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推理将棋第16回解答(1)

[2008年10月24日最終更新]
推理将棋第16回出題の 16-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第16回出題  推理将棋第16回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


16-1 初級 夏休み作  3段目への駒打ち 9手

「9手で詰んだね」
「成る手はなかったのにね」
「3段目に駒を打つ手が2回あったけど、同じ場所に打ったね」
「王手は最後の1回だけだったよ」

どんな将棋でしょうか。

  • 9手で詰み
  • 3段目に駒を打つ手が2回あったが同じ場所だった
  • 成る手はなかった
  • 王手は最後だけ

素直で軽妙な作品ですから、素直に解いてください。


出題のことば(担当 タラパパ)
  3段目の同じ場所はどこ?


推理将棋16-1 解答   担当 タラパパ Suiri161

▲7六歩、▽3四歩、▲2二角不成、▽6四歩、
6三角、▽6二玉、▲4一角不成、▽7二玉、
6三金 まで9手で詰み

3段目の同じ場所に2度駒を打つ条件が解図のキーポイント。「後手~先手」の順番で9手で詰みに至るのは不可能なことがすぐに検証できます。「先手~後手」の順番なら、他に何の条件もなければ「76歩、34歩、22角不成、72金、32角、22銀、41角不成、32角、52金」のような手順がありますが、打つ場所が3段目となるともういけません。

というのも、9手で詰ませる時に後手が打てる駒は角か桂しかなく、「取った駒を6手目に打ち、8手目に動く筋」では後手に許される4手が「34歩、駒を取る手、駒を打つ手、駒を動く手」で早くも手一杯になり、先手に協力する術がない(例えば82飛の横利きを消す)のです。

こうして「先手~先手」が決まると、ずっと考え易くなります。先手の5手が「76歩を突く、駒を取る、打つ、駒を取りながら打った駒を動く、打つ」が決まります。歩を取っても使えませんから、序の3手「76歩、34歩、22角不成」が決定します。この後の先手の手順も、5手目に3段目に打ち、7手目に移動し、9手目に同じ場所に打つしかないわけですから、4手目は4段目の歩を突く一手。なぜなら33角と打つ筋は、33桂の利きがあって33駒打ちまでの手順が組めませんから。

3段目の駒打ちで詰むとすれば、どうやら玉が2段目に出てくることも決まりそうです。

そろそろ作意手順が見えてきそうですね。玉が移動し、3段目に駒を打って51に逃がさない手段を探せば解決します。

とはいっても、実際に解くとなると疑心暗鬼が付き物。72玉と寄る手にはなかなか気づかないものです。

なお「王手は最後だけ」は、4手目に54歩と突き、53角、42銀、同角不成(王手)、52玉、53銀までの順を消した周到な条件でした。

少ない条件に72玉の好手(同じようでも32玉と寄る筋は、22角が先手駒で壁になりません)、初登場に似つかわしくない洗練された好作でした。

作者(夏休みさん) 「いじっていたら偶然できました。同じのがなければいいんですが」

■大丈夫。チェックした限りでは、同じ作品はありませんでした。

高坂研 「確かに素直。スターターに最適。」

■初級問題はなるべく素直な作品を出したいと思っています。

中村雅哉 「考えやすく、トップバッターとしては好適と思います。」

■まささんには朝飯前といったところでしょうか。

隅の老人B 「簡単に解けると、感想が難しい。角生が好手かな。」

■易しすぎました?(笑)

リーグ戦ファン 「同じ場所に駒を打てるのは5手目と9手目だけで、5手目に打てる駒は角しかない、と、ロジカルに解ける佳品ですね。これだけ素直だと実に解きやすいです。」

■9手で比較的簡単に、しかもロジカルに解ける作品、貴重なんですよね。

はらたっと 「これは、3手目駒取り5手目駒打ち7手目駒取り9手目王手。となると、3手目は角をとるしかない。最終手以外王手がかけられないとなると、駒を打つところは53ではダメ。43から金をとって角側に寄せると22角がとられてしまうので残りは63ですね。」

■43から金を取ると22角が取られてしまう。些細なことですが、こんな意味づけで限定する味は格別でした。

鈴木康夫 「どうしても一段目に逃げられると悩みましたが 飛車を逆用すれば金駒は頭に打たなくても良いのですね。」

■そこがポイントでした。51の穴を塞ぎたいと考えるのですが、41金が取られてしまうと一手で塞ぐすべがありません。駒を使わずに飛車の壁を利用する72玉が好手になります。

S.Kimura 「今回は波長があったせいか,割と早く解けました.」

■波長が合わないと、推理将棋では易しい作品でも難解作になってしまいますから。

諏訪冬葉 「角が成れないので下に逃げられる。なら下に逃げれない場所に誘導すればいいのか。」

■ピンポ~ン♪そこに気づくまでが大変なのですが。

はてるま 「43や53だと微妙にだめなのがいいですね。」

■53では王手がかかり、43では22角が取られてしまう。それが味でした。

ミニベロ 「基本手筋の63に金を打つ形は便利ですね。」

■そうか、これは基本手筋でしたか (^^;

渡辺 「最初に「53角、42/62銀、同角生、52玉、53銀」の筋にはまってしまって、「最終手玉頭とずれた位置に打つ」「玉から出向いて退路を狭める」になかなか気付かずに苦労しました。味方の22角が居ない方で詰むのも盲点。」

■私と同じ紛れに嵌まってる(笑)

竹野龍騎 「素直に……先後1回ずつ駒打ちと思ったらハズレ。」

■それは決して素直ではないと・・・・思うのですが(笑)

たくぼん 「第1感は53地点でしたが、王手条件が効いてますね。」

■王手は最後だけ、がソツのない条件でした。

躑躅 「分かりません。」

■中級・上級が解けているのに初級で躓くのが推理将棋。出題側も難易度設定にいつも悩みます。最近では「まぁ、いいか」って割り切っています(笑)

魚熊 「同じ場所に2回駒打ちするには5手目と9手目が必然。従って3手目と7手目の駒取りも絶対。そのため最初の3手は確定(ここまで書いてまだ解けていない・・・)。上記のコメントからこの解答にたどりつくまで3週間。つまり気づいたのは解答締め切り日でした。64歩の1手を見つけるのにそれだけ時間を要したことになります。」

■64歩を見つけるのには、後続の72玉の好手に気づかなければなりませんが、この一手が気づきにくいんです。


正解:14名

  魚熊さん  S.Kimuraさん  高坂研さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  たくぼんさん  竹野龍騎さん  中村雅哉さん  はてるまさん
  はらたっとさん  ミニベロさん  リーグ戦ファンさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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