推理将棋第16回解答(2)
[2008年10月26日最終更新]
推理将棋第16回出題の
16-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第16回出題 推理将棋第16回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
16-2 中級 零号機作 初成りの単騎詰 9手
「さっきの隣の将棋にはびっくりしました」
「初めて成ったと思ったら単騎詰で詰んでいましたね」
「2手目の72銀は変でしたね」
- 9手で詰み
- 2手目は72銀だった
- 最初に成った手で単騎詰だった
単騎詰を定義しておきます。詰将棋でいう単騎詰とは、詰上がり局面で詰方の駒が盤面に一枚しかないものをいいますが、詰方20枚の初形から始まる推理将棋では無謀ですね。
ここでは、ほぼ認知されたミニベロさん定義に沿うこととします。
この条件に合致していれば、どんな形も単騎詰として扱います。
単騎詰:王手をかけている唯一の駒以外、詰方の駒を全部外しても詰んでいる形。
単騎詰の一例を示します(最終図で34馬を除く先手駒全部を外しても詰み)。
76歩、42玉、33角不成、32玉、88角不成、24歩、33角不成、23玉、24角成、12玉、34馬 まで11手
出題のことば(担当 タラパパ)
単騎詰の最短は8手、9手もそう多くはない筈
推理将棋16-2 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽7二銀、▲5五角、▽7四歩、
▲8二角不成、▽6二金、▲4二飛、▽6一玉、
▲4一飛成 まで9手で詰み
単騎詰のできる駒は、龍、馬、飛、角、桂、香の6種類。
担当の知る範囲で単騎詰の最短は、龍で8手、馬で10手、飛、角、桂、香で11手かかります。今後これが更新されるものかどうかは別にしても、まだまだ新たな発掘の期待できる魅力的なテーマの一つです。
9手の本作も龍を使うのが正解。後手の飛車が一目散に39飛成と突っ込んで居玉を捉える8手単騎詰(76歩、32飛、33角成、同飛、68飛、37飛不成、58金右、49飛成迄)を応用したいところですが、2手目の72銀は協力放棄宣言ともいえる手。そこで先手は別手段、後手の飛車を取って詰める方針で進めます。
本作を解くには、72銀を活かしつつ単騎で詰む形を探してやることが必要なのですが、72銀、62金、61玉に41龍で合効かずの形が思い浮かべられたかどうか。この形さえ閃けば、あとは一気呵成に手順が組めることでしょう。
作者(零号機さん) 「最初は32銀だったけど、余詰みがあるので72銀に変更」
■その修正だけで済んだのは何よりでしたが、反面82角の利きが味を落とすことにもなりました。
高坂研 「これは定義に当てはまっていると思うけど、71への角の利きがあるのがちょっと嫌味ですね。」
■32銀で同じ筋であれば角の利きが遠く、もう少しカッコイイ単騎詰でしたが。
魚熊 「有名な71飛成までの筋は、2手目の指定で消されているので、最終形を探すことからはじめることに。最も最終形に気づけば、(第1問が解けた勢いで)すぐに解けてしまいました。ただ、82角があるので(単騎詰めに違いはないのですが)ちょっとイメージが合わなかったなぁ。」
■82角・・・・ちょっと不満が残る詰上がりでしたか。それでも、きっちり条件は満たしているのですが(汗)
竹野龍騎 「居なくても詰むとはいえ、82角が居るのは味が悪い。」
■あちゃ~!やっぱり?(汗)
中村雅哉 「単騎詰のパターンを知っていれば簡単。」
■ことによると、初級と逆でしたか?
隅の老人B 「単騎詰のイメ-ジは少ないが、たぶん、この手順でしょう。」
■ビンゴです。
ミニベロ 「2手目32銀という条件でもよさそうだが・・・?!」
■ミニベロさんの指摘も32銀のほうが味がいいというものでしたが、32銀では、玉方74歩、42金、52金右の計4手で、72飛~71飛成の”はてるま手筋”の順に持ち込めるのです。1条件増やすか、発表作のように2条件で行くか、悩ましいところではあります。
リーグ戦ファン 「短手数で単騎で詰ませられるのは普通は飛車でしょう。先手の飛車を使うにはアシストが欲しいのに、役に立たない72銀。としたら、5手目に飛車を取り、7手目に打ち、9手目に成る。一本道でした。少しだけ悩んだのが「82の角が詰みをアシストしてるかどうか」という点でした。タラパパさんが「単騎詰の定義」をきっちりと書いてくださったお陰で深く悩まず済みました。」
■82角を外しても詰みますので、一応単騎詰です。
はらたっと 「しばらく角での単騎詰めを考えてましたが、最終手以外成れないとなると、詰める場所がないので飛車をとって72銀を悪手にする1段目飛車成りしかないなあ。と。」
■72銀を悪手にする。その発想が大切でした。
鈴木康夫 「手数から最後の2手は飛車打、飛車成しかないと分かったら理詰めで解けました。」
■手数から龍単騎が予想できれば、比較的解き易いと思いますが、担当者はけっこう悩みました。
S.Kimura 「はてるま手筋を予想したものの、2手目が72銀では先手の飛車が敵陣に行けない・・と思ったら、後手の飛車を取る手がありましたか。」
■同じ単騎でも、手数が一手増えると可能性が大きく広がるのが推理将棋なんですね。
諏訪冬葉 「72銀があるので62玉に44馬という形を考えたけど52角を打つ暇がない。なら龍単騎だと考えて到達。」
■62玉に44馬の単騎詰、何手でできそうでしょう?ひとつ作ってみませんか?
はてるま 「6、7筋に飛車を打つことを考えてけっこう悩みました。」
■今では”はてるま手筋”と呼ばれる8手龍単騎詰の創始者。この人が悩んでくれたら作者も本望でしょう。
渡辺 「この手数で入玉は無理なので、角(馬)の単騎詰は受け方角と攻め方角(馬)の筋が違う必要があり、成は最後なので馬を寄せることができず、角交換が必須となる。これは手数的に無理、ということで飛車を取りに行けば自然に詰みました。個人的にはこちらの方が初級より易しく感じます。」
■単騎詰の重要なポイントがこれ。単騎詰でもっとも多いのが馬単騎ですが、玉の上方からの馬単騎には、玉の腹に玉方の角がいることが必須。この条件(最初に成った手で単騎詰)では、まさしく飛車で詰めるしかありません。見事な推理でした。
たくぼん 「単騎詰、単騎詰って詰上りは役に立ってない82角だって飛車取る活躍してるのに・・・(笑)」
■82角も活躍しているんですよね。41龍だけが主役じゃないって、82角が文句を言いそう?
正解:15名
魚熊さん S.Kimuraさん 高坂研さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん
諏訪冬葉さん たくぼんさん 竹野龍騎さん 躑躅さん 中村雅哉さん
はてるまさん はらたっとさん ミニベロさん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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