推理将棋第32回解答(2)
[2010年5月2日最終更新]
推理将棋第32回出題の32-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第32回出題 推理将棋第32回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
32-2 初級 DD++さん作 両隣の将棋(1) 9手
「隣の将棋、あっという間に詰んだね」
「先手が指したのは1枚の歩を4回動かしたのと、飛の手1回だけか」
「その飛の手直後の7筋の手はびっくりしたよ」
「4手目の5筋の手も興味深い手だ」
「この短手数なのに成る手が2回もあったんだね」
「9手で勝った先手は気分よかっただろうね」
「え、後手が10手で勝ってなかった?」
「あれ、もしかしてそっち側の隣の話してたのか」どうやら、両隣の全く別手順の将棋を見ながらも会話が成立していたようです。
両隣の将棋はどういう将棋とどういう将棋だったのでしょう か。(条件)
- 9手で詰み
- 先手の着手は同じ歩の手4回と、飛の手1回のみ
- 先手の飛の手直後に後手は7筋の手を指した
- 4手目は5筋の手
- 成る手が2回あった
出題のことば(担当 タラパパ)
止めは成る手のようです。
追加ヒント:
成った駒は歩と角。
推理将棋32-2 解答 担当 タラパパ
▲6六歩、▽6二玉、▲6五歩、▽5一金左、
▲6四歩、▽3四歩、▲6八飛 、▽7七角成、
▲6三歩成 まで9手。
32-2と32-3のオリジナル案は次の内容。まったく同じ条件で手数の異なる2手順と、オリジナリティ溢れる初の試みでした。
「隣の将棋、あっという間に詰んだね」
「先手が指したのは1枚の歩を4回ついたのと、飛の手1回だけか」
「その飛の手直後の7筋の手はびっくりしたよ」
「4手目の5筋の手も興味深い手だ」
「この短手数なのに成る手が2回もあったんだね」
「ところで、どこ見てるんだい」
「打ち終わった隣の将棋だよ」
「俺はこっち側の隣の将棋の話してたんだけど」
どうやら、全く別手順の将棋を見ながらも会話が成立していたようです。
両隣の将棋はどういう将棋とどういう将棋だったのでしょうか。
mixiの原案は問題文に先手の指した手数は書かれていますが、何手で詰んだかの記述はありません。
ここがミソです。飛車が1回動いて、同じ歩を4回突く条件で、先手が詰むとは思えず、
32-2の9手が比較的容易に見つかるため、解答者はもう一局も9手と思い込んでしまう。
蓋を開ければ実は9手と10手だったという意外性。う~ん、巧妙ですねぇ。
今回の出題では解き易く、手数が明かされています。
1枚の歩を4回突いて、飛車を1回動かす条件では、先手が駒を成るとして歩成1度が限度。では後手は4手で何枚成れるでしょう? 先手の指す5手は、後手の駒成を一切アシストしていません。つまり後手が成るチャンスも一度だけ。
先手の駒成は歩が必然で、三段目の歩成で詰ませる。それには、二段目の後手玉が一段目に逃げられないことが必要。後手の手が「玉が上がる」「一段目を埋める」「残りの2手で駒が成る」ことになると、34歩~77角成が絶対。77角成は王手ですから、先手は68飛と振る筈。以上のことを総合してやれば、作意は論理的に見つかると思います。
DD++ 「採用ありがとうございます。2手順両方で全条件が必要条件となるようにした結果、ややわかりにくい条件となってしまいました。9手の方は無駄手が存在する上に24-1のまささん作によく似た手順と、こちらだけ見ると反省点もある出題だったかもしれませんね。精進します。」
■77角成は、単に詰める目的だけなら無駄手ですが、これがあってはじめて6筋に限定できる。単独作品として類似手順が存在することもネックではありませんから、私の見る限り、反省点らしきものは何も見当たりませんが(^^)
リーグ戦ファン 「この問題は秒殺。無駄手処理のはずの「成2回」によって飛車の位置を6筋に決められたところが格好いいです。」
■ですよね。
はらたっと 「本手順はあまり難しくなく、32-3とセットだからこその問題といった印象をうけました。」
■本問単独の手順は”よくある手順”ですから、おっしゃる通りだと思います。しかしセットすることで新構想。
斧間徳子 「○三歩成以外の成駒は77角成ではないかと考えたら、すぐ解けました。」
■決め打ちがハマると、簡単に解けることがあります。よかった(^^)
はなさかしろう 「攻守ところを変えて見るというのは斬新。確かに32-3と似ています。原案の手数を隠した出題形式というのがどういうものだったのか見てみたいです」
■はじめから原案も公開するつもりでした。
渡辺 「これは頻出の形。ほぼ一目でした。詰み形が明かなので易しいと思います。」
■いわゆる”使える手順”ですから。
平井康雄 「問題文から飛先の歩が成って詰みというのは明らかで、後はどの筋の歩をつくかの問題となる。もう1枚の成駒は玉方角以外ありえないので、それを77角成とするなら、68飛も必然となる。ということで、ここまで分かり易いのは初心者向けでいいですね。」
■はい、初級にはこうして論理で簡単に解ける問題が理想です。
たくぼん 「7筋の手が77角成というのは予想外でした。」
■裏読み専門のたくぼんさんらしい感想。77角成はもっとも自然なのに。
竹野龍騎 「すぐに解けてほっとした。問題は次ですね。」
■単独問題としての真打は次の問題。ですが、組局としては2題とも真打。
○術師 「手順は飛車振ってその筋に歩成までしかないのですが、細かい条件が見事に働いて飛車を振る位置が決まるのに感心しました。」
■例えば”5筋の手”を省くと51金左で、72玉と寄る手があるなど、不要な条件がないところに感心します。
S.Kimura 「これぐらい易しい問題が毎回あると助かりますね。」
■そう心がけたいのですが、なかなかです。
superkuppabros 「6筋であることに気づけば後は楽にできました。」
■飛車を振って、飛車先の歩が伸びるのが明らかなので、”どの筋か”が問題ですものね。
諏訪冬葉 「歩が4歩進んで詰みなら例の手しかない。あとは成りの回数と歩を進める列を調 節。」
■飛車と歩の順番が限定されることにも、ぜひご注目を。
ミニベロ 「Normanさんの名作順ですね。」
■あの10手は難しかった。
はてるま 「最初は62玉型で先手58飛と回って後手が72飛と寄るのかと思いましたが、成の数が足りませんでした。後手に成りが1回入るとすれば77角成、とすれば68飛と回る形が見えてきます。かなりクリアカットに割り切れるので初心者にも良問かと。」
■ははぁん、最初は7筋の手も無駄手と考えられた訳ですね。
正解:15名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん superkuppabrosさん 諏訪冬葉さん
たくぼんさん 竹野龍騎さん DD++さん はてるまさん
はなさかしろうさん はらたっとさん 平井康雄さん ○術師さん
ミニベロさん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
先手5手という条件だったんですね。
なるほど。。
投稿: はなさかしろう | 2010.05.05 15:26
>はなさかしろうさん
そうです。
•先手の着手は~~「のみ」
とあるので、8手以下や11手以上ではこの条件はどうあがいても満たせず、
明示はしていなくても実質9手か10手しかありえないという仕組みでした。
いつか、本当に何も手数を匂わす条件がないのに唯一手順に決まる問題も作ってみたいものです。
投稿: DD++ | 2010.05.06 21:16