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詰将棋解答・創作での将棋ソフトの利用について

[2009年8月16日最終更新] 関連記事

最近、詰将棋パラダイス誌などで、詰将棋の解答や創作で柿木将棋などの将棋ソフトを利用するのが良い、悪いといろいろな意見が書かれています。混乱するといけないので、おもちゃ箱展示室の解答、創作などでの将棋ソフトの利用について説明しておきます。

詰パラや将棋世界などではまた別な考え方があるかもしれませんので、それぞれ提示されていたらそれにしたがってください。

関連情報: 柿木将棋IX  将棋ソフトでの詰将棋解答  コンピュータによる詰将棋創作


1.詰将棋解答での将棋ソフトの利用

自力で解いても将棋ソフトを利用して解いてもかまいません。解けない作品については、将棋ソフトを利用して鑑賞することをおすすめします。

ただし、作品によっては、自分で解いてみないとおもしろさがわからないことがあります。例えばドキドキ展示室の大道詰将棋は、いろいろな誘い手とそれを逃れる妙防が狙いのことが多く、将棋ソフトに作意手順だけ教えてもらっても、その楽しさを感じることはできません。

ですから、どんな作品でも最初は自分で解いてみるのがよいでしょう。解けないときにあくまで自力で頑張るか、将棋ソフトに解いてもらって鑑賞するか、ご自分のポリシーで判断してください。

注意が必要なのは、将棋ソフトの解答が正しいとは限らないことです。鑑賞して変な手順だと思ったら、変化検討の機能を使うなどして、納得のいくまで調べましょう。まちがっても誤解答で将棋ソフトに文句をつけたりしないように。将棋ソフトは単なる道具であって、使った結果は使った人の責任です。

いずれの場合も、感想(短評)はできるだけお書きください。それが作者の励みになり、またおもしろい作品を見せてくれることにつながります。

2.詰将棋創作での将棋ソフトの利用

将棋ソフトが一番役に立つのは、詰将棋の創作で、創作した作品が完全か不完全か検討するときです。柿木将棋IXの検討機能はかなり優れていて大部分の余詰を検出してくれます(変同などは自動では検出できないので注意)。検討はあまりクリエイティブな作業ではなく、かつすごく時間がつぶれるので、将棋ソフトの助けを借りることをおすすめします。

この場合も注意が必要なのは、将棋ソフトの解答や検討結果が正しいとは限らないことです。最終的には自分の責任で検証してください。

検討だけではなく、創作自体に将棋ソフトを使うことも考えられます。例えば駒をきれいな配置に並べて、将棋ソフトに解かせてみて、いい手順がでてきたらそれを作意手順として採用、検討させて完全なら出来上がり、といった創作法があります。

このような利用方法も問題ありませんが、あまりおすすめはできません。

それは、一見簡単ですが、偶然いい手順になっていてしかも完全というのは確率的にかなり低いので、実はかなり難しい創作法だということ。少なくとも、いい手順なのか判断できる力がないと、解いてつまらない作品を量産するような、時間の無駄に終わる可能性が高いでしょう。

さらに高度な創作支援での使い方として、ある程度骨格を作ってから、最後の仕上げで将棋ソフトを利用するやり方もあります。私はよくこの形で利用していますが、説明は難しいのでここでは省略します。

いずれにしても、創作で将棋ソフトを利用するのは全く問題ありません。有効な活用法を工夫してください。

3.詰将棋鑑賞での将棋ソフトの利用

私は棋力がないので、詰パラが来ても幼稚園ぐらいまでしか自力では解けません。当然解答は出したことがありませんが、解けなくても特に長編の趣向詰が好きで、どんな作品かわくわくします。

以前は3か月待って解答が発表されるのを待つしかなかったわけですが、最近は柿木将棋で解かせればすぐに手順を鑑賞できるようになりました。

展示室の作品も、解くのは面倒だけどどんな作品か気になる、という方は遠慮なく将棋ソフトでご鑑賞ください。

でも、並べてみていいなあと思ったら、ぜひ感想(短評)をお寄せください。展示室は解答も最終手と手数だけでよいので簡単です。


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第150回出題(2009.8.9)
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「・・・ 今年は世界天文年です。 ・・・ ここで「望遠鏡」の果たした役割に注目してみましょう。もし「天体観測は肉眼で行うべし。望遠鏡を使うなどもっての他!」などと言っていたら天文学はどうなっていたでしょう? ・・・ でも、望遠鏡さえあれば大発見ができるわけではありません。仮に私がガリレオと同じ時代に住み、ガリレオと同じ望遠鏡を与えられたとして(ガリレオは望遠鏡を自作したそうですが私には無理です)、私は何か発見できたでしょうか? 答えは「何も」です。 ・・・ 私は詰将棋におけるコンピュータの役割も天文学における望遠鏡と似ていると思うのですが、ここでその話をするときりがないので割愛しましょう。ちなみに、望遠鏡でも肉眼でも普通は可視光で宇宙を見ます。でも、可視光は光のごく一部に過ぎません。電波やX線といった別の「光」で見れば、宇宙はまた別の姿を表します。別の光で宇宙を見る――これは別のルールで詰将棋の世界を見るフェアリーの楽しみに通じますね。 ・・・」

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