推理将棋第21回解答(1)
[2009年4月26日最終更新]
推理将棋第21回出題の
21-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第21回出題 推理将棋第21回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
21-1 初級 ○術師さん作 打歩のリクエスト 11手
「いやぁ、歩を持ってくれたから打歩詰で反則勝ちかと思ってどきどきしたよ」
「気がついてよかったよ。歩を打つのと違う手で詰んでよかった」
「11手で不成が4回とはあまりないよな」
「8手目と同じ筋に指した9手目がポイントだったか?」(条件)
- 11手で詰んだ
- 11手目に歩を打てば打歩詰だったが、別の着手で詰んだ
- 不成が4回あった
- 8手目と9手目は同じ筋の着手だった
※ 危なく指そうとした打歩詰の手は「二歩」ではありません。念のために。
出題のことば(担当 タラパパ)
後手は意外な駒で先手の歩を取ります
推理将棋21-1 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽4二玉、▲3三角不成、▽3二玉、
▲2二角不成、▽3三桂、▲3一角不成、▽2五桂、
▲2二銀、▽3七桂不成、▲2一角 まで11手で詰み
作者 「あまりなさそうな筋で1問作ってみたかった、という問題です。初めて推理将棋の問題を作ったので、打歩回避+後手の桂が活躍するという手順を作ってみたかった、というのが当初の狙いです。当初は「不成3回」という条件の別手順だったのですが、すぐに余詰が生じ、余詰だった本譜を正解として、他の条件も整理しました。「はなさかしろう」氏に検討いただきましたが、際どい余詰筋がたくさんあったのでベテランの方々にかかったら余詰が出るかとも思いましたが、チャレンジで投稿してみました。」
詰将棋の世界でもっとも魅力的なテーマといえば打歩詰。それを推理将棋の世界で作ると、普通は玉方の利きがなく、かつ玉の周りを囲い易い53地点が選ばれるものですが、「どっこい、そんな単純なことはしませんよ」とばかり、3筋で手順を構築する意外な手順でした。
角桂2枚の利きで守られる33地点は、打歩詰テーマではいかにも使いにくい筋なのですが、22角を詰方に取らせて止め駒として使い、もう一枚の21桂を、ぽんぽんと跳ねさせて取歩駒として使う。まさに一石二鳥(不成を併せると一石三鳥?)というべき21桂の活用はお見事でした。
初登場とはいえ、テーマを決めた創作姿勢やコメントから、推理将棋にかなり精通されていることが伺われます。
ミニベロ 「思いっきり5筋にハマリました。手順としてはかなり古典的ですが、「不成り4回」は危険な筋をすべて消した旨い条件付けです。」
■やはり5筋から入りますよね。
まさ 「3筋とは意外でした。」
■慣れた人ほど3筋は考えにくい筋だと思います。
高坂研 「まさか「33歩で打歩詰」の局面が作れるとは思わなかった。 完敗です。」
■33歩ですものねぇ。短時間では思いつきません。
躑躅 「2と3は全然難しくなかったんですが、これだけ分かりません。」
■最短手数の本局が正解率を見ると最難関だったようです。我ながらアテにならない難易度設定(涙)
はらたっと 「意外な駒で歩を取るというヒントで「桂」であることは分りましたが「歩を打つのと違う手で詰んだ」の意味を取り違えました。最終手が「33歩」だと打ち歩詰めになる場合「33○←歩以外」という着手じゃなきゃダメと思い込み随分悩みました。(なので、銀は最終手という発想から逃れられず・・・・。)別筋の着手でよければ、と考えたらすぐだったんですが。」
■自分でも何度か経験があるのですが、問題の勘違いというのはどうしても起きてしまいます。予測がつけば注釈を入れるのですが・・・。
渡辺 「生5回で8、9手目が違う筋なら、すぐに出るんですけどね...。ヒントから桂と角以外(本命は歩)と思っていたので余計に時間がかかりました。」
■ヒントが足を引っ張っちゃいました? ところで、生5回で8、9手目が違う筋・・・・まったく判りません(汗)
○術師 「難問揃いと表された中で自分の出題を採用いただいたので、「これで1問解答を確保できた」とホッとしました。一風変わった狙いとは思いますので、皆様の評を待ちたいと思います。」
■たしかに今月の問題での1問確保は貴重(笑)それも最難問
リーグ戦ファン 「不成3回が2種類等、いくつも筋があるのに、不成4回は難しい。きちんと5筋や33香打の紛れ筋を踏んでからやっと正解に辿り着きました。簡易な条件で、もっとも美しい仕上がりの本筋に限定できてしまうところ、素晴らしいです。」
■33香打の紛れですか。こちらも手順が判らないのですが(涙)、なんだか凄そう。
鈴木康夫 「3筋で37桂生まではすぐに予想がつきましたが42飛と思い込んだため、後手の手数が足りず苦労しました。」
■42飛を先手の角生で代用する。巧妙な解決策でした。
S.Kimura 「後手の飛車で先手の歩を取ると予想しましたが、答えが分かりませんでした。」
■飛車ではありませんでした。桂は考えにくい駒だと思います。
はなさかしろう 「ユニークな条件付けですね。打歩詰は成立条件が厳しいので簡単かと思いきや...。3段目が守られていない5筋か6筋に玉を立つ手順が本命でしたが、5筋は着手筋条件、6筋は不成条件に阻まれてしまい、頓挫。後手の手数が不足気味なのに玉移動に2手かけ守備の桂を跳ねていくというのが抵抗感ある手順でなかなか思いつかず、大難問でした。」
■お名前もいかにもミステリアスですし、3筋を使った作者、解答者心理まで読んでいるのか?
正解:9名
鈴木康夫さん はてるまさん はなさかしろうさん はらたっとさん
まささん ○術師さん ミニベロさん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
| 固定リンク
「推理将棋」カテゴリの記事
- 推理将棋第183回出題(3月10日まで)(2025.02.13)
- 推理将棋第181回解答(3)(2025.01.28)
- 推理将棋第181回解答(2)(2025.01.26)
- 推理将棋第181回解答(1)(2025.01.22)
- 推理将棋第182回出題(2月10日まで)(2025.01.01)
コメント
> 生5回で8、9手目が違う筋
76歩、52玉、33角生、62飛、42角生、66角、53角生、57角生、31角生、51歩、53銀
こちらの方がずいぶん素直だと思います。
投稿: 渡辺 | 2009.04.27 11:35
これも2手目と4手目の手順を限定すれば作品になるかもと
○術師氏と交信していたのですが
本作のような凶悪さがないので見送りました(笑)
投稿: はなさかしろう | 2009.04.29 11:43
33香打は不成3回になってしまう一つの例です。
作意解の7手目から▲1一角成、▲5一角、▲3三香まで。
投稿: リーグ戦ファン | 2009.05.16 21:53
33香打は不成3回になってしまう一つの例です。
作意解の7手目から▲1一角成、▲5一角、▲3三香まで。
投稿: リーグ戦ファン | 2009.05.16 21:53
みなさまご解答・コメントありがとうございました。
リーグ戦ファンさんが追加で書き込まれていた
>33香打は不成3回になってしまう一つの例です。
>作意解の7手目から▲1一角成、▲5一角、▲3三香まで。
という手順が、
私が本作の狙いで記述した
>当初は「不成3回」という条件の別手順だったのですが、
という手順でした。
4回が見つかったのはラッキーでした。
投稿: ○術師 | 2009.05.16 23:38