推理将棋第17回解答(2)
[2008年11月26日最終更新]
推理将棋第17回出題の
17-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第17回出題 推理将棋第17回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
17-2 中級 魚熊作 仮説棄却1 10手
推理将棋の問題を解いてこう考えた。
「成る手がなければ、敵陣に進む意味がない。駒を取る手がなければなおさらだ。 そんなときは、必ず中段玉の詰みになるのではなかろうか」
こんな仮説を作って検討してみましたが、あっさりと棄却されてしまいました。対局者「わずか10手で詰まされちゃったよ」
友人 「どうせまた、駒をいっぱい取られたんでしょ?」
対局者「いや、駒を取る手はなかったよ」
友人 「じゃあ、駒をいっぱい成られた?」
対局者「それもなかった」
友人 「じゃあ、王様が一人でふらふらと盤の真ん中の方に進んでいったんだ!」
対局者「いんや、自陣内から出なかったよ」
友人 「よくわからない対局だなぁ」
対局者「初手は歩で3手目に金の手を指したんだけど、この組み合わせが悪かったかなぁ? それとも2手目の端の手に油断しちゃったのが原因かなぁ?」(条件)
- 10手で詰んだ
- 成る手も駒を取る手もなし
- 先手玉は自陣内(7-9段目)で詰まされた
- 初手は歩、3手目は金
- 2手目は端の手
出題のことば(担当 タラパパ)
駒取りもないのに自陣で詰むとすれば、○段目しかなさそうですね
推理将棋17-2 解答 代打ち ミニベロ
「必ず中段玉の詰み」の仮説は棄却されたが、「敵陣に進む意味がない」は生きている。敵陣に入らずに詰ませるには、やはり玉は7段目までは来て欲しい。
駒は取れないからといって、自軍の金銀の出動は手数が足りない。ここは大駒か桂馬が足が速いのだが、すぐには詰形は見えてこない。
こういう場合は、条件に合わせて自由に配置してみるのがよい。玉を7段目に置いて、大駒と桂の組み合わせでどう詰めるか。そうすると、5段目の角で上部を塞いで桂吊るしが見えてくるだろう。
次は、55角と35角の比較。57玉と37玉の比較でもよい。5手ずつ振り分ければ、35角・37玉の形に決定される。残る二つの条件は、推理将棋特有の手順限定用条件。これに合わせて手順を構築していこう。
▲3六歩、▽1四歩、▲3八金、▽1三角、
▲4八玉、▽3五角、▲3七玉、▽1三桂、
▲4八銀、▽2五桂 まで10手で詰み
それにしても気持ちのいい詰め上がりだ。またしてもタイミングピッタシ!
初級よりは易しく感じた方も多くいるだろう。恐らくタラパパさんがてこずったに違いない。
「仮説棄却シリーズ」は続編にも好作がいっぱいあるので、お楽しみに。
中村雅哉 「詰み形が見えるかどうかが勝負。」
■居玉での桂吊るしなら誰でも見えるのだが。
竹野龍騎 「7段目の玉に桂吊るしの第一感が当たり、楽が出ました。」
■詰みの景色がすぐ見えるかどうか、推理将棋の解図の当たり外れはここ。
やはり多くの形を知っている人が有利ではある。
鈴木康夫 「57でなく37で詰ませる事に気づいたら一瞬でした。所要時間3分」
■ひらめいた瞬間に解ける、これも推理将棋の楽しさです。
はらたっと 「先日、自分でも推理将棋の問題を作ってみまして手順前後、余詰の解消のための条件付けが難しいことを認識させられました。1手目「歩」、2手目「端」、3手目「金」どれも必要な条件ですね。なる手もとる手もない。シンプルで簡潔ですね。」
■おお、作図を始められましたか。ぜひ送ってくださいね。
こういった作品は、条件付けの参考になります。
渡辺 「「これしかない」という想像通りの詰みの形でした。同様の形を77玉、57玉でも読みましたが、77玉では後手75角に手数がかかり、57玉では先手が玉の下を埋めるのに手数がかかります。「3手目金」が少し意地悪で、最初、玉の下を上手埋められないのでは?と思ってしまいました。」
■最短の読みですね。37玉決定までのプロセスに無駄がない。
「3手目金」は、銀との比較だけだと思うけど。
はなさかしろう 「35角がちょっと思いつきにくく、見えた瞬間に気持ちいい手でした。」
■その瞬間が推理将棋の醍醐味です。
リーグ戦ファン 「これは最終形がとても綺麗です。スタンダードと呼んでよい名作、だと思ってます。」
■はい。全く無駄のない手順です。
業務連絡・・・MIXIサボってどこへ行ってるんですか。
神無七郎 「事実上頭3手が指定されているので考え易い作。次は自陣2段目(8-9段目)以内を希望。」
■面白い課題ですね。攻め方7手玉方5手ならすぐに見えますが、遊び手が生じる。
12手で出来れば作品になりますね。その条件で、是非一作作ってください。
もう頭の中では完成しているでしょ?
高坂研 「「駒取り無し」はかなり厳しい条件。今回はこれが一番簡単だった。」
■厳しい条件は、逆に解図のヒントにもなる、という典型でした。
たくぼん 「3段目に非限定なしで玉移動しようと思えば3七か7七が本命ですね。」
■なるほど、そういう推理も成り立ちますね。
これは必ず試験に出るので覚えておこう!
宮谷保可楽 「手当たり次第に駒を動かしていたら詰んでいた、というのが正直なところ。たしかに7段目まで玉を持ち上げないと、周辺の駒が防御になってしまう。不動の28飛がよく効いている。」
■そう、詰まされる側の駒の働きも重要なんです。
57玉型だと、攻め方4手・玉方6手になってしまうので、
5手・5手となる37玉でまとめるのが作者の力量なんです。
はてるま 「詰めあがりがなかなか見えず、苦労しました。推理将棋って、「これは絶対不可能だろう」っていう条件が、あっさり覆されたりするから、面白いですよね。」
■その「これは絶対不可能だろう」のはずの順を、
余詰で何度も潰されましたね、お互いに(涙)。
S.Kimura 「桂馬で詰ませるしかなさそうですが,角で上部の逃げ道を防ぐとは意外でした.」
■頭の丸い部分をちょうど玉方の歩が塞いでくれています。
諏訪冬葉 「駒が取れないから戦力の確保に一苦労」
■ある意味実戦初形の特性を最もよく活かしている作品とも言える。
角や桂は、この場所ならすんなり行けるんですよね。
ミニベロ 「隅の出口から次々と駒が飛び出すユニークな手順。」
■問題文や条件の演出も旨いですね。
正解:15名
S.Kimuraさん 神無七郎さん 高坂研さん 鈴木康夫さん
諏訪冬葉さん たくぼんさん 竹野龍騎さん 中村雅哉さん
はてるまさん はなさかしろうさん はらたっとさん ミニベロさん
宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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