推理将棋第29回解答(4)
[2010年2月2日最終更新]
推理将棋第29回出題の 29-4の解答、第29回出題の当選者(たくぼんさん、橘圭伍さん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第29回出題 推理将棋第29回解答(1) (2) (3) (4)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
29-4 上級 タラパパ作 さらば友よ 12手
「さっき12手で詰まされた将棋は悔しいなぁ」
「あの成と不成の王手ばかり3回あったヤツだね?34歩に36歩と挨拶した手が敗因じゃないの?」
「それだけじゃ納得いかないなぁ、棋譜を読んでみてくれる?・・・・それだ!8手目の77角打を軽視したんだ」
「まぁ、後手の駒台に何も残らないギリギリの勝負だったんだからさ、落ち込むことはないさ」(条件)
- 12手で詰んだ
- 後手の34歩に先手が36歩と応じた
- 8手目は77角打(棋譜表記上)
- 全3回の王手は、成と不成の王手ばかり(ALL成・ALL不成はNGです)
- 終了時、後手に持駒はなかった
出題のことば(担当 タラパパ)
手数も長く難局かと。ヒントは「友達をなくす作品」。
追加ヒント:
34歩や36歩を「突いた」と即断してはいけません。
推理将棋29-4 解答 担当 タラパパ

▲7六歩、▽3二飛、▲3三角不成、▽同飛、
▲4八玉、▽3七飛成、▲同玉、▽7七角打、
▲4六玉、▽3四歩、▲3六歩、▽5五角右成 まで12手
「34歩に36歩と応じた」が、「突いた」と思い込ませようと謀るイタズラ。どこかでこの手を「打った」のだと勘ぐらないと、道が拓けない仕掛けになっていますが、作者は解答者をひっかけようとしながら、一方で気付いて貰おうとあがいています(笑)
さて詰上がりを暗示する重要な手がかりが36歩と77角打。これがどちらも必要な手であるとして、77角のラインにもう一枚の生角を置き、36歩が生きる典型的な詰上がり形といえば、46玉に55角成までの形。34歩や36歩が無駄手でないのが、ささやかな自慢ですが、条件は贔屓目にみても上等とはいえません。
橘圭伍 「一番易しかったかもしれない作品。77角打から詰上りが見えてしまうのが難点。条件の書き方も白々しいので嵌らないかも・・・」
■橘さんは騙せません。条件はちょっと露骨?
ミニベロ 「本作は過去に苦戦して解いているはずなのに、あらためて挑戦するもまるで見えない。古いデータを探してカンニングしました。こりゃ友達失くすはずだ(笑)」
■12手あると、なかなか覚えきれませんものね。
はてるま 「76歩、34歩、36歩・・・とまず読んだのは思惑通り、といったところでしょうか?詰めあがりはなんとなく想像できたのですが、条件が合わず困ってました。ヒントを見たら瞬殺でしたが、ヒントなしではたして読めたかどうか・・・。」
■早めに抜けて貰うのもまた思惑でしたが・・・。
渡辺 「詰め上がり図は想像通りだったのですが、34歩を突く手を考えて詰まなく、2日目入浴中に34歩と打てばどうだろう、と考えるも打つための歩はどこで入手する?ということで挫折。36歩も打つことに気付けばあとは流れるように解けました。ところで、題名と出題の言葉の意味が分かりません。」
■「歩突き」でハメようなどと姑息な手を使うと、お友達をなくしますよと・・・。
斧間徳子 「難問とのことなので、出だしは平凡な76歩、34歩、36歩ではないんじゃないかと思いましたが、他に候補が見当たらないので、まずはこの筋を考えました。が、4手目候補の88角不成・33桂・32飛がいずれも詰まず頓挫。その後、76歩、32飛、33角生の筋に思いあたり、ようやく解けました。34歩~36歩を(序盤の歩突きではなく)後半の歩打ちとして出現させるだけであれば、解答者の意表をつく戦略かと思われてしまいますが、本作の場合、34歩~36歩が詰め上りに必要な配置になっているので解後感がgoodです。何とか解けたので、友達でいましょう。」
■こんな仕打ちをしてもお友達でいてくれるとは・・・・涙。34歩~36歩が詰め上りに必要というのが売りでした。
中村雅哉 「36歩と突いて77角打?これは55角成までが見えており簡単だね、と安易に考えましたがどうもうまくいかない。変だな、と疑い始めたら、急に「後手34歩に先手36歩」が臭い始めました。「ひょっとして…」。タラパパ氏の「友達をなくす」作風を知らない人には難問と思われます(笑)。最初は完全に騙されました。」
■信じません。中村さんはいきなり気付いた筈です(笑)
リーグ戦ファン 「これは題名が強力なヒントですよね。ヒッカケ条件であること確実で、となれば▽34歩▲36歩を素直に突きあったのではない、というのは、想像できるところです。(私はもっと悪質な叙述トリックを疑ってしまったので時間がかかりましたが・・・)。ところで、角打の位置が88だと余詰があるんでしたっけ?」
■当初案は88角打でしたが、76歩、34歩、36歩、54歩、77角、同角不成、48玉以下、余詰がありました。悪質といえば、全条件がヒッカケなんてのもありますが・・・さすがにここでは出題できません。
神無七郎 「これは強烈。「不親切設計」とか「さらば友よ」とか、やたら不吉な言葉が並ぶと思ったらこういうことでしたか!詰将棋でも、すぐにやれる手を迂遠な手順の後に実行するのは「妙手」ですので、この条件の付け方も決して邪道とは思いません。」
■そこが、心優しい担当者の親切設計でした(笑)
躑躅 「これは詰上がりがすぐ見えたので割と簡単でした。」
■34歩、36歩に意味があって、角が斜めラインに並んでからの詰上がりといえば55角成・・・これが解図の急所でした。
たくぼん 「おねだりのヒントでやっと解けました。2手目3手目に散々34歩36歩と考えさせられて作者を喜ばした気がします」
■そういうたくぼんさんだから、誰にも好かれるんです(^^)
DD++ 「不親切というヒントから、10手目34歩、11手目36歩と決めてかかってみたら推理将棋初心者でも一ヶ月かけてなんとかなりました。ところで、後手持ち駒なし条件は何の余詰を消しているのでしょう?」
■58金左、34歩、36歩、77角不成、69玉、88角不成、48金左、77角打、78銀・・・など色々あります。
隅の老人B 「「突いた」と即断、大苦戦。タラババさん、ヒントをありがとう。これで正解?まだ不安。」
■ヒントを出すのが少し遅くなって、申し訳ありませんでした。
S.Kimura 「ぎりぎりまで考えましたが、分かりませんでした。ヒントからすると32飛から飛車が活躍するのでしょうか。」
■ビンゴ!
正解:12名
斧間徳子さん 神無七郎さん 隅の老人Bさん たくぼんさん 橘圭伍さん
躑躅さん DD++さん 中村雅哉さん はてるまさん ミニベロさん
リーグ戦ファンさん 渡辺さん
総評など
ミニベロ 「今回が難問ぞろいなのか、私の解図力が落ちたのか、苦戦しました。」
■きっと解図力が落ちたんです(笑)
はてるま 「今回はわりと飛車が活躍する(陰の支えでも)のが多かったですね。」
■気付きませんでしたが、言われてみれば確かに。
斧間徳子 「先日は、おもちゃ箱の推理将棋の賞品(盤上のファンタジア)を早々に送っていただき、ありがとうございました。前から欲しかった本で、大変うれしいです。暮れと正月はこの本で十分楽しめそうです。」
■詰キスト垂涎の「盤上のファンタジア」! 「おもちゃ箱」の景品はあきれるほど凄い。
リーグ戦ファン 「全体に脳内で解ける系の問題だけで構成されているのに、分殺から数泊ものまで、難易度のバランスが取れていて、素晴らしい選題だったと思います!」
■そう言っていただけると、なにより励みになります。
神無七郎 「正月の帰省でパソコンに触れず、暇を持て余したので久々に推理将棋を解図してみました。後半の2題が特に良かったと思います。」
■パソコンに触れずにおもちゃ箱。もしかして、全問の条件を頭の中に入れました?
隅の老人B 「20日の朝、29-4が未だ解けない。私には、たぶん解けない、諦めて、解答書書き。ふと、ヒントがあるかもと思い出す。「おもちゃ箱」を覗く、ありました。突くと打つでは、大違い。もう少し出題文は丁寧に書いて欲しいな、でした。もっとも、あまりきっちりと書くと、問題にならないかもね。」
■文章は懇切丁寧に書く。ふふふ、それって常識ですよね。
○術師 「29-3、29-4。29-2にハマっていたので手を付けられませんでした。長期間あったのに申し訳ないです。」
■29-2、予想を越えたイタズラ者でした(笑)ありがたい2問解答です。
推理将棋第29回出題全解答者: 18名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん 神無七郎さん 高坂研さん 隅の老人Bさん
たくぼんさん 橘圭伍さん 竹野龍騎さん 躑躅さん DD++さん
中村雅哉さん はてるまさん はらたっとさん 平尾一土さん ○術師さん
ミニベロさん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
当選: たくぼんさん、橘圭伍さん
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コメント
あ、なるほど。7手詰み+無駄5手という感じのがあるわけですね。
29-2といい、どうも私は無駄手を挟む手順に弱いようです。
投稿: DD++ | 2010.02.02 07:29
29-4。6手目37飛成まで間違いないだろうと思っても詰上がりが見えないとどうにもなりませんネ。34歩36歩は全くの無駄手で下部での収束を考えてました(泣)
投稿: はらたっと | 2010.02.02 10:26
神無七郎> この条件の付け方も決して邪道とは思いません。
私も同意見です。突く手と打つ手があることは承知の上で突く手から検討したくなる条件のセットですので、
34歩打、36歩打は、「だまされた」ではなく「なるほど、妙手」と感じました。
投稿: 渡辺 | 2010.02.02 11:03