推理将棋第36回解答(1)
[2010年9月2日最終更新]
推理将棋第36回出題の36-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第36回出題 推理将棋第36回解答(1) (2) (3) 参考
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
36-1 初級 DSKさん作 わが道を行く 9手
(条件)
- 9手で詰み
- 2手目は42飛
- 4手目は5筋
- 5手目は22角成
- 7手目は21馬
出題のことば(担当 タラパパ)
止めは駒打ちしかなさそうですが、どこに何を?
追加ヒント:
先手の角がどう動くかをまず推理して下さい。止めは角か桂を打つ手。
推理将棋第36回解説 担当 タラパパ
「94問題特集」は、非常に好感触をもって受け入れられたようです(^^)
詰将棋の全国大会をきっかけに生み出されたものですが、これから推理将棋の
世界に確固たる地位を築くことになるかもしれません。
「93問題」なんていうのも、できつつあるかな?
推理将棋36-1 解答
▲7六歩、▽4二飛、▲3三角不成、▽5二金左、
▲2二角成、▽4一玉、▲2一馬、▽5一金右、
▲3三桂 まで9手。
初級用に作られた問題なので、指し手を推理する手掛かりは問題文にたあっぷりです(^^)
2手目にも4手目にも34歩と突いていないのに、5手目が22角成、7手目が21馬ですから、76歩、42飛、33角不成、5?○、22角成、??○、21馬、??○、??○までの手順が決定します。この手順で先手が手にする駒は、順番に歩角桂。
詰の拠点にできる駒は21馬だけ。もう一手で詰ませるとしたら、43馬とでも引いて単騎詰にするか、身動きのとれない玉を、角か桂を打って詰ませるかです。
まず43馬での単騎詰は、後手陣営に61玉、51角の形が必須なので消えます。角を打つなら32角ですが、2手目42飛により後手42銀の形が作れず無理。こうして有力候補はどんどん消えていき、33桂で詰ませる作意が浮かび上がる仕掛けになっています。
ミニベロ 「94問題の本来の目的は『初級者を論理的に解答に導く』こと。本作を解くことによって推理将棋の仕組みが分かってくる。」
■94問題は啓蒙にもってこいという訳ですね(^^)
DD++ 「珍しく暗算でやったら、『33角不成が王手だから5筋で回避するには52玉で……あれ?どうやって詰むんだ?』という凡ミスをやってしまいました。慣れないことはするもんじゃないですね。」
■ふふふ。しくじったね、明智くん。
香箱 「2問目同様に窒息させる方向で。」
■なるほど、窒息とは言いえて妙。
はらたっと 「先手の手は条件からほぼ見えるので、後手は囲いに精を出して桂打ちフィニッシュ!私にしてはめずらしく瞬殺コース。」
■苦労して一生懸命囲って、後手はなにやってたんでしょうねぇ?
はなさかしろう 「9手目が角打ちか桂打。それに備えた後手陣の整理が問題なのですが、『わが道を行く』ということは、後手は囲っていたのでしょうか!?」
■せめて後手は33に利かせて、2手目42銀と囲うべきでしたねぇ。ん?ダメか(笑)
リーグ戦ファン 「先手7手目までが必然でほぼ一本道ですが、『初級』とするには、詰み形が思いつかないと難しいかもしれません。」
■初級にも秘手あり?
斧間徳子 「5手目が22角成という条件は、1手目と3手目もオープンにしてしまうサービスヒントですね。」
■はい、そこが作者の狙いかと。
渡辺 「後手は4手目までに34歩を指さないのに5手目22角成であることから、初手、3手目も決定。詰みも角桂を打つしかありませんから簡単でしょう。」
■じっちゃんを引っ張り出すまででなく、金田一少年で足りる推理ってことでしょうか。
竹野龍騎 「後手の桂の利きがあった33桂で詰ます感触がいい。」
■なるほど、なるほど。
たくぼん 「ふふふ~ここまで教えていただければ私でも大丈夫」
■教えすぎましたかねぇ?
隅の老人B 「猛暑の夜、消灯して布団へ。寝付かれない、推理将棋を考える。3手目に気付けば、これは簡単。未だ眠られず、困ったな。」
■今年の猛暑は、推理将棋も解決にはなりそうもないほどヒドかった。9月になっても猛暑とは。
けいたん 「これを普通に出題すると、条件付けが難しいかも。」
■実はまささんが、ほぼ完璧かつ簡潔に条件付けした作品があります。
まさ 「自分でも作品化したことがある手順だったのですぐ見えました。」
■まささんの作品はなんと、手数+1条件です。どんな条件だと可能なのでしょう?
みや 「5手目から逆推理して一直線。」
■てことは、桂を打っての収束はすぐ気付かれた?
占魚亭 「21に馬がいる状態で詰ませるにはどうするか――を考えてこの順に辿り着きました。」
■それが正統派の思考です(^^)
S.Kimura 「桂馬を53から打つことばかり考えていました。33を守っている角や桂馬は先手が取っていましたね。」
■53桂で詰ませるには、52を角で埋める必要がありますが、それにはちょっと手数不足。
鈴木康夫 「4つ目のヒントが最終手を示唆していますね。」
■はい。
hiro 「がむしゃらに解きました。玉の退路塞ぎに苦心しました」
■手がかりは21馬だけですから、退路塞ぎこそ後手の目指す”我が道”。
洞江元太 「まさに初級という問題。論理的に分かるので気持ち良く解けた。」
■初級の思考を知り尽くした問題といえるのではないでしょうか。
高坂研 「ついたて将棋だとしても、角や桂が消えたら先手の着手の予想はできるよねえ(笑)」
■33角”不成”までは予想できないでしょうが(笑)
はてるま 「まさに『我が道を行く』ような手順。条件も親切設計でサクサク解けました。」
■初級はやはり親切設計でないとね。
正解:22名
井上徹也さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん けいたんさん 高坂研さん
香箱さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 占魚亭さん たくぼんさん
竹野龍騎さん DD++さん 洞江元太さん はてるまさん はなさかしろうさん
はらたっとさん hiroさん まささん ミニベロさん みやさん
リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
>手数+1条件です。どんな条件だと可能なのでしょう?
・馬で角、桂を取った
これじゃだめかな?
投稿: ミニベロ | 2010.09.02 13:07
だめですね。分かりません。
▲7六歩 △4二銀 ▲3三角成 △5二金左
▲2二馬 △4一玉 ▲2一馬 △5一金寄 ▲3二角
1条件風2条件が必要な気もします。
投稿: ミニベロ | 2010.09.02 13:17
・馬で取った駒を最終手で33に打った
「最終手」を入れないと余詰なので、これが限界かも。
正解教えてください!
投稿: ミニベロ | 2010.09.02 13:24
3手目非限定。
・馬で取った「最初の」駒を最終手で33に打った
もう1条件とはいえないですね。
ギブアップ!
投稿: ミニベロ | 2010.09.02 13:29
正解は「馬で取った角桂のうち桂を打った」でした。
投稿: 渡辺 | 2010.09.03 01:22
自分は、先にこの条件の問題を見て4条件を捏ち上げた訳です。
けいたん> 「これを普通に出題すると、条件付けが難しいかも。」
と言ってもらえた、ということはある程度自然な条件付けになった、ということですかね。
投稿: 渡辺 | 2010.09.03 01:25
この手順の1条件と聞いて自分がパッと考えたのは「33への2度の着手は順に、成る手、王手」だったんですが、一晩して落ち着いて考えてみたら思いっきり余詰んでました。残念。
まささん作のはそんな条件付けだったのですね。馬が取ったもう1枚の駒種を隠しても余詰みますし、本当に必要最低限の条件だけを濃縮したような感じですね。
投稿: DD++ | 2010.09.03 08:48