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推理将棋第34回解答(1)

[2010年7月1日最終更新]

推理将棋第34回出題の34-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第34回出題  推理将棋第34回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


34-1 初級 DD++さん作      勇み足        9手

「昨日将棋であっという間に負けちゃったよ」
「どんな将棋だったんだい」
「最初に64歩と突いたあと、玉を、62、63、54、と進めたんだ」
「それは危ないね。で、その後は何を指しだんだい」
「9手で詰まされちゃったから、それだけしか指してないよ」
「・・・」
「空成って怖いんだね」

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 後手の着手は「64歩、62玉、63玉、54玉」
  • 空成があった

※ 空成とは、駒を取らずに成る手のことです。


出題のことば(担当 タラパパ)
  63から54へ上がった玉が、63へ戻れない詰上がりとは?

追加ヒント:
  5手目に取った駒を最終手に打ちます


推理将棋第34回解説  担当 タラパパ

DD++さんの特集いかがでしたでしょう?

実はつい先日、詰工房の会合で、初めて作者にお目にかかりました。頭に描いていたイメージ通りでした。同時にDSKさん、はらたっとさんともお会いできて、ついつい話が弾んでしまい、居酒屋さんに最後まで残っていたのが推理将棋関係グループでした(笑)

さて、作者の目指すところは、ひとことで「創意」と言えます。条件でも然り、手順でもまた然り。過去にない斬新さを狙います。

推理将棋34-1 解答 Suiri341

▲7六歩、▽6四歩、▲3三角不成、▽6二玉
▲2二角不成、▽6三玉、▲6六角成、▽5四玉
▲3六角 まで9手
 

後手の全着手が明かされ、それを見れば歩と玉以外は動かない。ここまではっきりしていれば、試行錯誤でも論理的な推理でも手順が組めます。それでいて推理将棋ならではのトリッキーな詰上がり。まさに初級にうってつけの問題でした。この詰上がりはスイリストにとって基本知識のようなものですが、出題用途に合わせるなど、条件を選べばまだ何度も使えそうです(笑)

さて、解図にあたって最大の手がかりは後手の最終2手。63玉~54玉と上がった玉が、止めの王手になぜ63玉と戻れないのかということ。考えられる理由は2つ。7手目に63玉に対して”王手”をかけた駒があり、その利きが残っている場合が一つ。二つ目は、止めの駒の利きが54ばかりでなく63にも利くケース。

常識的に先手が使える駒は角しかありません。すると63玉に王手をかけるには、76歩~33角成~22馬のような手で取った角を、74角などと打つ手段しかなく、もう一手で詰めることはできません。残る可能性は一つだけ。54玉のみならず63へも利きが通る最終手。すなわち36角と打って、合効かずで詰ませる手段です。

その時に22馬の利きだけでは塞げない逃げ道が65。ここを塞ぐことのできる駒が3つ(66歩、77桂、66馬)ありますが、このうち空成条件を満たす66角成が正解になります。

はてるま 「定番の斜交い角の詰め上がりですが、余分を削ぎ落とした原型のような仕上がり。「空成り」という条件でまとめたのも玄人の味ですね。」

■推理将棋の基本形の一つ。ベテランには物足りなかったでしょうね。

ミニベロ 「さすがにここまで教えてもらうと分かりますね。この順をこう表現するとは気付きませんでした。でもこれくらい易しい啓蒙作も必要です。」

■詰将棋でいえば、3~5手詰でしょうか。

リーグ戦ファン 「トドメは▲36角となることが明らかで、他に玉の動きを封じようと思うと馬が66にいるしかない。入門編として素晴らしいですね。」

■そう理解いただけると嬉しいです。

はなさかしろう 「角(馬)の斜め十字は魅力的な形。つい先日別の問題で見た時はクリーム煮のような濃厚な味付けでしたが、こちらは素材を生かしたシンプルな味わいの一品。推理将棋の魅力のひとつ、派手な詰め上がりが際立つ演出でした。」

■こうした浅漬けのお新香も美味しい。

中村雅哉 「知られた形なので成生さえ間違えなければ簡単。」

■たいていの作家が、条件を変えてなぜか一度は作る手順?(笑)

斧間徳子 「後手の指し手を全部オープンするなんて前代未聞。初級問題にこういうのもいいですね。」

■ここまでオープンしても、パズル性は失いません。

鈴木康夫 「45馬までと思い苦労しました。」

■54玉に45馬も一つの形ですが、45が筋違い位置なので手数が足りません。

S.Kimura 「合駒が効かずに詰むとは、推理将棋は奥が深いですね」

■合効かずは推理将棋ならではの収束。これに魅せられるとハマるんです(笑)

竹野龍騎 「優しい条件に、心地よい手順。」

■その意見に賛成。

渡辺 「これは形を知っていれば易しいですが、初級と言うにはちょっと…。」

■初級は苦しいですか? 次のhiroさん(初挑戦)は苦労されたのでしょうか?

hiro 「角をどう活用するか苦吟して2枚を使って詰ますことに思い至りました。」

■初挑戦する方にとって、気付きにくい詰上がりなのですが、お見事!

隅の老人B 「「空成りがあった」で2度の角生を確定。易しい?けっこう苦しみました。」

■たった9手で空成はもったいなかろう! そう思いますものね。

たくぼん 「さすがにこれだけ後手の手を教えていただければすぐに解けます。ボーナスですね」

■ふふふ、世間が不況なので、うちは夏のボーナス大奮発。

superkuppabros 「63の位置を封じるためには角しかないと考えたら分かりました。」

■63封じこそ解図のキーでした。

○術師 「この詰み形は自分でも作ったことがありますので、容易に解けました。」

■○術師さんなら作っていて当然かも。

作者 「推理将棋では条件の少なさや問題のシンプルさがよく重要視されますが、私は初級作品にはそれらよりも解答へのしっかりした道しるべと、推理将棋ならではの面白さの詰まった正解手順が大事だと考えています。この問題は後手の手を全開示しつつも、6段目の成という変な手や合駒なしの独特の詰みなどが含まれ、推理将棋を知らない人を誘い込む問題としてかなりうまく作れたと思っています。いかがでしょう。」

■いちいちごもっとも。ありがたい問題でした。


正解:17名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  superkuppabrosさん  鈴木康夫さん
  隅の老人Bさん  たくぼんさん  竹野龍騎さん  躑躅さん  DD++さん
  中村雅哉さん  はてるまさん  はなさかしろうさん  ○術師さん
  hiroさん  ミニベロさん  リーグ戦ファンさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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