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推理将棋第17回解答(1)

[2008年11月24日最終更新]
推理将棋第17回出題の 17-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第17回出題  推理将棋第17回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


17-1 初級 魚熊作   豆腐将棋(金豆腐) 11手

「さっきの将棋はどうなった?」
「11手で詰ましたよ」
「どんな将棋だったんだい?」
「7手目に金の頭に歩を打ったのが勝因だと思うな」
「他には?」
「成る手はなかったけど、最終手以外に王手が1回あったよ」

(条件)

  • 11手で詰んだ
  • 7手目に金頭に歩を打った
  • 成る手なし
  • 王手2回

出題のことば(担当 タラパパ)
  金頭に歩を打った手を7手目と明示したのは、作図の原点がここにあるから


推理将棋第17回解説  代打ち ミニベロ

タラパパさん多忙のため、ミニベロの臨時解説です。
今や推理将棋界の主力戦力となった魚熊さんの特集はタラパパさんの肝いり。
さぞかし解説をやりたかったことだろうし、名解説を楽しみにしていたファンも多いと思うが、今回は私で我慢しようね。


推理将棋17-1 解答   代打ち ミニベロ Suiri171

7手目に金頭歩を打つ、これは厳しいミッションのようだが、重要なヒントでもある。これが上級なら金が移動している可能性まであるし、そもそも先手か後手かも教えてくれないが、初級だから単純に、金頭の4筋か6筋の歩を切ることを考える。

6筋ならば66歩を後手角に取らせて68飛だが、瞬間66角が邪魔。4筋で、76歩、44歩、同角、42飛までが順当なところ。

ここで33角不成りだと飛車がピンされて47飛不成と歩を切れないので、53角不成。これで7手目に金頭に歩が打てた。しかし成る手はないので、この金は取れない。頭の丸い生角に協力する52金左まで分かるが、急いではいけない。41に打つ飛車の入手が先。

王手2回の条件がここで効いてくる。飛車を48ではなく49に捨てることによる同玉の限定が目的だったはずだが、この逆王手が意外な効果を生み、手順の味わいを深くして作品に厚みを与えた。そしてすでに読んでいた52金に41飛まで。

▲7六歩、▽4四歩、▲同角、▽4二飛、
▲5三角不成、▽4七飛不成、▲4二歩、▽4九飛不成
▲同玉、▽5二金左、▲4一飛 まで11手で詰み

一つ一つのタイミングが絶妙。推理将棋独特のリズム感だ。こういう感じで旨く先手後手の手があてはまったときは、大抵いい作品に仕上がっている。

しかし、これが初級ですか? そう思ったのは私だけなのかな。短評を見てみよう。

中村雅哉 「7手目金頭の歩となれば序盤はすぐ見える。49飛生の駒取りが珍しい筋。」

■王手2回にすることによって、同玉を限定している旨い条件。
 こういったさりげない部分にも作者の力量を感じますね。

竹野龍騎 「1回は先手玉への王手かなと思い、すぐに4筋の形が見えたのですが、なぜか49飛生の一手が見えず苦戦しました。好作。」

■暗算だと見えにくい49飛かもしれない。
 普通はこういうところは48飛と捨てるものだから。

鈴木康夫 「7手目まではほぼ必然なのに、王手が後手と気づくまでに時間を食いました。所要時間30分」

■王手や成り生の回数は、明記していない場合は疑って掛かろう!

はらたっと 「7手目金頭歩というだけで限定なんですね。すごいなあ。あとは、先手は9手目、11手目連続王手だ、と思ってあれあれ???残るは反則技(2歩、1段目不成)ばかり。(しばし考える。。。)そっか王手するのは後手か。」

■はい。攻め方玉方両方の可能性があります。
 さすがに初級だけに「金頭歩」までひねってはいませんが。

渡辺 「有力な金豆腐手段はこの前半7手しかないのですが、残りの4手で苦労しました。この条件で先手玉が王手されるとは驚きです。」

■実力者の渡辺さんを初級で苦労させる、悪い選題者ですね(笑)。
 私だったら、こういった巧妙な作品は中級以降ですけどね。

はなさかしろう 「7手目に42歩を打つ形を探し当てるまでで一区切りですが、その4手後に2度目の王手で詰ますのにしばし悩んでしまいました。案外これが今回の最難問だったかも。」

■初解答有難うございます。私も、これが初級なの、と思っています。

リーグ戦ファン 「5手目までに歩を取って、6手目までにできれば46筋、次善でも357筋の歩を取られないといけない。非常にロジカルな作品です。条件の中の、王手2回、は、後手飛車の取られる場所を限定する役割なのですが、7手目48歩同飛同飛、の余詰を消してるんですね。私は先手金頭歩の叙述トリックに違いないと勝手読みしていたので、あてがはずれました(?)」

■初級作品にそこまで深読みしますか。
 選題者に信用ないのか、それともリーグ戦ファンさんが疑り深いのか?

神無七郎 「初めは歩を自分の金頭に打つ可能性も考えましたが、さすがに初級でそんな意地悪な問題はないようですね。」

■おおっ、初解答有難うございます。
 初級ですから素直に解いていただいて結構です。
 これが上級となると、移動先の金頭や一度取られた金など、作者の罠との戦いになりますが。

高坂研 「騙されないよう慎重に読んだが、それでも最初は先手の王手が2回だとばかり思っていた。危ない、危ない。」

■初級を解くのに、こんなに警戒している。すでに危ない状態?

せっしゅう 「17-1:76歩、44歩、同角、42飛、53角生、47飛生、42歩、49飛生、同玉、52金左、41飛迄。」

■解答有難うございます。みごと正解です。
 短評も下さいね!

たくぼん 「王手2回の条件が秀逸ですね。4九飛生はあまり見ない順。」

■普通は48飛の空捨てですが、取る駒が4つもあるので、同玉に限定させる49飛不成が、王手2回の副作用まで生んで大成功!

宮谷保可楽 「7手目までは一気に進んだのだが、そこから収束が見えず苦悩の日々。最終手以外の王手を後手にさせることで、やっとこさゴールイン。」

■7手目まで一気に進むとは強いです。
 推理将棋を知らないと、歩を突き合っての交換からですから。
 逆王手は常套手段ですので、玉方の成り不成と共に覚えておいてくださいね。

はてるま 「「7手目金頭歩」から7手目までは必然ですが、そこからの纏め方に工夫を感じます。最後以外ただ1回の王手が、後手なのもいい。」

■この49飛不成は評判いいです。玄人受けする手ですね。
 歩を打ってから詰みまでのスピード感も最高です。

S.Kimura 「先手は飛車か金を取るしかなさそうですが,後手が49飛と切る手に意表を突かれました.」

■歩が打ててほっとした瞬間にこれですから、憎い作り方です。

諏訪冬葉 「まず7手目に歩を打つのに一苦労 以下△同銀▲同角不成△52玉▲53銀 までと思ったら43が空いてた」

■この紛れは偶然だとは思いますが、同金以下だと今度は41ですか。
 やっぱり初級にはきついですよね。

ミニベロ 「王手2回は旨い限定。しかしこれが初級ですか!」

■でしょ! なんて、自分でレス入れてどうする。


正解:16名

  S.Kimuraさん  神無七郎さん  高坂研さん  鈴木康夫さん
  諏訪冬葉さん  せっしゅうさん  たくぼんさん  竹野龍騎さん
  中村雅哉さん  はてるまさん
  はなさかしろうさん  はらたっとさん
  ミニベロさん  宮谷保可楽さん  リーグ戦ファンさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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