易しい推理将棋・解けたその日からすぐに作れる! (3)
[2010年8月21日最終更新]
< 易しい推理将棋(2) 易しい推理将棋・目次 易しい推理将棋(4) >
推理将棋がはじめての方はまずこちらを ===> どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
易しい推理将棋・解けたその日からすぐに作れる! (3) ミニベロ
今回は、おもちゃ箱推理将棋第6回に出題された拙作を解析してみましょう。
この連載は、参考作としては基本的に「9手詰作品」を使うようにしています。
- 9手詰
- 取られた駒は金が2枚だけ
手数がもう少しあると「先手の金も取られたか?」という疑いもありますが、今回はナシ。
9手で金を2枚取るとなると、先ずは角の出動ということで、初手は76歩。
「金が2枚だけ」なので、33の歩は取られないよう2手目は34歩。
以下33角(成りOR不成り)、42金、同角(成りOR不成り)までは簡単でしょう。
さて、もう1枚の金をどう取って詰めるかですが、本作の場合、角を成ってしまっては馬がきつくて、細工の施しようがありません。推理将棋の場合、王を脅かすことなく玉に接近する不成りが便利な手筋で、成りでうまくいかないときは不成りを考えましょう。
5手目42角不成りだと、6手目は52玉と62玉のどちらかを選択できますが、この場合、成りでは指せない52玉を選んでみます。
角の腹に玉、捕まえた感じがしてきます。 そして課題の、もう1枚の金をも取る手段とは、5手目に取った金をそっと41に置く、本局唯一の好手です。 以下、51金、同角成りまで、きれいに金を2枚だけ取って9手で詰ませました(詰め上り図)。
自ら取られに行く8手目の51金が、いかにも推理将棋らしいおバカな手です。 作るも解くも、こういった笑える手の発見が推理将棋の楽しさともいえます。
本作を、「94問題」に直しますと、
- 2手目34
- 7手目41
- 8手目51
- 9手目51
こんな感じにできそうです。
これは、○手目と場所だけを示して駒種は教えない出題方法ですが、冒頭に示した1条件と比べてどうでしょうか。 これはこれで適度なパズルになっていると思います。
さらに最近では書き方にも工夫が凝らされていて、まるで暗号のように、
- 234 741 851 951
などという出題方法もマニアの間では広まっているようです。
この「金を2枚取って詰ませる」アイデアは、おもちゃ箱推理将棋第7回に出題された
「タラパパ作 馬で金を2枚続けて取った 9手」が最初です。
解説・短評がありますので、一度そちらを覘いてからまた戻ってきてください。
▲7六歩 △5二金右 ▲3三角成 △4二金寄
▲同 馬 △6二玉 ▲4一馬 △7二飛
▲5二金 (詰め上り図)
この9手詰の手順を、「馬で金を2枚続けて取った」だけで完全限定しています。
推理将棋を作るということは手順と条件を作ることですが、参考になる条件付けですね。
ではこれを「94問題」に旨く変換できるでしょうか。
実は、・5手目馬で金を取る ・7手目馬で金を取る、この二つだけでOKなんです。
しかし「94問題」は「9手詰・4条件」という決まりですから、あと二つは何か差しさわりのない条件の追加が必要です。 とは言っても2手目、4手目は本作の命ですから、これを明かしてはパズルになりません。
条件付けとは、手順を完全限定させるだけでは不十分で、謎の部分を明かさない工夫が大切です。 さらに解答者を紛れに誘うトリックまで挿入できれば、まさにそれは「推理将棋」です。
さて、次回は具体的な「条件の付け方」の予定ですが、それまでに下記の手順に良い条件を付けてみてください。
▲7六歩 △6二玉 ▲3三角不成 △6四歩
▲7七桂 △6三玉 ▲2二角不成 △5四玉 ▲3六角
(詰め上り図)
成不成り・手順前後・65の押さえ駒などの細かい部分は自由に変更してください。 54の玉を36角でしとめている形であれば、他は問いません。
推理将棋への質問や疑問は、こちらへメールください。
beonworks@jcom.home.ne.jp ミニベロ
| 固定リンク
「推理将棋」カテゴリの記事
- 推理将棋第138回出題(5月10日まで)(2021.04.13)
- 推理将棋第136回解答(3)(2021.03.25)
- 推理将棋第136回解答(2)(2021.03.23)
- 推理将棋第136回解答(1)(2021.03.21)
- 推理将棋第137回出題(4月10日まで)(2021.03.13)
コメント
非限定が多くて難しいですね。こういう案は如何でしょうか?
・9手で詰み
・自分の歩頭に角が成った
・玉頭の歩を突いた
・とどめは3筋の着手
投稿: 渡辺 | 2010.08.27 10:11