推理将棋第25回解答(2)
[2009年8月30日最終更新]
推理将棋第25回出題の
25-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第25回出題 推理将棋第25回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
25-2 中級 ミニベロさん作 端から動いた駒(看板) 10手
(条件)
- 10手で詰んだ
- 8手目(終了)の局面で端にいた駒が
動いて、「歩を取って成って」初王手で詰ませた - 着手された駒は、先手3枚・後手2枚
※ 初王手で詰みですから、先手からの王手はありません。
※ 1枚の駒を先手後手が使い回しした場合は、それぞれに1枚ずつ使ったとしてください。
出題のことば(担当 タラパパ)
端から動いたのはもちろん大駒。後手があと1枚だけ使った駒とは?
追加ヒント:
4段目から成ったようですよ。
推理将棋25-2 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽4四歩、▲5五角、▽4五歩、
▲4六角、▽同歩 、▲4八玉、▽1四角、
▲3八玉、▽4七角成 まで10手で詰み
当初の条件は、2番目が単に「端にいた駒が動いて初王手」でした。
端にいた駒が動いた角なら14歩~13角~57角成しかない。すると、あと2手でもう一枚の駒を57に利かせなければならず、それはあり得ない。とまあ、作者も担当者もこんな読みだったのですが、そこに指摘された渡辺さんの余詰は、34歩~44角~17角と3手もかけて端に動かし、35角成と詰ませるもの。角が動くなら14歩~13角~57角成しかないと決め打った論理自体に破綻がありました。
修正された条件、「歩を取って成って」といえば7段目への成。34歩と突く筋では、こんどこそ届きません。また端から歩を取って成ることのできる駒といえば、10手という短い手数では角以外に考えられません。すると端から動いたのは「端に打った角」で、もう一枚動いた後手の駒は角を取った駒。
残る一枚、可能性のある駒は飛車と歩だけなのですが作意は歩。先手の角が2手かけて後手の歩頭に赴く動きがどこかユーモラスです。ちなみに初王手を外すと、飛車を使う別手段を生じます。
55角~46角はたいへん好評でした。
渡辺 「まるで、かずひでさんの「76に『先手の歩』以外の駒がある」手順のようですが、10手にするとこういうアレンジが出来るんですね。巧いと思いました。実は条件から馬単騎ばかり考えて、角(馬)が9筋方面ばかりに行って、はまっていました。」
■かずひでさんの一手角を二手角にしただけのことでしたが、さすが渡辺さん、すぐ気付かれましたか。この「二手角にしただけ」が絶妙のアイデアでした。
○術師 「後手の使用する駒を自陣の飛角と仮定すると、▲33角成を王手にしないためには2手目△42飛→4手目△33同角となり、手数が足りなくなりました。また、後手が動かした駒を先手に取られる順は、残りの動かせる駒が1枚だけとなるため無理があります。先手が後手に角を渡す場所・・・と考えているうちに、歩を使うことにようやく気がつきました。」
■本作の原案ともいうべき、かずひでさんの9手作品もそうですが、推理将棋は早く敵玉に到達させる意識が強く働くため、こうして牛歩のようにノロノロと進む歩はどうしても盲点になります。
はらたっと 「渡辺さんの余詰指摘により加えられた条件「歩を取って成って」により、候補手順がかなり限定(というか14角から4筋成しか選択肢がないように私には思えます。)されました。」
■飛車を使う筋でも14角ですし、他にほぼ選択肢はないと思います。
リーグ戦ファン 「端にいた駒が歩を取って詰み上がりとなれば、47角成までが本線で、この問題は分殺でした。47をサポートする駒の第一感は▽42飛ですが、初王手・後手2枚という条件に阻まれる。この「惜しすぎる」紛れはかなり好みです。」
■面白い紛れですよね。これを作品化する場合は、遊びの一手をどう使うかですが。
たくぼん 「94角から67角成の筋がパッと浮かびこの呪縛からなかなか逃れられませんでした。55角~46角が上手すぎる順」
■なるほど、目を付けたのは6筋でしたか。堂々巡りお疲れ様でした。
竹野龍騎 「角と歩かなあと思っても、この角の取らせ方は見え難かった。」
■角が出て戻る、この折り返す動きが見えないんですよね。
奥野眞 「4段目から成った、という追加ヒントをもらって、ようやく解けました。先手の角の動きがユニーク。」
■本局は先手の角の動きが全て。追加ヒントを出しても、なかなか気付きにくい動きだったと思いますが
S.Kimura 「後手が2枚しか動けないので、77歩、42飛、33角成を考えて悩んでいました。角を2回も動かして、4筋の歩で取らせるとは、思いも浮かびませんでした。」
■後手に一手パスが許されるのなら、おっしゃる手順が組めるのに何か指さねばならない。そんなところが愉快です。
はてるま 「13角から57角成を当然まず考えて苦戦。その一路上でしたか。先手角をわざわざ46まで持っていく発想が面白いです。」
■「何とか間に合ってくれた」46角は、そんな手でした。
魚熊 「46で角を取らせる手順で手数が合うとは、すぐには思いつきませんでした。」
■と金の遅早という格言がありますが、さしずめ歩の遅早といったところですね。
正解:10名
魚熊さん S.Kimuraさん 奥野眞さん たくぼんさん
竹野龍騎さん はてるまさん はらたっとさん ○術師さん
リーグ戦ファンさん 渡辺さん
余詰指摘(修正前):渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
余詰、申し訳ありません。dskさんに脱帽です。
ご推察の通り本局は「かずひで作品9手」のパロディーです。
角のスイッチバックが狙いでした。
投稿: ミニベロ | 2009.08.30 10:06
> 34歩~44角~17角と3手もかけて端に動かし
44角の前に77角が入ります。非常に無駄に見えますが経路は限定されています。
投稿: 渡辺 | 2009.08.30 11:20
考えてもよく分からないのですが、角が17~35と移動する筋は「先手着手3枚」を満たせるのでしょうか。
投稿: 通りすがり | 2009.08.30 12:05
▲5六歩 ▽3四歩 ▲5八玉 ▽7七角不成
▲5七玉 ▽4四角不成 ▲4六玉 ▽1七角不成
▲5五角 ▽3五角成
こんな巧妙な順でdskさんに潰されました。
先手の指し手を限定して作品化してほしいですね。
投稿: ミニベロ | 2009.08.30 12:59
77角不成を指させて55角ですか!
全く読めていませんでした。
失礼いたしました。
投稿: 通りすがり | 2009.08.30 14:10
うっかり!
急所の77角を飛ばしちゃいけません(汗)
>通りすがりさん
お考えいただいて、ありがとうございます
急所を飛ばされては、分かりませんよね(^^;
投稿: タラパパ | 2009.08.30 18:23
mixiの推理将棋コミュのトピック642番を考えて頂ければ幸いです。先後逆ですが、同じような詰め上がりですので。
投稿: 渡辺 | 2009.08.30 19:20