推理将棋第31回解答(3)
[2010年3月30日最終更新]
推理将棋第31回出題の31-3の解答、第31回出題の当選者(ミニベロさん)を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第31回出題 推理将棋第31回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
31-3 上級 はなさかしろうさん作 交通規制 11手
「道路工事で渋滞か。退屈しのぎにさっきの棋譜を検討しようか」
「11手で詰んでいるね」
「角は”成”と”打”が付いている手が一つずつあるだけだな」
「金は4手目に”左”が付いている手があるだけだよ」
「”不成”が付いている手もあるね」
「こんなに交通規制が厳しいと行けるところが限られてしまうな」(条件)
- 11手で詰み
- 角の手は成と打の一手ずつのみ
- 金の手は4手目の左の手のみ
- 不成あり
※ 成、打、左、不成はいずれも棋譜に明記する必要がある手です。
棋譜で「○○角」や「○○角不成」はNGですが、角でない「○○馬」はOK
出題のことば(担当 タラパパ)
交通規制が激しく、指せる手は意外に狭い。角をどう使う?
追加ヒント:
生角を動かす手は角成の一度。その対局者は「角打」を指せる?
推理将棋31-3 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽4二飛、▲3三角成、▽5二金左、
▲4二馬、▽同 玉、▲5一飛、▽3二銀、
▲2一飛不成、▽3三角打、▲3四桂 まで11手
かなり論理的に解けます。
- 「角の手は成と打の一手ずつ」ですから、角で角を取ることはできません(打の前に○○角が現れる)。
- 「打~成」の順だと、角以外の駒で”動かない敵角”を取ってから、打って成るしかありませんから不可能です。
- 「成~打」の順だと、成れる場所は33か77。成った側が「打」を指すことは(生角が消えるので)不可能です。すると「成~打」の順で、しかも先手が成ったなら後手が打つ。後手が成ったなら先手が打つことになります。
- 成ったのは先手で、打ったのは後手。その後二枚角は動かないことになります。
- 先手の着手は、76歩~33角成~馬で駒取り~駒打ち~不成(駒取り)~駒打ち迄が決まります。
「76歩、42飛(銀)、33角成、52金左、42馬、同玉、XX?(飛か銀打ち)、XX?、XX?不成、XX?、XX?(駒打ち)迄」 - 2手目が銀だと、これを打って取る有力な駒がありません(角や金を取っても使えない)。先手が飛車を取り、飛車で銀か桂馬を不成で取り、打って詰ませなければなりません。そんな時に便利な駒は、銀よりも桂馬ですね。
とまあ、以上が担当が解いた手順。論理に破綻はないつもりですが・・・・?
ミニベロ 「最初は下記かと思ったんですが、棋譜上の「打」が抜けてました。これは、後手にしか出来ないんですね。解けて納得の好手順です。
▲7六歩 △4二玉 ▲7七桂 △5一金左 ▲6五桂 △3四歩 ▲2二角成 △3二銀 ▲5三桂不成 △5二飛 ▲3一角」
■ここに書かれた手順、すぐにでも使えそうな(^^)
はてるま 「抽象的な条件でまごつきましたが、考え出すと確かにけっこう絞られています。収束がユニークで面白いですね。」
■はい、この詰上がりは初だと思います。
たくぼん 「6手目まではすんなりでしたが、32銀が好手で影の桂に気づきにくいですね」
■6手目まで、ほぼ論理的に決まりますから、意外に楽ができます。銀の好アシスト。
渡辺 「これもミスディレクション。31-2は丁度良いヒントになってくれたと期待。移動でもよい角をわざわざ「打」にするのが手順限定のミソ。「成る手はなかった」だと限定されず、「不成があった」だとうまく限定されるのが珍しい。
適当に動かしてみて...「76歩、34歩、22角成、52金左、13馬、42玉、23馬、17香生、同香、13桂、33角」あれ?「打」も棋譜に必要なのか、ということで再考。
角打→角成とすると、角打の時点で一方に角が2枚あるので次に角が成れるのは2手以上後。よって角打は9手目まで、角取りが7手目までだが、これを実現するには、
「26歩、24歩、25歩、同歩、同飛、?、22飛(不)成」しかなく、4手目の条件に違反。
よって角成→角打だが、この場合成った角を取って打たないと「角打」にならない。
よって角成は8手目まで。まさか後手が角を打たないよな?と思い確認すると、詰んでしまいました。しかも角打が限定打!」
■渡辺さんの評を読んでいて、この条件付けの上手さを改めて感じました。
DD++ 「4手目の金左が、龍単騎詰めと後手の77角成とをいっぺんに消すいい縛り方。角を捨てるのが先手となれば、76歩、33角成、駒取り、駒打ち、不成で駒取り、駒打ち、で詰ますしかない。後手2枚目の角の弱点を突くなら最後は桂、後手駒だけでは逃げ道が塞ぎきれないので先手が飛車で桂をとりつつ一段目をまとめて封鎖。見た目よりもかなり読みやすい問題でした。面白い!」
■まったく同じ読み! ということは論理は破綻していない?
作者 「角への規制は本問の骨子で解図の道すじにも使っていただきたいのですが、金を緩めると簡単に余詰んでしまうため泣く泣くのみ規制を課しました。6手目同玉の形で玉の左上に不穏な気配を感じていただけると秒殺かと。交通規制をかいくぐって飛車がちょこっと走る感じです。」
■金を緩めると、43金までなんてのがありますね。飛車を車に見立てている訳ですね?
斧間徳子 「51飛以下の収束が面白い手順。」
■文句なしに面白いと思います。
リーグ戦ファン 「「打」が限定できる場所を考えると先手22か後手31・33以外に想像できず、▽33角打▲34桂には比較的容易にたどりつきました。キー条件(角)だけだとたくさんある詰めパターンを「金左」だけで逃げているのはさすがです。」
■最近は皆さん、羨ましいほど条件に長けてきました。
S.Kimura 「角を打つのは先手しかないと思い込んでいたので先手の角が成って、馬で駒を取る発想はなかなか浮かびませんでした。この詰め上がりは全く意外というしかありません。」
■ふふふ、そう来なくっちゃ。
○術師 「最初は後手角が成り、先手がつなぎ角を打つ手順を考えましたが、後手角が成れるのが最短で6手目では手があまりにも足りず。先手角が成る方向で考え始めて、角打の手は31か33だろう・・・と考えていたら解けました。51飛が限定されるのが良い感じです。」
■先手がつなぎ角を打っても、動けないんですよね。
正解:10名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん たくぼんさん DD++さん
はてるまさん はなさかしろうさん ○術師さん ミニベロさん
リーグ戦ファンさん 渡辺さん
総評
はなさかしろう 「採用していただきまして本当にありがとうございました。とても嬉しい半面、余詰なくなんとか無事に終わってほしい気持ちで一杯です。」
■バッチリ好評でございました(笑)
○術師 「今回はヒントを見ないで解くことができましたが、初級にエラく悩みました。思い込みにハマるとそこから抜け出すのは難しいですね。」
■たかが9手でも、思い込みにハマると解けないのが推理将棋ですから。
推理将棋第31回出題全解答者: 12名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん 高坂研さん たくぼんさん
竹野龍騎さん DD++さん はてるまさん はなさかしろうさん
○術師さん ミニベロさん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
当選: ミニベロさん
おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト
から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知
らせください。
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コメント
龍単騎や41金までを消すための”のみ”でしたが、
43金までもありますね...なるほど。金はこわいですね^^
投稿: はなさかしろう | 2010.03.31 00:07