推理将棋第14回解答(1)
[2008年8月25日最終更新]
推理将棋第14回出題の
14-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第14回出題 推理将棋第14回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
14-1 初級 まさ作 外から順番 9手
「この前たった9手で詰まして勝ったよ。」
「それはすごい。どんな将棋だったの?」
「僕は普通に初手76歩と突いたんだけど、相手の着手は9筋・8筋・7筋・6筋と外側の筋から順番に指してきたよ。」
- 9手で詰み
- 初手は76歩
- 後手は9筋・8筋・7筋・6筋の順に着手した。
8手が中級で9手が初級なのは、意味のある手が限られるからです。名推理を期待。
出題のことば(担当 タラパパ)
8手問題より易しく解ける9手
推理将棋14-1 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽9二飛、▲4四角、▽8二銀、
▲5三角不成、▽7一金、▲同角不成、▽6一玉、
▲6二金 まで9手で詰み
先手は角を使うよりないけれど、迂闊に33や73から侵入を図ると王手がかかってしまい、それを防ぐ手を指していない後手の条件から、このルートは消すことができる。
93からのルートも、4手目を指し終えて、84か82に後手の駒がいる条件下では、7手目に飛車か銀を手にして82馬と迫るのが精一杯で、残る一手で詰めるにはほど遠い。
残された唯一の侵入路は53だ。それに要する手数が先手の指し手で3手。
残る2手で先手は強い駒を取って(7手目)打つ(9手目)よりない。
7手目に駒が取れるのは31と71の2ヶ所だけなので、取れる駒も金か銀に限られる。
以上の推理から、後手61玉、先手71角、62金が唯一の詰み形との結論に至る。
こうした論理的なアプローチをするまでもなく、9筋・8筋の順に指して意味のありそうな着手って、そもそも92飛、82銀しかありませんけれどね。
解答者に優しい良問でした。
作者(まささん) 「2手目(9筋)、4手目(8筋)の理由付けを考えれば比較的解き易い問題と思います。初手76歩に限定しないと96歩~97角が成立します。」
■今後もこうした解き易い良問の提供をお願いします。
はらたっと 「9筋から歩をついていては詰め形にはならないだろうなあと想像すると9二飛、8二銀は必須。角の侵入ルートは3三ではダメなので5三から入って金とれば....あっ詰んじゃった!という感じです。」
■直感的に2手目94歩や92香は無意味ですものね。
リーグ戦ファン 「問題も覚えやすいし、論理的に解ける好問だと思います。この問題、手順が条件付けで指定されてるくせに、詰め上がり図を見ると手順が限定されている、珍しい形ですね。」
■同じ詰上がりを実現するなら、銀を立つ筋で8手でできるのですが、趣向を交えて論理的に解けるよう工夫されたのですね。
隅の老人B 「手が限られていて、楽。でも、2度の角生は好手です。初級?、どうして、結構に悩みました。」
■生でないと61玉と近づいて貰えないので連続不成。明快な不成の意味づけでした。
吉川慎耶 「この条件で生限定にしているのは素晴らしい。」
■問題文で何も触れずに、成・不成が限定する感触っていいですよね。
高坂研 「紛れが殆どない、理想的な啓蒙作。ところで、初手76歩としないとどんな余詰筋があるのかな?」
■96歩がありました。この余詰筋って単純なんですけど、作る時に見落としがちなんですよね。私なんか幾度も(^^;
ぷら 「9筋8筋の限定を考えたらすぐ解けました。易しい作品万歳!」
■易しい作品を募集していますので、ぷらさんもぜひ提供してください。
枡彰介 「後手玉が詰むように土台作りをしていく手順が面白い。手が限られるので軽く解ける良作。」
■詰むように詰むように。推理将棋は玉側の手によく好手があります。
S.Kimura 「初手76歩という条件から、初手96歩だと変化手順になるのではと思いました。そして、97角→53角のラインから、44角→53角にたどり着きました。」
■なぁるほど、76歩の条件から53角ラインを見破りましたか。鋭い推理でした。
花井秀隆 「ヒントに従い、意味のある手を指していったら一発でした。」
■まささんはレパートリーが広い人ですから、いつもこうとは限りませんよ。こんな条件で92飛から82飛と戻るようなこともやりかねませんし(笑)
ミニベロ 「覚えやすい条件、やる気になる条件。初級作品のつぼを知ってますね。」
■やる気を起こしてくれる作品は、詰将棋でいう好形作に当たるでしょうか。趣向的で魅力のある条件が素敵でした。
橘圭伍 「簡単明瞭な条件にして良問」
■まさに然り(洒落ではありません)。こうした作品がたくさんあると担当としては嬉しいのですが。
Norman 「確かに簡単でした。「初手76歩」条件から、初手96歩で余詰む角の使い方を考えたら、すぐに解けました。」
■S.Kimuraさんと同じアプローチですね。角を侵入するしか手のないことを読むと最短の解法かも。
けいたん 「この手順はなかなかいい発想と思う」
■9筋・8筋・7筋・6筋の順に指した条件設定により、手順も更に輝くのですね。
はてるま 「これはうまい。成生の条件が不要なのもいい。初心者にもやさしく解けそうですし、良い作品ですね。」
■成生の条件って、作る側からは苦々しさも残って、できる限り付けたくないんですよね。
たくぼん 「とっても考えやすくてトップバッターには最適でした。」
■トップバッターはこうでないと。
魚熊 「後手の手で端から順として意味があるのは、92飛、82銀は確定で、7筋の金、6筋の王も確定的。しかし動かさない方の駒を取ろうとして、手数が足らずに苦戦。動かした駒を取ることに気づいて解決しました。」
■後手の動かした駒が決まれば解決したも同然なのですが、思い込みが邪魔をして苦労するって、自分でもかなり経験があります。
正解:17名
魚熊さん S.Kimuraさん 吉川慎耶さん 高坂研さん 隅の老人Bさん
たくぼんさん 橘圭伍さん 躑躅さん 中村雅哉さん Normanさん
はてるまさん 花井秀隆さん はらたっとさん ぷらさん 枡彰介さん
ミニベロさん リーグ戦ファンさん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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