« 詰将棋メモ(2009年3月27日) | トップページ | 詰将棋メモ(2009年3月28日) »

推理将棋第20回解答(2)

[2009年3月28日最終更新]
推理将棋第20回出題の 20-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第20回出題  推理将棋第20回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


20-2 中級 渡辺秀行さん作   角成は何処?      9手

「さっきの将棋どうなった?
 6段目の角が角上成と動いたところまでは見たんだけど」
「それから手が進んで、9手で詰んだよ」

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 途中で、6段目の角が「角上成」と移動した

出題のことば(担当 タラパパ)
  「角上成」が最終手でなければ3手目までは確定。あとの6手は?


推理将棋20-2 解答   担当 タラパパ Suiri202

▲7六歩、▽3四歩、▲2二角不成、▽5二金左、
4六角、▽4一玉、▲1三角上成、▽5一金寄、
▲3一角成 まで9手で詰み

中級での出題ですが、初級と入れ替えてもよさそうな考え易い作品。6段目の角が最終手以前に「角上成」と移動するためには、3手目に22角不成で角を取り、すぐさま6段目に打って、22の角筋と重なる場所に7手目に「角上成」と突っ込まなければなりません。それができるのは「33角上成」か「13角上成」のみ。

次の2通りの手順しかあり得ません。
 手順1:76歩、34歩、22角不成、○○○、66角、○○○、33角上成、○○○、○○○迄
 手順2:76歩、34歩、22角不成、○○○、46角、○○○、13角上成、○○○、○○○迄

角上成が最終手であれば、22角とうまく連携できるのですが、途中で角上成では33馬の連携であと1手で詰ませるのは無理。22角と13馬であれば、その後31角成と綺麗に連携できるという訳です。41玉に51金と蓋をして、31角成まで。ピタリと纏まった手順でした。

作者 「狙い:論理で解ける易しい1条件です」

■渡辺さん、実は9手問題の第一人者。ミニベロさん曰く「9手詰マイスター」

まさ 「これは極めて方針が立てやすい易しい問題でした。」

■解答者に優しい良問でした。

ミニベロ 「解いてみればこれしかない条件なのに、妙に見えない。この作者の9手作品には要注意!」

■実は私も妙に見えなくて、33角上成から離れられませんでした。

はてるま 「角上生は33と思わせておいて実は13、というのがひとひねりあっていいですね。角上生ひと条件で3手目の成生も限定されるのが、(当然ながら)味良いと思いました。」

■「角上生」ではなく「角上成」なのですが(汗)

渡辺 「これは楽勝でしょう。正解者数アップに貢献できるかと思います。」

■今後も貢献をお願いします。

リーグ戦ファン 「先手の7手目までが2通りしかありえないので、あとは詰め上がり図をイメージすれば一本道です。自信を持って秒殺でした。角上成が最終手であることを制限しないと、53で詰ます筋があるわけですね。」

■おっしゃる通り、53や33、22で詰ませる順などが出ます。「途中で」のひと言できっちり限定するのですから見事。

はなさかしろう 「13が盲点ですが気付きさえすれば33より圧倒的に詰みそうな形。手は狭いのであとは後手の玉型をどう決めるかですが、15パズルのようにひとつずつスライドさせることで手順が自動的に限定されるんですね。条件ともあいまってとてもテクニカルな味わいの問題でした。」

■そういえば推理将棋の多くは「15パズル」的な手順ですね。

○術師 「最初はやみくもに考えていて思考がまとまらなかったのですが、「6段目の角が上成」の条件で86、66、と考えていたら、もう1ヶ所の46を発見できました。
86と66の時は「上成」ではなくて「左成」だよな、と違和感があったので正解手順を見つけてそれもスッキリしました。」

■将棋連盟のサイトに正しい棋譜表記が示されています。これによると、76歩、34歩、22角不成、54歩、86角、○○○、31角左成・・・の手順は、どうしても「31角左成」なので没。66から33へはいずれも「33角上成」が正式な表記のようです。動作(上、寄、引)が優先し、動作で判らないときに「左」「右」「直」を使います。

伊達 「あれ?う~ん・・・・・・わからないOTL 飛車を取るor桂馬を取るor13角上成のどれかが作意になりそうに思うのですが・・・・・・」

■惜しい! そのどれかが作意でした。

竹野龍騎 「角上成は33以外にあるだろうか……と考えて氷解しました。1条件で謎解きの味がある好作。」

■手順も洒落ていますからね。

たくぼん 「33がダメなら13ですね。と言いつつ一番時間が掛かりました。」

■やはりこれが中級でしょう(笑)

隅の老人B 「7手目?で、角上成。最終手なら、なぁ。残念。」

■そなんですよねぇ。「最終手ならなぁ~」って、つい思いますよね。

S.Kimura 「角を33に成ることばかり考えていたため苦戦しました。」

■気付けば簡単なことなのですが、私も33ばかり考えました。


正解:11名

  S.Kimuraさん  たくぼんさん  竹野龍騎さん  躑躅さん
  はてるまさん  はなさかしろうさん  まささん  ○術師さん
  ミニベロさん  リーグ戦ファンさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

|

« 詰将棋メモ(2009年3月27日) | トップページ | 詰将棋メモ(2009年3月28日) »

推理将棋」カテゴリの記事

コメント

> やはりこれが中級でしょう(笑)
無解2人ですか。20-1は無解1人だったので、タラパパさんの判断は正解だったようですね。

> 13が盲点ですが気付きさえすれば33より圧倒的に詰みそうな形。
はい、13角上成は一見そっぽですが、22角との連携を考えれば中心を向いており、そこまでの不利感はないと思います。

投稿: 渡辺 | 2009.03.28 21:28

細かいことに気付いてしまいました。作意解の8手目の表記は「寄」でお願いします。採点上は「右」でも正解で良いと思いますが、作意解の表記は将棋連盟準拠と致したく。

投稿: 渡辺 | 2009.03.28 23:59

▽5一金寄、に修正しました。

投稿: TETSU | 2009.03.29 07:15

はてるまさんのコメントを見て思いついたのですが「角上生」だと(物凄く検討が必要でとても本作の狙いである「簡単1条件」からはかけ離れますが)「途中で」すら不要ですね。

・9手で詰み
・「角上生」の手があった

投稿: 渡辺 | 2009.06.01 02:42

すいません、間違いました。「6段目の角が」は必要です。

・9手で詰み
・6段目の角が「角上生」と動いた

投稿: 渡辺 | 2009.06.01 02:45

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 推理将棋第20回解答(2):

« 詰将棋メモ(2009年3月27日) | トップページ | 詰将棋メモ(2009年3月28日) »