推理将棋第20回解答(3)
[2009年4月2日最終更新]
推理将棋第20回出題の
20-3の解答、第20回出題の当選者(まささん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第20回出題 推理将棋第20回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
20-3 上級 ミニベロさん作 3×3=9 9手
「昨日の9手で詰ませた将棋は会心の一番だったよ」
「三つの奇数筋に3手ずつの着手だったそうだね」
「その勢いで今日も勝とうと思ってね」
「ちょっと、何処へいくの。そこは将棋道場じゃくてパチンコ屋さんだよ」(条件)
- 9手で詰み
- 三つの奇数筋に3手ずつ着手
出題のことば(担当 タラパパ)
5筋から外れない玉を詰める最終手はどの筋?
推理将棋20-3 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽3二飛、▲3三角成、▽5二玉、
▲3二馬、▽5一玉、▲7二飛、▽5二金右、
▲7一飛成 まで9手で詰み
今回の最難関。「三つの奇数筋に3手ずつ」と、たったこれだけの条件で全手順が決まってしまうという、作り手から見れば理想といえそうな条件。
奇数筋ですから、玉は4筋にも6筋にも動けません。すると第一感は52玉に53銀と打つ筋なのですが……。
後手が52玉、54歩、先手が53銀と打つとすれば5筋の着手は手一杯。51を塞ごうとすれば、33角又は73角とでも打って効かせるのでしょうが、どうやっても9手では追いつきません。5筋を断念するとしたら、どうすればいい?
そんな時に便利なのが、51玉を合効かずで詰ませる、通称「はてるま手筋」です。私の場合、本問を解く道筋として、5筋で詰ませる手順を捨てたあと、「はてるま手筋」を想定して逆算的に手順を組みましたが、皆さんはどうだったでしょうか?
作者 「結局はてるま手筋のお世話になりました」
■応用性のある手筋なので、私もだいぶお世話になっています。
まさ 「玉は5筋から出られない以上、どうしても53銀までといった形を考えがちで、なかなかこのパターンに気付きませんでした。52玉~51玉がとぼけた味で、面白い作品でした。」
■52玉~51玉、推理将棋としては珍しい動きでした。
はてるま 「ラーメンをすすっている最中に閃きました。これはミニベロさん会心の作ですね。最初52で玉を仕留める形ばかり考えていましたが、それだとうまくいかないんですね。簡素だけどありふれていない条件と意外な詰め上がり。1条件の傑作ではないでしょうか。」
■そのラーメン教えてください。難問に出会った時に食べますから(笑)
渡辺 「偶数筋の手がないので、1筋3回は無理なので外すの決定。5筋は外せません。あとは、3、7、9筋のどれかを外すのですが、一番楽そうな9筋を外すのが意外でした。」
■9筋を使おうとすると、2手までは96歩、97角で有効に使えそうなのですが、もう一手が使えないんですよねぇ。
リーグ戦ファン 「5筋玉でしか詰みあがりはありえなくて、52玉の玉頭53を狙う筋が本命ですが、普通に攻めたのでは、トドメ、52玉、51を塞ぐ手、の3手が必要で、53に穴を開けることができない。53を斜め前から二枚で攻める筋や飛車を縦に使う筋では全体が9手がおさまりそうにない。後手玉が53に行くとも思えず、となると51玉のまま詰めるしかない。金を72と32金に開いて52銀打までなんて露骨な順をミニベロさんが選ぶわけもないので」
■論理で追って、更に作風から攻めたわけですね。
はなさかしろう 「手順を組み立て終えてニヤリ。手がものすごく狭いのにすぐに見えないのは普段やらない何かが仕組まれているせいですね。後手の77角捨や74飛から54飛など、"何か"のタネをいろいろ組み合わせてみるのが楽しく、玉の上下運動が採用されているのを見つけて嬉しくなりました。」
■74飛から54飛ですか。そういう思いつきが推理将棋を作る上では重要。
○術師 「「最終手はどの筋?」で大方5筋ではないことが分かり、それなら詰ます駒も飛車以外は難しそうなので、コメントのおかげで比較的早く解けました。王手解除のためのムダな動きが面白いです。」
■そう読んでくださると、コメントを付けた甲斐があったというものです。
伊達 「予想以上にあっさりと解答にたどり着きました。馬が32に行く筋を考えて6手目までの局面を並べていたら突然ひらめきました。しかしこの条件、9筋の手とか1筋の手とかだったらインパクトがすごいだろうなあ・・・」
■突然の閃き。その瞬間が推理将棋の醍醐味かもしれません。
たくぼん 「僅か10秒で解けました。私の感覚は人と違うのでしょうか?」
■この難問が・・・・・・じゅ、10秒ですか?そりゃ特殊感覚に違いありません(笑)
隅の老人B 「上がって下がる、王の動きに妙味あり、です。」
■さすがに皆さん、着眼点が鋭い。一手に重みがある推理将棋ではこの動き、ほとんど見たことがないものでした。
S.Kimura 「最終手は5筋だと確信していただけに、玉が元の位置に戻るこの収束に気づいたのは、幸運だったと言うしかありません。」
■5筋は誰もが通る道ですが、いかに早く消せるかが勝負でした。なかなか消せないから苦労するのですが。
正解:12名
S.Kimuraさん 隅の老人Bさん たくぼんさん 伊達さん
躑躅さん はてるまさん はなさかしろうさん まささん
○術師さん ミニベロさん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
総評
まさ 「9手詰「手数+1条件」シリーズ。難度も手頃で楽しめました。」
■また今度、このくらいの難度で揃えたいと思っています。
はなさかしろう 「最近こってり長い手順を考えてばかりいたので、今回の鮮やかな3作品は徹夜明けの日ざしのように目に沁みました。」
■長手順の解き易い作品というのも、出題していこうと思います。
○術師 「初めて全問解けました。1条件でこれだけの手順が表現できるのかというのと、9手になるとこれだけ手順の幅が広がるのかというのが、感想として入り混じっています。自分にとっては今回はどの問題も同じくらいの難しさでした。」
■1条件は非常に魅力のある分野です。中には相当難度の高い手順もあり、まだまだ次々に作られていくのだろうと思われます。○術師さんもいかがですか?
推理将棋第20回出題全解答者: 13名
S.Kimuraさん 隅の老人Bさん たくぼんさん 竹野龍騎さん
伊達さん 躑躅さん はてるまさん はなさかしろうさん
まささん ○術師さん ミニベロさん リーグ戦ファンさん
渡辺さん
当選: まささん
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