推理将棋第26回解答(2)
[2009年9月28日最終更新]
推理将棋第26回出題の 26-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第26回出題 推理将棋第26回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
26-2 中級 ○術師さん作 続・打歩のリクエスト 15手
「いやぁ、歩を持ってくれたから打歩詰で反則勝ちかと思ってどきどきしたよ」
「気がついてよかったよ。歩を打つ場所と別のところで詰ましたし」
「初手はムリだけど、それ以降王手王手で追われて辛かったわ」
「成る手もなしに王手王手で追って、王手した駒は取られなかったからね」(条件)
- 15手で詰んだ
- 15手目は打歩詰の局面だったが、打歩とは別の桝目に着手した
- 初手以外、先手の着手は全て王手で、王手した駒は取られなかった
- 成る手はなかった
※ もしも15手目に持駒の歩を打った場合、打歩詰ですがニ歩ではありません。
※ 王手した駒=王手の時に動かした(又は打った)駒です。
出題のことば(担当 タラパパ)
考えられる詰上がり玉位置は一ヶ所だけ。論理で追えて手数の割に解き易い?
追加ヒント:
(1) 後手玉が取る最初の歩は「あの歩」しかありえません。更に一歩取るのですが、さてどちらの歩?
(2) 後手玉は7段目で詰みます。
推理将棋26-2 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽5四歩、▲3三角不成、▽6二玉、
▲5一角不成、▽5三玉、▲6二角不成、▽6四玉、
▲5三角不成、▽6五玉、▲6六歩、▽7六玉、
▲7八飛、▽8七玉、▲7七飛 まで15手で詰み
手数は長いのですが、条件が手を狭めていて、推理のし易さでは初級以上かもしれません。
キーはまず打歩詰。後手に歩を取ってもらわなければなりません。王手に突いた歩を同玉と取れるなら別ですが、それが叶わなければ最初に取ってもらうのは76歩、すると詰上がり玉位置も87しかなさそうです。後手が87へ行くのに、どうあがいても後手の指し手だけで7手かかります。
そして88歩が打歩詰ですから、ここから導かれる命題を整理すると、(1)86に先手角を利かせること、(2)76に逃がさないこと、(3)最終手が88への着手でないこと、(4)持駒に歩が残ること。ここに連続王手条件がありますから、77飛までの手順はほぼ必然。手順中、66歩が後手角の利きを消す一石二鳥の手で、ささやかながら実に気持ちの良い手でした。
作者 「打歩回避詰はシリーズ化してみたいのですが中々そこまでうまくはいきません。あと・・・・最後に気がつきましたが、会話の中に「15手詰」と書き落としていたようで、すみませんでした。」
■げげっ!ほんとだ。担当も気がつきませんでしたが、他で謳っていますから(汗)
ミニベロ 「「打歩詰ですがニ歩ではありません」つまり先手の歩が取られるということ。連続王手だから玉で取る以外ない。ナイスヒントでした!」
■そ、そこはヒントではなく、問題文の補足なのですが・・・・(汗)
まさ 「歩で王手せずに歩を取らせるには76歩くらいしか考えられない。駒を成らずに連続王手で玉を76方面に誘うには2手目54歩しかないので、手数は長いが易しい問題でした。」
■15手ですが、難しい問題の時だったら初級で通じるかもしれません。
魚熊 「追加ヒントが出るまで、どこで詰ますのか全く見当がつかなかった。追加ヒントが出て、どこで詰ますのか分かったら、すぐできた。」
■今月はヒントが役に立たないかとも思いましたが、役にたってくれてよかった(^^)
はてるま 「まず詰み形の推理、それから手順の推理・・・・。どちらもほどよい思考で論理的に割り切れて、たいへん解後感良好。66歩が地味に後手の角道をふさいで一石二鳥の働きをしているのも良いです。長編を敬遠している人にもぜひ考えていただきたい。いい作品ですね。」
■後手角の利きを塞ぐ66歩、絶対の着手でありながらいい味を出しています。
リーグ戦ファン 「42で後手の合駒を取る方がいろいろ楽しみがあるようですが、それだと玉が6段目までしか来られない。75歩を取らせる筋をいったん考えてはみたのですが、明らかに無理。7段目まで呼び込む場合、玉の位置は87が好都合で、あとは86を押さえる為に角を53に置けば、これも一本道です。なんともロジカルです。」
■どなたもきっと、同じ道を辿って解決したような気がします。
渡辺 「「打歩と別の升目」がきわどい紛れをすべて封じていて巧い。53の角が良く利いています。パート1よりは解答者に優しくなっています。それでも解けたのは最後ですが...。最終手88銀でも詰むので、紛れ筋だと思ってしまったので...。打歩が二歩でないためには成禁条件から後手は先手の歩を取ったはずだが、3手目以降先手が指した駒は取れず、また移動合をしながら先手の歩を取るのもこの手数では難しいので、後手玉は先手の76歩を取ることが確定。あとは手順に玉を76方面に王手で追えば良いが、意外にしつこい紛れは、
・76歩、54歩、33角生、62玉、51角生、53玉、62角生、64玉、73角生
・76歩、64歩、33角生、42飛、同角生、52玉、51飛、63玉、61飛生
で、どちらも76に追うことが出来て、玉頭に着手せずに詰むが打歩では詰まない。
せっかく条件文と問題文が別々にあるのですから、条件文の方は
・初手以外、先手の着手は全て王手でしかも最後まで盤上に残ったの方が誤解ないかもしれません。」
■「最後まで盤上に残った」は、紛らわしさをなくす名案ですね。
斧間徳子 「当初、4手目に42飛(金、銀)として同角不成から持ち駒を増やす変化や、玉を45に持ってきて46歩、同玉(条件違反!)、35角、47玉、58金と詰ます筋などを考えた。66歩が好手。」
■「王手した駒は取られなかった」条件は、ご指摘の47で詰む筋を消すものでした。
竹野龍騎 「玉の一人旅で、爽やかな手順。最終手もシャレている。」
■一気の一人旅、爽快そのものですよね。
S.Kimura 「4段目に追い詰めるとばかり思っていたので、入玉するのは盲点でした。」
■Kimuraさん、最終手88の着手は条件違反ですよ~。うっかりしましたねぇ(笑)
はらたっと 「3手目から不成の王手王手なので、角で中段まで追い出すしかなく、10手目まではすんなり。あとは打ち歩詰の局面を考えると周辺に駒の利きがいっぱいあるように包めるのは玉は87が適当かなと考えるとスンナリとけました。」
■76~87への道に気付くかどうかという問題。「推理」の言葉がピッタリです。
隅の老人B 「遠く故郷を離れ来て、しみじみ知った祖国愛。王のぼやきが、目に浮かぶ。」
■いやぁ、詩人ですなぁ。
鈴木康夫 「終局図を良く確かめないと詰んでいるか安心できません。」
■大丈夫でした?(笑)
たくぼん 「考え始めたのが締め切り間際だったので、たくさんのヒントがあり助かりました。連続王手は気持ちよいですね」
■詰キストは連続王手に慣れているので、解き易いかと。
諏訪冬葉 「角で後ろをふさいで8段目に歩で打歩詰までは浮かんだのにそこにもっていくまでが一苦労」
■一苦労でも、楽しい苦労ではありませんでした?
正解:17名
魚熊さん 斧間徳子さん superkuppabrosさん 鈴木康夫さん
隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん たくぼんさん 竹野龍騎さん
躑躅さん はてるまさん はらたっとさん ひつじさん
まささん ○術師さん ミニベロさん リーグ戦ファンさん
渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
何人かの方からご感想をいただいた通り、▲6六歩は自分の角の動きが終了したところで後手角の利きも遮るという意味で、少し気に入っている着手でした。これが入らないと打歩にもなりませんし。最終形も▲7七飛の形が何となく不安定なので、自分でも不安でした(笑)
投稿: ○術師 | 2009.10.03 00:58