推理将棋第18回解答(2)
[2009年1月31日最終更新]
推理将棋第18回出題の
18-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第18回出題 推理将棋第18回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
18-2 中級 はらたっとさん作 どっちの成りでショー 9手
「たった9手で詰みましたね」
「最後は同地点にどっちの大駒でも成り込めたんだけど、詰むのは片方だけだった。途中で不成が1回だけあったよ」
「歩頭の大駒の方は詰まないんですね」
「先手は3手連続で同じ駒を動かしたのが勝因だね」(条件)
- 9手で詰んだ
- 最終手は大駒が同地点に両方成れたがどちらかで詰んだ
- 詰まない方の大駒は歩頭にあった
- 不成が1回だけあった
- 先手は3手連続で同じ駒を動かした
出題のことば(担当 タラパパ)
片方の大駒でしか詰まない大駒とは何?
推理将棋18-2 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽1四歩、▲4四角、▽1三角、
▲5八飛、▽5七角不成、▲同飛、▽5二玉、
▲5三飛成 まで9手で詰み
成ることのできる一地点に2枚の生大駒をフォーカスする手順、これが意外なほど少なくありません。たとえば不成1回を2回にすると、他の条件をすべて満たす別手順が生まれる際どい紛れも。
それでも本作、手数も短くそう難しくはなかろうと思っていたのですが、解答者の感想を見ると見込み違いだったようです。
後手の歩頭に44角と据え、その間に後手の角を使って57に一穴を穿ち、28飛車を働かせる。実に効率のよい手順。
はなさかしろう 「魅力的な紛れが多く、難問でした。後手の大駒を取りに行くと侵入した角がフリーズするし、歩頭の打駒の方が働きが弱くなりがち。角打ちは手数不足、飛打ちは詰み形が見えず。ところが... 先手の飛車の活用には手数がかかるという先入観があったのですが、後手玉が一手で死地に入るとは!ここでも6筋の紛れがあり、不成一回条件が最後まで強烈に利きました。」
■飛車を42で取ろうとすると不成1回ではNG。22角を不成で取って44角と打つような筋、6筋から飛車の侵入を図る筋も考えられますが、いずれも他の条件が満たせません。意外なことに不成は後手の着手でした。
ミニベロ 「条件に工夫が感じられる、豪快な手順です。3条件でまとめたいところです。」
■ミニベロさんの先行作(9筋からの手順)はたしか3条件。条件は1つ増えましたが、最初の2条件がどことなく愉快。
リーグ戦ファン 「修正条件「先手が3手連続」のおかげで、極端に条件が絞られたので、これもロジカルに解けました。この修正条件がつくなら、こっちが初級でもおかしくなかったですね。筋が全然見えてなかったので、「初手は飛」だったら私は相当に悩んだと思います。お互いに5筋を狙う角、端から行く手と44(66)から行く手があるのを、先手ルートを先に「歩頭」で44に決めることで縛ったわけですね。なるほど。」
■手順前後を見落としがちなのが担当の弱点で。折角の初登場に水を差してしまったのは不覚でした。作者からの連絡は早かったのですが、早見えする解答者の数名から手順前後解を頂戴しました。
渡辺 「今回の最難関。雲をつかむような条件から答がパチッと決まる。秀作。「不成1回」だけで筋が限定されているのが巧い。不成2回であれば22角生から44角生の筋や33角生から42角生の筋がいくらでも見付かるのに1回のものは仲々見付からない。「3連続」の条件により(角で飛車を取る手順を諦めやすくなったので)急激に易しくなったと思います(それでも難問ですが)。もう少し巧い限定法がなかったのでしょうか?」
■リーグ戦ファンさんが悩むと言われた「初手は飛車」なんていいかも(^^)
渡辺(1月30日コメント) 「「初手は飛車」とか「5手目は飛車」のように5手目以内に飛車を使うことをあかしてしまうと、飛を取って打てるのは7手目以降なので、自陣飛車の移動が確定します。したがって、自陣飛車の活用に目が行くので、もっと易しくなると思います。
・3手目は角の着手
くらいが一番悩ましい限定条件かもしれません。」
神無七郎 「隠れた題名は「どっちの歩頭でショー」?自分の歩に腰掛ける形はかなり無理があるのですが、そちらを先に読んでしまいました。」
■不成条件さえなければ、そちらも9手で可能。う~ん、紛れが深い。
S.Kimura 「追加条件のお蔭で、先手の飛車で詰ますことに気が付きました。」
■一見、先手の飛車を使うには手数不足と感じますからね。
たくぼん 「これはわりと素直な順でした。最終地点は第一感が当たりました。」
■見えれば一瞬、見えないといくら考えても見えない。これが推理将棋の怖さ。
竹野龍騎 「ドーンと53に成り込む形がまず浮かんだ。手順が非限定なので余詰?」
高坂 研 「これは先手の手が手順前後できるので余詰でしょう」
■修正前にあっさり解かれたんですね。3連続条件の追加で完全だと思いますが、この手順前後になぜ作者も担当も気づかないのか?トホホ.....(泣)
はてるま 「解けませんでした・・・。「同じ駒を3連続で動かす」というのが難題で、ひらめきませんでした。」
■やはり難問でしたか。
正解:11名
S.Kimuraさん 神無七郎さん 高坂研さん 諏訪冬葉さん
たくぼんさん 竹野龍騎さん はなさかしろうさん はらたっとさん
ミニベロさん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
「初手は飛車」とか「5手目は飛車」のように5手目以内に飛車を使うことをあかしてしまうと、
飛を取って打てるのは7手目以降なので、自陣飛車の移動が確定します。したがって、
自陣飛車の活用に目が行くので、もっと易しくなると思います。
・3手目は角の着手
くらいが一番悩ましい限定条件かもしれません。
投稿: 渡辺 | 2009.01.30 23:12