名

  魚熊さん  S.Kimuraさん  けいたんさん  高坂研さん
  たくぼんさん  たけとひでさん  タラパパさん  
中村雅哉さん
  
natsuoさん  Normanさん  リーグ戦ファンさん

当選: natsuoさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。


あとがき

参りました。担当自信の「タラパパ特集」解答者激減! 
こんな好作ぞろいなのに、もったいない!
作者にも解答者にも悪いことをしてしまった。結果として選題ミスでした。

推理将棋の難易度は本当に分からない。
反省して次回は易しい作品を集めましょう。

担当は毎回、いけしゃあしゃあと解説を書いているように見えるが、実は、泥沼を這いずり回ってやっと正解にたどり着いての選題。
だから、解けたときの喜びを共有し合える皆さんの短評が何よりの励みだ。
今後とも、「おもちゃ箱の推理将棋」をよろしくお願いします。

7手詰は全手順29通りであることは周知だが、このたび橘氏のご尽力で、8手詰全手順3420通りがすべて解明された。
勿論微細な非限定や手順前後を、すべて別手順としてみた場合であるが、この中には、詰みまでに必ず8手必要な順と、7手に無駄手を1手挟んだ順がある。
しかし1手増えただけで約118倍に膨れ上がるとは、9手・10手が、短編とはいえ難しいのも分かるような気がする。

今現在で、MIXI内で発表されている推理将棋の作品数は400を超えている。
そのほとんどが10手前後の短編である。
そして毎日のように新しい作品が生み出されている。
推理将棋は、まだ始まったばかりです。

それでは前回の答え合わせです。

● 7手詰(古典より) 3題  練習問題 ●

第12問 ・32銀と指した

▲7六歩    △5二玉    ▲3三角不成 △5一金左 
▲同角不成  △3二銀  ▲4二金

第13問 ・後手が歩を突いた直後に先手は2枚目の駒を取った

▲7六歩     △4二銀  ▲3三角不成 △5四歩   
▲4二角不成 △5二玉 ▲5三銀

第14問 ・2段目の手しか指さない後手に不成で王手を掛けた

▲7六歩    △7二金    ▲3三角不成 △4二金   
▲同角成    △6二玉  ▲5二金

さて今月の練習問題です。
例によって回答はいりません。答え合わせは次回の「あとがき」で。

● 7手詰(古典より) 3題  練習問題 ●

第15問・先手の最初の手と後手の最後の手は同じ筋にいた駒
第16問・角不成、角成、腹金の3連続王手
第17問・端角が次に同角と動いた

それでは次回をお楽しみに。

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