推理将棋第26回解答(1)
[2009年9月27日最終更新]
推理将棋第26回出題の 26-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第26回出題 推理将棋第26回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
26-1 初級 ○術師さん作 システム失敗? 9手
「おかしいなぁ、完璧なシステムのはずが9手で詰まされるとは」
「銀が真っ直ぐ動くのも必要な手だし、ツイてなかったね」
「ツイてないと言えば、大駒4枚全部先手の君のもので気分悪いな」
「せっかくもらったので、全部盤上に置いてみたよ」
「おかしいなぁ、本家のシステムと何が違ったんだろうなぁ」(条件)
- 9手で詰んだ
- 終局時、大駒4枚全てが盤上の先手の駒だった
- 銀が真っ直ぐ動いた
出題のことば(担当 タラパパ)
大駒を2枚取って2枚打つ。サービス問題なので、はじめはノーヒント。
追加ヒント:
大駒を取って打つ順番は、「取る、取る、打つ、打つ」です。
推理将棋第26回解説 担当 タラパパ
○術師さんの特集は、純粋に論理で解ける解答者に優しい作品特集に。解答も18名と順調に伸びて好評でした。superkuppabrosさんと、ひつじさんが初解答と、嬉しいオマケ付きで、良問を寄せてくださった○術師さんに感謝。途中でヒントを出しましたが、その前に解答くださった方が多く、今月の作品にヒントは要らなかったのかもしれません。
推理将棋26-1 解答
▲7六歩、▽3四歩、▲2二角成、▽3二飛、
▲同馬、▽7二銀、▲7一角、▽5二金左 、
▲4一飛 まで9手で詰み
5手しか指せない先手が大駒2枚を取って打つのですから、76歩、34歩、22角成(又は不成)までが必然。では飛車をどこで取るのか。82で取るなら打った角で取り、止めは31飛か71飛。しかし72銀、62金、61玉としても52を塞ぐ一手が足りません。飛車はどこかに動いて取られるのです。
また居玉の両脇に金がはべる形は、最終手大駒打ちでは単手数では詰みません。二段玉での詰上がりも無理なので、玉方の着手4手は、(1)34歩、(2)銀を立つ手、(3)飛車を動く手、(4)金が52に動く手に決まります。そして詰方の最終手は41飛か61飛。
とすると、条件「銀が真っ直ぐ動いた」を満たす手順は一つだけ。もっとも、こうした論理で解くよりも、試行錯誤したほうが早そうですが。
作者 「2枚取るのはともかく、2枚使うのはどうしよう?といった感じでしたが、何となく形になりました。久保棋王が三間飛車でのシステムを最近指しはじめたようで、私個人的には結構笑えました。」
■森下さんでなく?それは奇遇でした。
まさ 「方針が極めて立てやすい、易しい問題。」
■はい、初級にはもってこいかと。
ミニベロ 「あるようでない条件です。2条件9手ですから、最高の客寄せですね。」
■こういう作品がたくさんあると嬉しいのですが。
渡辺 「玉の逃げ道を封鎖させない「銀真っ直」の条件がうまい。この条件により、任意の場所に打てたはずの角打が見事限定される。先手は飛角を取って両方打つしかないので、76歩、34歩、22角(不)成までは決定。5手目は角打か飛取だが、角打だと「銀真っ直」の条件に阻まれてアウト。よって飛取りで、76歩、34歩、22角成、32飛、同馬、が確定。よって銀真っ直は72銀となり、作意を得る。mixiとおもちゃ箱の9手では同一手順はないようです。」
■選題で一番苦労したのが、同一手順・同一条件のチェックでしたが、お二方のコメントで安心できました。
魚熊 「なぜか「大駒4枚」を「飛角4枚」と思いこんだため、はじめのうち「成る手なし」を前提に考えていたのでしばらくの間暗中模索でした。問題文を見直して成ってもいいことに気づいたら秒殺でした。」
■その条件は、まささん作にありますが、そんな勘違いしてちゃ本局は永遠に解けませんよ(笑)
はらたっと 「最初、終局時盤上の大駒はすべて生駒「角・飛」でなければいけないと勝手に錯覚し、3手目22角生だと5手目入手した角で飛車をとりにいく順しかないなと思って検討しましたがダメ。その後、成・不成が条件に限定されてないとすれば22角成で次も飛車もとっていくしかないなということであとは一本道でした。」
■あらら、魚熊さんと同じ勘違い。推理将棋をやると自然に不成が常識になってしまう?
はてるま 「これはほとんど紛れの余地なし。明快でいいじゃないですか。本当に入門向き。」
■少ない条件で易しい作品、そこが貴重といえます。
リーグ戦ファン 「5手目までがほぼ必然。あと銀が直進するとなれば▽72銀しかなくて、残るは3手、詰め上がり図が殆ど頭にないままでも、一本道で解けました。所要時間1分。感覚不要のロジカルさ、ですね。最初の二条件だと無駄手の発生する詰め筋が2種類もある(先手72角+61飛まで、後手52金左・62金+先手41飛車まで)ので、いっぺんに解決する「銀が真っ直ぐ動いた」は実にエレガントな解決です。ただ、この条件だと後手の該当手が72銀しかありえないので、易しくしすぎてしまった気がします。
3番目の条件は、例えば、
「玉の頭に大ゴマ、という手があった」
「7手目に、6段目に成り返る機会があった」
「角の利き筋に大ゴマが進む手(打つ手でなく)があった」
「後手玉で先手駒を取る機会があった」
等はどうでしょう。(それぞれ全部別の解。余詰多数かも)」
■大駒4枚が先手駒の条件で、思いの外たくさんありますね。でも4案とも、非限定を含む余詰を見つけました(笑)
斧間徳子 「非常に簡単でした」
■それを聞いて安心。
竹野龍騎 「簡単で客寄せにピッタリ。」
■はい、竹野さんもぜひこういうのを投稿してください。たまにはまた作らないと(笑)
S.Kimura 「飛車を取らせる手が△3二飛くらいしか浮かばなかったので、簡単に解けました。それにしても、三間飛車の「システム」というのが気になります。」
■先手大駒4枚だけなら、飛車を72で取らせる順も。森下システムの予定でしたが、久保システムだそうで(笑)
隅の老人B 「角を取ったら、飛車まで、くれた。気前が良いね、これで景気は上昇気流?」
■この一局が日本経済を救うのか!
鈴木康夫 「5手目までは必然ですね。」
■いいえ、ぜんぶ必然です(爆)
たくぼん 「大駒2枚の取り方はこれが一番効率的。これ以外だったら苦労します」
■7手目に飛車を取る順が作意だと中級になりそう。
諏訪冬葉 「飛車の取らせ方に迷いました。」
■飛車をどこで取らせるか、極論すればそれが本局のすべてかも?
正解:18名
魚熊さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん superkuppabrosさん
鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん たくぼんさん
竹野龍騎さん 躑躅さん はてるまさん はらたっとさん
ひつじさん まささん ○術師さん ミニベロさん
リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
多くのご解答ありがとうございました。
タラパパさんが簡単な問題をお求めとのことで、本作品は今回いの一番に採用されました。私としてはいくつか投稿して、今回の特集の話をいただいた後に、軽くおまけのつもりで作ったものだったのですが(笑)
手順を見てみたら、藤井システムの出来損ないのように見えたので、題名を「システム失敗?」としました。四間が三間になっているところや、大駒を次々に取られるのに、“失敗”のニュアンスをこめたつもりです。
久保システムは、銀を立たずに玉側の桂を跳ねるようですが、“三間”だったというその1点だけで笑えました。
投稿: ○術師 | 2009.10.03 00:49