推理将棋第35回解答(2)
[2010年7月31日最終更新]
推理将棋第35回出題の35-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第35回出題 推理将棋第35回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
35-2 上級 タラパパ作 4枚目の歩 11手
「隣の将棋はあっけなかったな。11手で詰んじゃった」
「先輩も見てました?ボクもしっかり見てましたよ」
「先手は歩を4枚も取ったけど、中でも”同”のつく手で4枚目の歩を取った時は、指がしなってたなぁ」
「そうでしたねぇ~」
「歩以外の駒取りが、まったくなしに終わるのも珍しい」
「もしかしてそっちの隣?ボクが見たのは不成が3回出たこちら隣なんですけど」◎先輩の見た将棋
(条件)
- 11手で詰んだ
- 先手が取った4枚目の歩は、”同”のつく着手だった
- 歩以外の駒を取る手はなかった
※ 先手が取った駒は歩が4枚だけとは限らず、”同”が1回とも限りません。
出題のことば(担当 タラパパ)
歩以外の駒を取らずに詰める代表的な手段は?
追加ヒント:
5手目以降先手が指したのは馬の手のみ。
後手玉の腹に角のいる単騎詰を目指してください。
推理将棋35-2 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽6二玉、▲3三角成、▽7二玉、
▲4三馬 、▽4四角、▲5三馬、▽6四歩、
▲同 馬、▽6二角、▲5四馬 まで11手。
11手で先手が歩を4枚取って詰ませるには、どうしても角を働かせないといけません。そして歩を取る手が4回となると、他の手を指せる機会は1手だけ。相当厳しい条件なのですが、最近ある人に教わった順も含めて、先手が4歩取って詰ませる手順が少なくとも4つあります。
歩を4枚取って詰ませるなら、馬単騎か、一度だけ歩を打つか、馬に協力する先手陣の駒と連携するしかありません。このうち「一度だけ歩を打つ」を満たす手順は、(惜しい手順はあるものの)恐らく存在しません。
本作は他の駒の協力を期待しない単騎詰バージョン。単騎詰の場合、玉を上方向から馬で詰ませるなら、後手玉の腹に角がいることが必須条件になります。11手でそれを満たせる位置といえば、12、32、41、52、72あたりが可能(他にあるかどうか?)ですが、先手が歩を4枚取れる場所は1個所だけ。
72玉に64馬の単騎詰に閃くかどうか、それが全てという問題でした。
ミニベロ 「「タラパパ手筋」の角の転換。知っていたからいいものの、次の35-3はお手上げ? 」
■そういえば本作、ミニベロさん出題作を解く過程で見つけた手順でした。
はてるま 「最初12玉のほうかと思い苦労しました。馬の横滑りがどことなくユーモラスで、最後じっと寄る54馬も手触り抜群。後手角の動きも妙味があります。単独問題としても素晴らしい出来と思います。」
■12玉は有力な場所ですが、歩が3枚までしか取れません。
中村雅哉 「12玉型が第一感だがうまくいかない。72玉型で詰ますとは意外性十分!」
■上級はやっぱり第一感を外さないと。
DD++さん 「33角成から43馬53馬と寄って65同桂で73の玉を吊るす、とか期待したんですが、 さすがに期待しすぎでした。残念。しかし、この会話の最後に見覚えがあるよう な、なんでだろう(笑)」
■65桂を跳ねて4歩取る順はありますが、さすがに65同桂で吊るし詰は期待しすぎ(笑) 会話に見覚えが? そ、そ、それは...思い過ごしでは...ないかと。
躑躅 「条件からまず馬単騎が思い浮かんだので、こちらは簡単でした。」
■はじめからバレていたんですね。
はなさかしろう 「まず馬単騎を探してみたくなるところ。72玉型なんですね。後手の手順限定の鍵になる64歩を極力後ろに引っ張ることで、奇妙な玉の早逃げと角のアシストの絶妙なタイミングが際立ち、実に優美な手順でした。」
■72の単騎、ちょっと飛躍した発想が要るかも。
リーグ戦ファン 「問3が先に解けた私はかなり変わり者でしょうねぇ。(経緯は問3の解のところで・・・)こんなにシンプルな単騎詰めだったとは。「今回は問2も問3も上級」という変なところに気づいてしまったのが最大の敗因かも知れません。」
■もしかして「中級」と謳えば、もっと簡単でした?
香箱 「馬で合い利かずの詰上がりしかないだろ、と72玉62角の形はすぐ見えました。3問目のことを思えばそうともいえなかったわけでラッキーでした。馬と角が絡み合うような動きが面白い。」
■それが見えてしまったら、ほとんど秒殺ですね。閃きの勝利。
斧間徳子 「以前、これと類似の手順で推理将棋を作ろうとし、うまい条件付けができなくて断念したことがありました。本作の条件はうまい!」
■いかにもぶつかりそうな手順でしたが、やはりありましたか。
はらたっと 「4つ目の歩取りが同歩で後手の手順前後を解消するという条件がいいですね。といっておいて35-3が出来てないので楽しさ半減です。」
■「王手3回+持駒4歩」のほうが普通なのでしょうが。
渡辺 「綺麗ですね。「歩以外取らない」は親切なヒントだが「金は取らない」だと次の問題の詰め上がりが分ってしまうのでそのあたりのバランスか。」
■難問なので、解き易そうなことも考えました。「金は取らない」には思いつきませんでした。
隅の老人B 「問題を読んで、次はヒント。幾度も幾度も読みました。手順が決まっても、まだ不安。もう1回読み返す。」
■手順が決まれば不安が消えるのが推理将棋なのですが・・・。
たくぼん 「ヒントもらっても最終手に歩を取ることばかり考えて悪戦苦闘。作者を喜ばしてるなあ~~」
■はい、喜んでいます。相手がたくぼんさんだけに(^^)
S.Kimura 「馬の単騎詰は割と早く浮かんだのですが、62に桂馬を打とうとしてはまりました。よく考えると馬が桂馬で取られますよね。」
■単騎詰の基本は玉腹に”角”ですから(笑)
竹野龍騎 「タラパパ作はちっとも見えず(泣)」
■竹野さんの作が、私になかなか見えない。お互い天敵だったりして(^^;
正解:15名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん けんちゃんさん 香箱さん 隅の老人Bさん
たくぼんさん 躑躅さん DD++さん 中村雅哉さん はてるまさん
はなさかしろうさん はらたっとさん ミニベロさん リーグ戦ファンさん
渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
*7月31日訂正(TETSU) 私のミスで、DD++さんの解答が漏れていました。お詫びして訂正させていただきます。DD++さん、タラパパさん、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。
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コメント
解説でウソをついてしまいました。お詫びします。
単騎詰の11手で先手が歩を4枚取れる場所は一箇所だけ、と書いたのですが、思いもかけない場所が、もう一箇所ありました。
DD++さんの指摘です。脱帽 <(_ _)>
投稿: タラパパ | 2010.08.01 01:02