推理将棋第15回解答(3)
[2008年10月4日最終更新]
推理将棋第15回出題の
15-3の解答、第15回出題の当選者(躑躅さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第15回出題 推理将棋第15回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
15-3 上級 けいたん作 橋詰くん 11手
「負けました。橋詰くんは強いな、11手で詰まされたか。端の着手しか指さないのにどうして?」
「うーん僕が強いというよりは...。技は不成くらいしか指してないけど」
「2手目の金がまずかったかな。それとも最後の歩突きかな」
- 11手で詰み
- 先手は端の着手しか指さない
- 先手は不成を指す
- 2手目は金の着手
- 後手の最後の着手(10手目)は歩突き
2手目の金、10手目の歩、どちらも詰むために必要な動き。詰位置を推理してください。
出題のことば(担当 タラパパ)
玉が動けるのは最大でも3回。何回動いてどこで詰む?
推理将棋15-3 解答 担当 タラパパ
▲1六歩、▽4二金、▲1五歩、▽4一玉、
▲1四歩、▽3二玉、▲1三歩不成、▽同角、
▲同香成、▽2四歩、▲1四角 まで11手で詰み
作者 「初手16歩できれいにまとまった短編は貴重かと」
■誰でも手を出す気のおきる短編は、ほんとうに貴重です。またこんな作品をお願いします。
竹野龍騎 「第一感は97角でしたが詰みそうにない。1筋から角取って最終手1筋に角打ちと考えて解決。端だけ条件が分かりやすくて楽しい。」
■ずいぶん大胆な発想を (笑)
S.Kimura 「97角で詰ませるぐらいしかないと思っていましたが、1筋で角を取って、14角で詰むとは驚きでした.」
■同じ発想・・・すると97角は、あながち大胆ともいえない?
はらたっと 「1筋から飛車は、2手目金、10手目歩突きが意味がなく最終手97角と出る手が合い駒なしで詰みが最終形かなあ。。。。と考えてますがわからず。ということでわかったらまた送ります。」
■はらたっとさんも97角に誘われたんですか?こりゃ笑いごとじゃありませんぞ。
リーグ戦ファン 「この問題は、多分客観的には易しい良問なのだと思いますが、 全然筋が見えずに悪戦苦闘。14とまでとか、97角までとか、いったい何十手足らないんだよ、ってな手まで考えてました。なるほど、筋違い角ですかぁ。どうも私、基本的にチェスの人であるせいか、駒打ちで解決する発想が抜けやすいです・・・」
■ええ~っ!リーグ戦ファンさんも?
渡辺 「すべて1筋なんですね。手数から玉は2(8)筋までしか行けず、2(8)筋に行くには駒を動かす必要があるから3(7)筋までしか行けないので、最後は角で詰めるしかない訳ですが、96歩、97角」の筋にはまってなかなか解けませんでした。」
■詰将棋に「ブルータス、お前もか!」という有名な解説がありましたが、まさか97角がそれほど魅惑の紛れとは露知らず(汗)
先手は端の手しか指せないので、2筋や8筋の相手駒を自分から取りに行くことができません。2手目金で10手目が歩の条件から、詰まされに行く玉が端に近づくとすれば、行ける限界が3筋か7筋。解くにあたってのポイントは、まさに渡辺さんの気づかれた「玉は3(7)筋までしか行けない」点にありました。
端から3筋や7筋に王手をかけられる駒といえば飛車か角。ところが先手が9筋から攻めて飛車を奪い、これを打つことを考えると、どうしても隅にいる香の存在が邪魔になります。残る駒は角しかない。そんな論理で32玉に14角と打つ収束が決まり、すっきりと手順が解明できる筈でしたが、97角の誘惑が強いとは思いもよりませんでした。
まじー 「金と歩。詰上がりを考えるとこれしかありません。」
■ちなみに初手の金条件は、先に玉が42玉、32玉と動いてから42金とする非限定を消すもの。ところが
ミニベロ 「遠く41まで突き刺すこの詰め上がりは気持ち良し! 「6手目は金」で1条件減らせますが。」
■名案でした。最後の歩突き条件が消せるようです。
中村雅哉 「歩を取らせて香を成るのが盲点で考えさせられた。」
■平凡な駒交換なのですが、これが案外盲点になるんですね。自分で解いた時にも盲点になりました。
高坂研 「まささんの作を知っていると、飛を入手したくなる。」
■先手が端に飛香を打つ11手作品ですか?
くまちゃん 「やはり先手が端の着手しかないというのは、手が限定しやすかったです。」
■初解答ありがとうございます。それも全問正解で。こんな感じの作品を織り交ぜながら出題しますので、今後も解答いただきたいと思います。
鈴木康夫 「歩を突くのは桂の打ち場所を作るためかと迷いました。」
■実は角筋を通すためでした。
隅の老人B 「最後の一手が推理将棋らしい好手?」
■23角とは打たせないところが推理将棋。
はてるま 「それほど難しくはありませんが、この手順をこの条件で表現できるのは美しい。最後の14角もぴったり決まってます。好みの作品です。」
■詰上がり13の成香が12なら更に味がよくなるのですが、11手ではちょっと無理ですね。
魚熊 「最初に解けたのがこの問題。右か左かでちょっと悩むものの、「序盤は飛車より角」 の格言通り(?)短手数局では角の方が使いやすいと判れば、詰み形もすぐに見え ました。」
■推理将棋の短編では角を使う作品が圧倒的に多いですしね。そんな中で飛車を主役に作ると意外性が演出できる?
たくぼん 「先手1筋だけでこんな面白い手順が出来るんですね。感心しました。」
■先手か後手の指し手が一つ筋といった条件で、ずいぶん多くの作品ができます。最短7手から、最長は何手くらいでしょう?23手なら思い浮かぶのですが。
正解:15名
魚熊さん S.Kimuraさん くまちゃんさん 高坂研さん 鈴木康夫さん
隅の老人Bさん たくぼんさん 竹野龍騎さん 躑躅さん 中村雅哉さん
はてるまさん まじーさん ミニベロさん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
総評など
高坂研 「解く人によって難しいという人もいれば易しいという人もいるのが推理将棋ですけど、今回の3作、私の中では難易度が全く逆でした。」
■今回も順番を迷いましたが、こればかりは正直判りません。
渡辺 「チェスには最終形(詰みとは限らない)と手数(チェスでは手数は白黒合せて1手なので手数と手番)が与えられて手順を示せと言う問題がありますが、それと雰囲気は似ていますね。「手順を示せ」という問題は好きなのですが、推理将棋の方は最終形を覚えなくて良く、簡潔な条件を覚えれば良くて布団の中でも解けるのでもっと良いですね。」
■推理将棋は解くのも作るのも、短編以外は頭の中が多い世界だろうと思います。電車の中でも会議中でも悟られずにできる(笑)実は推理将棋も、最終形が詰みとは限りません。駒の入れ替えパズルや、駒柱を作る問題なんかもあり、そのうちに登場するかもしれません。中には手数を示さない短編なんかもありますし(その場合にも解き易いように工夫はされています)。
中村雅哉 「どの作品も適度な難度で、比較的手順も絞り込みやすい好作でした。」
■余詰で好局を潰してしまったのが残念でした。
くまちゃん 「”人名シリーズ”どれもうまいネーミングですね。読んで楽しい!解いて楽しい!」
■推理将棋には、会話やタイトルの面白さがあり、楽しさを増幅してくれます。
ミニベロ 「易しくはないですが、とても優しい作品たちですね。 けいたんさんのお人柄がよく出てると思います。」
■推理将棋もだんだん変化してきて、難解な条件付けから優しい条件付けに変わってきた感があります。けいたんさんはその先駆者のお一人かも。
隅の老人B 「ようやく、本格的な秋です。夜長、詰棋の季節でしょうね。とか、なんとか言っては、年中、パズルを解いている暇人です。今回も何とか解けた?気がします。時折、地下鉄で40分くらい離れている孫の処へ出かける。車中では、以前は推理小説を読んでいたが、最近は推理将棋を考えています。目を閉じて、あれやこれやと、頭の中で駒を動かす。途中に乗換駅あり、おっと危ない、乗り越すぞ。」
■隅の老人Bさんの独り言が、最近の楽しみになってきました。秋の夜長を過ごすには推理将棋に限ります。
推理将棋第15回出題全解答者: 17名
魚熊さん S.Kimuraさん 吉川慎耶さん くまちゃんさん 高坂研さん
鈴木康夫さん 隅の老人Bさん たくぼんさん 竹野龍騎さん 躑躅さん
中村雅哉さん はてるまさん はらたっとさん まじーさん ミニベロさん
リーグ戦ファンさん 渡辺さん
当選: 躑躅さん
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