正解者ゼロの詰将棋
[2010年1月5日最終更新] 高木秀次「千早城」の図面訂正
コンピュータ向け超難解詰将棋作品集の候補として、服部さんからいくつかの作品を教えていただいたが、その中に出題時の正解者なしの作品が2題あった。ほかにも私の知らない作品もあると思うので、ここでまとめて見ることにした。なお、1ヵ月程度の解答期間がある将棋・詰将棋専門誌での正解なしを原則とする(第5回詰将棋解答選手権でもチャンピオン戦第9番、第10番の若島正さんの作品が正解者なしだったが、90分限定なので除外)。追加していきたいので、下記以外にご存知の方は、この記事へのコメントやメールでご教示をお願いする。
関連情報: コンピュータ向け超難解詰将棋作品集 田島秀男さんの詰将棋
第5回詰将棋解答選手権
正解者ゼロ詰将棋作品集(手数順)
小沢正広 「オーバーヒート」 47手 詰パラ1990年11月 余詰
・小沢正広「オーバーヒート」 47手 (おもちゃ箱)
裸玉風の無仕掛け図式で変化紛れが極めて複雑かつ変化別詰の落とし穴もあり、正解者なしで再出題されたが、それでも正解者は出現しなかった。
コンピュータでもなかなか解けない難解作だが、今回チェックしたところ、残念なことに約2時間で初手44角以下の余詰が検出された。駒場和男 「ルパン二世」 47手 詰パラ1999年8月 余詰
・駒場和男「ルパン二世」 47手 (おもちゃ箱)
変化紛れが際どく、かつ難しく、正解者ゼロに。
ゆめまぼろし百番に収録時に、その際どい紛れ(初手82銀)が余詰むことが発見、修正図が第85番に収録された。高木秀次 53手 風ぐるま1955年8月 不詰 (2009年1月6日追加)
・高木秀次 53手 (おもちゃ箱)
「本格古典派の闘将高木氏快心の傑作である。本局に就て解答を寄せられた方は一名もなかった、という事実は如何に本局が難解であったかを如実に物語るものであり、・・・」(解説 黒川一郎さん)知恵の輪を解きほぐすような手順で確かに複雑だが、14手目45歩合の不詰順を見つけたため解答しなかった可能性もありそう。
横田進一 63手 詰パラ1963年4月 不詰
・横田進一 63手 (おもちゃ箱)
大道詰将棋のコーナー、研究科で「実力者歓迎!」と題して特別出題された。合駒が非常に複雑で、正解者ゼロに。
今回、コンピュータチェックをしたところ、12手目15角中合のところ17歩の中合で不詰と判明した。高木秀次 「千早城」 63手 詰パラ1963年9月
・高木秀次「千早城」 63手 (おもちゃ箱)
三段構えの伏線、玉方金先金歩の合駒に全員討ち死に(誤解11名無解3名)。題名通り難攻不落で、作者の代表作となった。半期賞受賞。
*2010年1月5日、29成香を29香に訂正
(データベースのデータ誤り)田島暁雄 69手 近代将棋1971年11月
・田島暁雄 69手 (おもちゃ箱)
難解派田島さんの面目躍如の難解作で正解者なし、塚田賞を受賞した。今井光 79手 近代将棋1971年8月
・今井光 79手 (おもちゃ箱)
・今井光作品 (般若一族の叛乱)
あまりに難解だったため塚田賞を逃した伝説の作品。近代将棋で唯一の正解者は作者のペンネームで実質正解ゼロ。般若一族の叛乱は管理者の首猛夫さん逝去のためまもなく見られなくなると思われるので、上記の解説を読みたい方はお早めに。駒場和男 81手 風ぐるま1955年10月
・駒場和男 81手 (おもちゃ箱)
ほとんどの解答者が10手目の中合を見落し変化を解答、正解者なしとなった。ゆめまぼろし百番第64番に収録(「浮雲」と命名)されている。駒場和男 81手 風ぐるま1955年12月
・駒場和男 81手 (おもちゃ箱)
1歩不足をどこでカバーするか。その構想を発見できた解答者はいなかった。ゆめまぼろし百番には本作の改良図が「狸御殿」と命名され、第42番に収録されている。小菊花 「虎バサミ」 87手 詰パラ1981年6月
・小菊花「虎バサミ」 87手 (おもちゃ箱)
「般若一族の叛乱」第2弾。
「・・・ 意味不明の馬ノコ。駒の位置関係を最大限に使った本格的な構想作品である。そして真の目的は人間の慣性を利用したトリックを仕掛けることにあった。それにしても正解者ゼロとは!・・・」 (詰パラ結果発表時の解説より)藤本和 301手 詰パラ1985年4月
・長手数作品 藤本和 301手 (おもちゃ箱)馬ノコ連取りだが、1サイクルごとに手数延ばしの62歩捨て合が入る。ところが、1回だけ捨て合すると早く詰む恐ろしい罠があり、捨て合と、この罠のダブルトラップに全員ひっかかってしまった。
高橋恭嗣 「木星の旅」 411手 詰パラ2004年4月

・長手数作品 「木星の旅」 (おもちゃ箱)
・詰め将棋 上級その1 (1)命名 「木星の旅」 (高橋農園)
複雑な馬ノコで、並べても意味を理解するのが難しいほど。コンピュータにも解けなく、正解者ゼロは当然かも。看寿賞受賞。田島秀男 「乱」 451手 詰パラ1999年10月
・長手数作品 「乱」 (おもちゃ箱)
・解説No113 田島秀男 『乱』 451手 (全詰連HP)
これまでの詰将棋の常識を覆す飛追いベースの複雑な連取り趣向。最初からどの変化も複雑で、読み筋を絞れない。正解者ゼロで看寿賞に。山本昭一 「メガロポリス」 515手 詰パラ1981年1月 早詰 (2009年1月6日追加)
・山本昭一 「メガロポリス」 515手 (おもちゃ箱)
・山本昭一「メガロポリス」 515手 (修正図) (おもちゃ箱)
Jupiterさん「山本昭一さんのメガロポリスも正解者ゼロのようです。解答者44名で全員誤解でした。作意が515手で、39名の人が523手の変別解を答えたそうです。」多重連取りのハシリの作品で看寿賞受賞。44名中39名が44手目32香合の変別解、他の5名も誤解で正解者ゼロ。後にコンピュータで51手目35角以下の早詰が発見され、「怒涛」収録時に47歩を48歩に修正した。
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コメント
山本昭一さんのメガロポリスも正解者ゼロのようです。
解答者44名で全員誤解でした。
作意が515手で、39名の人が523手の変別解を答えたそうです。
投稿: Jupiter | 2009.01.06 09:54
Jupiterさん、ご教示ありがとうございます。後ほど登録したいと思います。
投稿: TETSU | 2009.01.06 21:56