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詰将棋鑑賞選手権

[2009年4月11日最終更新] 山田淳さんのコメントを追加

解く楽しみ、創作する楽しみ、鑑賞する楽しみ、蒐集する楽しみなど、詰将棋の楽しみ方は人によりいろいろ。棋力のない私はほとんど解けないが、解説を読んで鑑賞するのは楽しみである。先日詰将棋解答選手権を観戦して、こんなことを考えた。

関連情報: 第6回詰将棋解答選手権  解答者パラダイス2号


解答選手権の楽しみ

第6回詰将棋解答選手権は、2009年3月29日に東京、大阪でチャンピオン戦(参加42人)、4月4日に全国11か所で初級戦(参加178人)・一般戦(参加153人)が行われた。今回は朝日新聞社が協賛したこと、初級戦・一般戦が初めて全国同時開催となり参加者数が過去最大になったこと、初めて解答選手権の速報ブログが開設され全国の会場の状況が刻々と速報されたことなどにより、非常に大きな注目を集めた。速報ブログのアクセス数は、チャンピオン戦のときは1日6万に達した。

解答選手権は、早く正確に解くことを競う競技会である。出題される作品は若島正さん、上田吉一さん、小林敏樹さんなど超一流の作家陣の新作、更に公募の作品も加え、非常に質の高いものである。

決められた時間内に解かなければいけない機会は、普段あまりないし、ほかの人と比較することもなかなかできない。だから、解答選手権で頭をフル回転させて詰将棋を解き、そして自分の解答力を把握できることは、とても楽しみなことである。

一つ残念なことは、質の高い作品群を味わう余裕がないこと。時間勝負だからゆっくり鑑賞する時間はないし、選手権後の感想も「難しい」「間違えた」みたいになりがち。以下はほとんど解答力のない私の妄想だが、いつか実現できたらいいな。

詰将棋鑑賞選手権

詰将棋は解く人を悩ませるパズルであり、また作者の表現を味わって楽しむアートである。人によりあれこれであるが、例えば詰将棋パラダイスの読者のうち詰将棋を創作(投稿)する人は5%ぐらい、解答を送る人が10%ぐらい、解説を読んで楽しむ人が残りの大部分、といった比率だろうか。

解答を送る人は、解答と一緒に短評(感想)を付けることが多い。解いた、というだけでなく、どう感じた、ということが重要視されているのである。そこで、この鑑賞することにフォーカスした選手権ができないか。

鑑賞に絞るなら最初から解答付きで作品を提示しても良さそうだが、作品によっては自力で解かないと鑑賞しにくいことがある。そこで、解答は見たい人だけ見られるようにして、自力で解くことも可能にする。または、前半を解答選手権にして後半を鑑賞選手権にする手もありそう。

参加者は、問題を解いて、あるいは解答を見て鑑賞し、短評を記入する。短評の得点は、全員の短評を無記名で並べて、審査員(詰パラや将棋世界の詰将棋コーナー担当者など)が採用したい短評ベスト5を選ぶ。あるいは競技後に作品の解説会を開催し、参加者に選んでもらってもいいだろう。

詰将棋を早く解く力は、現在では人間はほとんどコンピュータにかなわない。しかし、鑑賞する楽しみは、まだまだ人間だけのものである。いろいろな詰将棋を味わって、詰将棋のソムリエを目指すのもいいかもしれない。


コメント(山田淳さん)
2009年4月11日、山田淳さんよりメールでコメントをいただきました。

 おもちゃ箱で提案されている鑑賞選手権は面白そうですね。解答選手権で出題されている作品は、解く速さを競うための「問題」としてのみに使われるにはもったいない質の高い作品ばかりで、多くの詰将棋ファンはTETSUさんが書かれているような思いをずっと抱いていたと思います。

 詰パラやおもちゃ箱で出題される詰将棋の解答者は、作品を解いたときの感動、感想を作者に伝えたい、と考えて短評に思いを託していると思います。また、自分が解いて感動した作品について他の人がどう感じたのかを知るにも短評のシステムは非常に有効だと思います。いずれ若島さんがプロパラのHPに解説を書かれると思いますが、選手権参加者に限らず解いた人がだれでもそこに作品への感想を書き込めるようになればいいですね。

 また、今回の解答選手権は規模が拡大して大変な盛り上がりを見せましたが、参加した人が解図時の思考過程をブログに細かく記載しているのは大変面白く思いました。去年までは篠田さんぐらいしかいなかったのが今年は多数の人がブログに作品を解いている途上の読み筋を具体的に書き込んでいて創作のヒントになるようなことも結構ありました。

 誰にも解かれたり鑑賞されたりすることのない詰将棋は「月面に置かれた詰将棋」と同じで、作品とは呼べず単なる符号にしか過ぎないと思います。同様に、解いたり鑑賞したりしても、そこで感じたことを伝えるすべがなければ、作者のみならず作品そのものにとっても不幸なことと言わざるを得ません。

 創作者、解答者、鑑賞者は同格というよりも作品にとっては分離不可能な存在であり、それをつないでいるのが感想であったり短評であったりするのだと思います。

 ネットでは紙媒体と違っていろいろなことが柔軟にできるので他にも面白いアイデアが出てきて、より良い方向に向かうといいですね。

TETSU: 解答選手権の問題、いずれ発表されると思いますが、山田さんのいわれるように感想を書き込めるようにしていただけるとうれしいですね。


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