易しい推理将棋・解けたその日からすぐに作れる! (2)
[2010年8月14日最終更新]
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易しい推理将棋・解けたその日からすぐに作れる! (2) ミニベロ
今回はこの「94問題」。
- 4手目は桂
- 5手目は桂取り
- 7手目は桂打ち
- 9手目は角成り
7手目に桂を打つには取らなくてはいけない。でも3手目は無理なので5手目。
右の桂を取るか左の桂を取るか、いずれにしても先手は76歩と角を使いたい。
先ず後手の角側の桂を取る順から考えてみると、
A▲7六歩 △3四歩 ▲2二角成 △3三桂 ▲同馬と、
B▲7六歩 △3四歩 ▲2二角不成 △3三桂 ▲同角不成、が考えられます。
Aは以下4手(先手は2手)で、桂打ち・角打ち・角成りの3手が必要なので駄目。角が成ってしまっては、最終手の角成りを実現するには「角取り・角打ち」が必要。つまり9手目に成った角は、88にいた先手の角ということになります。
Bは以下、42金、54桂、32銀、42角成りで旨く行ったかに見えましたが、後手の82にいた飛車が利いていましたので、同飛で失敗です。
しかしこの失敗で良いことが分かりました。後手の飛車側の桂を取りに行けば、ほとんど同じような順で、32銀が72銀に替わると、1手で玉のコビンへの銀と飛車の利きが消えて解決です。
作意は、
▲7六歩 △7四歩 ▲5五角 △7三桂
▲同角不成 △6二金 ▲5四桂 △7二銀
▲6二角成まで、9手で詰み。
飛車側の桂を狙う順が正解でした。
本作を中級用に少し難しくしようとすれば、4手目を隠すことが可能です。
- 初手は歩 (4手目は桂)
- 5手目は桂取り
- 7手目は桂打ち
- 9手目は角成り
初手の歩はほとんどヒントにならないので、急に難しく感じるでしょうが、実は本作は、最初の条件がなくても完全限定できているんです。
さらに本作を、普通作の1条件作品にすれば、こうなります。
- 9手詰
- 先手は桂を打ったあとに角を成った。
5手目の桂取りも省略できるのでした。取らなければ打てないので、当然といえば当然ですね。
一つの順に3通りの条件の付け方。それぞれ受ける感じ(景色)が違っていると思います。「推理将棋は条件が違えば別物」といわれる所以です。
本作の元ネタは、はてるまさんの古典9手の名作でした。おもちゃ箱の推理将棋第5回で出題されていますので、もう一度御覧下さい。
いい作品ができたら、私まで連絡ください。一緒に検討してみましょう。入選級でしたら、タラパパさんに推薦いたします。推理将棋への質問や疑問もこちらへメールください。
beonworks@jcom.home.ne.jp ミニベロ
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コメント
実は、
・9手詰
・桂を打つ手の後に、角を成る手があった。
でも大丈夫ですね。後手が桂を打つ手順はないですし、先手が桂を打った後に後手が角を成る手順もありません。
投稿: 渡辺 | 2010.08.14 21:44