推理将棋第24回解答(3)
[2009年7月29日最終更新]
推理将棋第24回出題の
24-3の解答、第24回出題の当選者(S.Kimuraさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第24回出題 推理将棋第24回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
24-3 上級 金子清志さん作 9手必至 9手
「9手で投了しちゃいましたね」
「どう受けても次に1手詰の完全な必至。投了するしかないね」
「駒が成る手が1度も無くて必至とは、珍しいな」
「途中の王手のあたりから、変な将棋だとは思ってたんだ」(条件)
- 9手で必至がかかった
- 10手目に後手がどんな手を指しても11手目に詰む
- 駒を成る手なし
- 途中で王手があった
※ ヤケクソ王手も通用せず、必ず11手目に詰む順をお考えください。
出題のことば(担当 タラパパ)
駒を取る手が予想外に多い。難問なので大ヒントです。
推理将棋24-3 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽7二金、▲3三角不成、▽6一玉、
▲2二角不成、▽同銀、▲3二角、▽6二角、
▲4一角不成 まで9手で必至
駒を成ることなしに、1手詰に対してどんな受けも通用しない必至。意外に難しい命題です。
作意は「いかに後手の駒を縛るか」といった発想で望みます。たとえば、72金、62玉と上がる形。これにより飛、金、銀を事実上縛れるのですが、二段玉の悲しさで、5~7筋の歩を突く受けに対応できません。この形を一段玉に応用するのが作意手順。角を取って62に打つことで金銀を縛る、コロンブスの卵のような発見でした。
しかし難問すぎて正解者は4名。ヒントの「予想外に多い駒取り回数」4回。ダイレクトに「駒を取る手が4回」では、ヒントの出し過ぎだろうと、「予想外」で濁しましたが、この難問では、そのくらいが適切だったようです。当然のこととしてコメントが少なく、作者の金子さんにも申し訳ないことをしました。
渡辺 「後手62角打は詰みだけでなく、必至にも使える手筋なんですね。必至では玉ではなく金銀の動きを封じる巧い角打です。62香打も考えましたがうまく行きませんでした。ところで「途中王手」の条件は必要なのでしょうか?本解答は手順前後が発生しないのですが、全然別筋の余詰(余必至?)があるのでしょうか?この条件があるばかりに4手目42金(2手目との手順前後が「途中王手」で防がれる)にずっとはまっていました。例えば76歩、72金、33角生、42金、同角生、41玉、31角生、44歩、43銀これも必至ですが、33角の受けには32金、同角、同角成の詰みなので条件違反です(31角には52金など、他は1手で詰むのですが...)。」
■「途中王手」の条件を外すと、76歩、34歩、22角不成、62銀、31角不成、71金、32角、72飛、41角不成迄の余必至を生じます。さすがに金子さん、よく検討されていて担当者は楽チンできます。
鈴木康夫 「76歩、72金、33角不成、42金、同角不成、41玉、31角不成、44歩、43銀まで9手で先手の勝ち。ヒントが無ければ2手目34歩から抜け出せなかったでしょう。でもこの解、2手目と4手目の手順前後が効きますね。」
■惜しい手順ですが、手順前後が利いては作意ではありません。たしかに必至は必至なのですが、前の短評で渡辺さんが指摘されたように、33角とされると1手では詰まないんです。
はなさかしろう 「先手攻撃陣は薄いのに、鉄壁の72金に62角の詰め物までしますか。あはれよるべなき後手玉…必至問題面白いです。」
■よるべなき玉に寄り添ってくれた角・・・これが、おじゃま虫でした。人生ってそんなものなんでしょうかねぇ。
ミニベロ 「詰将棋作家が推理将棋を作ると必至問題になる?普通33・22と不成りで角が働けば、取られずに活躍するもの。あっさり取られる順は全然見えません!」
■そういえば、まささんの推理将棋デビューも難解な必至問題でしたっけ。22同銀は、詰将棋作家ならではの恐るべき手でした。
はてるま 「解けてみれば、なあんだ、という感じですが、なかなか見えませんでした。玉を4筋のほうに移動させる順ばかり考えていたものですから・・・。金銀を移動させたい場所に角打ちで埋めるという発想が面白いです。必至は9手が最短なんでしょうか?」
■1手詰が防げないといった条件も何もなしなら、76歩、34歩、22角成、72金、31馬、62玉、41馬迄7手で必至ですが、とても出題はできません(笑)
正解:4名
はてるまさん はなさかしろうさん ミニベロさん 渡辺さん
総評
ミニベロ 「かなり昔の作品も登場しているということは、さては選題に苦労しているな?」
■当たらずといえども遠からず。特に初級向けの良問が。
推理将棋第24回出題全解答者: 12名
魚熊さん S.Kimuraさん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん
竹野龍騎さん はてるまさん はなさかしろうさん はらたっとさん
○術師さん ミニベロさん 宮谷保可楽さん 渡辺さん
当選: S.Kimuraさん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知らせください。
連絡: ○術師さん、第23回当選の希望賞品と送付先をご連絡ください。
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コメント
> 「途中王手」の条件を外すと、76歩、34歩、22角不成、62銀、31角不成、71金、32角、72飛、41角不成迄
これは71金と72飛が前後可能ですが、この手順前後うまく解消して出題されていれば、私は降参していたと思います。
はてるまさん>必至は9手が最短なんでしょうか?
本問と同じ作者の8手の必至)問題が下記の202番にあります。これも本問と同様、完全1手詰必至です。
http://park6.wakwak.com/~k-oohasi/suiri/
「成る手なし」なら9手が最短と思います(9手でこれだけ苦労したのでそう思うだけですが...)。
投稿: 渡辺 | 2009.07.29 08:05
「成る手なし」なら、やはり9手が最短ではないでしょうか。同意します。
但し、渡辺さんの実力を知っているだけに、「この手順前後うまく解消して出題されていれば、私は降参・・・」には同意できません(笑)
投稿: タラパパ | 2009.07.29 11:05
76歩、34歩、22角不成、62銀、31角不成、71金、32角、72飛、41角不成迄の手順に
ついては、71金と72飛が前後可能の他に7手目52角も成立すると思います。
なので、例えば
・9手で必至(10手目後手がどんな手を指しても11手目に詰む)
・駒を成る手なし
・金頭、玉頭の手が1手ずつあった
だと渡辺さんは果たして降参したでしょうか?(笑)
投稿: はらたっと | 2009.07.31 00:04
私が降参したかどうかはさておき(笑)、上記案ですと、
76歩、34歩、22角生、62銀(金頭)、31角生、72飛、52角(玉頭)、71金、41角生
76歩、34歩、22角生、72飛、31角生、62銀(金頭)、52角(玉頭)、71金、41角生
の手順前後が発生します。
投稿: 渡辺 | 2009.07.31 10:45