推理将棋第37回解答(1)
[2010年9月30日最終更新]
推理将棋第37回出題の37-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第37回出題 推理将棋第37回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
37-1 初級 DD++さん作 "3"の魔術師 13手
「すげぇ!この棋譜、13手で詰むまで全部の手に"3"がついてる!」
(条件)
- 13手で詰んだ
- 棋譜上"3"のつく着手のみ
※ 「33同角」は棋譜上では単に「同角」が正しく、棋譜に"3"はつきません。
また”4三”など漢数字は、"3"がつくものとお考えください。
出題のことば(担当 タラパパ)
3筋と三段目だけの着手なら居玉。居玉を詰めるには?
追加ヒント:
止めはあの駒を「打つ」手です。
推理将棋第37回解説 担当 タラパパ
新手、新構想。詰将棋の世界でも、推理将棋の世界でも、もっとも大きな価値の一つが独創であり、作家が等しく狙うターゲットです。 独創と並び立つ、もう一つの価値が完成度。どちらを重視するかは人の価値観によりますが、なんといっても独創第一というのが担当の価値観です。 今月の初級は”新構想”、上級は”新手”と、まさに大盤振る舞い(^^) 二度とこんな豪華な選題はできないだろうなぁ~。
推理将棋37-1 解答
▲3六歩、▽3四歩、▲3五歩、▽3三桂、
▲3四歩、▽3二銀、▲3三歩成、▽3一角、
▲4三と、▽3三銀、▲5三と、▽3二飛、
▲4三桂 まで13手。
解答者全員を『凄さのわかる男』にしてしまった奇跡の作品がこれです。
その第一が条件の美しさ。たった1つ「棋譜上"3"のつく着手のみ」と、極めて簡潔かつ前代未聞の条件で、13手を唯一手順にしてしまう神の悪戯。
その条件を美しい手順が支える。この条件から考えうる止めは3つしかない。31飛と打つ。33角と打つ。43桂と打つ(又は跳ねる)。しかし13手という手数を考えるとき、よほど天邪鬼でない限り、最終手はほぼ43桂(打つか跳ねる)と決まったようなもの。手順の美しさは、ともすればままっ子扱いされかねない無駄手の美しさとして現れます。
作意を見てもらえば分かるように、後手は34歩と33桂さえ指せばすみます。しかし2手で終えることは許されない。あと4手”指さねばならない”のだ。その4手で後手は、最終43桂を阻害しないよう手を選んでゆく。そこに生まれるスリリングな感触を楽しむ問題。
6手目に32飛では33歩成を取らざるを得ない。そこで32銀と31角の遊びを入れる空間を作る。その銀を33に立って最終手43桂への利きを消す。これをもう一度34に立つと43への利きが再生してしまうのだが、そこに幸便な32飛があって、美しくも無意味な遊びの世界が描かれる。
ミニベロ 「こんな1条件で限定できているとはムシが良すぎます。『箱入り娘パズル』を連想しました。」
■飽くない創造意欲へのご褒美なのでしょうが、このムシの良さはなんなのだ!
はてるま 「この手数がこんなシンプルな条件で見事に限定されているのは感激ものです。奇跡のような手順を掘り当てたDD++さんに拍手!」
■はい。指し将棋の諺に例えれば”勝ち将棋鬼のごとし”。何もかもうまくいってます。
RINTARO 「飛車を使わずに歩で行く手を考えたら一瀉千里。後手の手が限定されているところに感動。」
■先手が32飛を置いて、35桂と打ち43桂と跳ねる順も有力で、私の直感は実はこちらでした。
作者 「『ためしにこんな条件をつけてみよう』と設定して手順を探したら、攻方7手玉方2手の順を発見。「後手に無駄手が4手もあるのか困ったな」と思いつつよく考えてみたら、実は条件を守りつつ詰みを邪魔しない指し方が盤上任意着手4回の中でたった1組だけだったという奇跡の問題です。そういえば、将棋連盟では実は段も算用数字で書く形式を正式に使っているという噂をチラッと聞いたことがあるのですが、本当なんでしょうかねぇ。」
■連盟でその動き?ウソっぽいなぁ(笑)
躑躅 「3が常に入る後手の応手はこれしかないんですね。」
■そのことが何より不思議です。
香箱 「『同XX』」がないというのが大きなヒント。」
■『同XX』がないというのは、ヒントというより条件なんですけどね(^^)
斧間徳子 「手数以外にこの斬新な1条件だけで解が唯一に決まるというのは、本当に奇跡のようですね。32銀~31角~33銀~32飛がこの斬新な条件によって出現した妙手順。」
■まさしく。
中村雅哉 「この条件で手順が限定されている事に脱帽。」
■氏をして”脱帽”の言葉を漏らさせるとは!
NAO 「飛車を使おうとしたら頓挫しました。歩で一本道ですね。」
■はい(^^)
宮谷保可楽 「この条件で居玉を詰ますとなると、53に金なんかを置いて桂吊しぐらいしかなく、しかもそうと決まれば、あとは手なりで一気に解けてしまった。奇跡的な条件に奇跡的な手順。」
■ほんとうに、どうして成立してしまったのでしょう?
けいたん 「31角までは、普通の発想とも言えるが32飛がスゴい。」
■よくまあ、この手が残っていました。
隅の老人B 「当たり前の話だが、これで手順がこれしかない。文章の妙、ここにあり、ですね。」
■”3”という数字に着目した作者のファインプレーでしたね。
リーグ戦ファン 「解くのは2度目なのですが、なぜか「3筋だけ問題」と早合点して、どう頑張っても15手かかるはず・・・2週間以上悩みました。初めて解いたときは5分だったのに(苦笑)この順が限定できているのはまさに奇跡です。12手目▽34銀では詰まないなんてことが予め計算できるはずもなく、人智を超えて「選ばれし問題」という気がしてます。」
■「選ばれし問題」を発掘したDD++さんも「選ばれし人間」。
渡辺 「3筋の歩が素直に33に成って53まで動き33で取った桂を打つ。これで間に合っているんですね。分かってみれば何てことないのですが、実はタラパパさんの問題が頭にこびりついていて、最終手31飛や33角の筋ばかり考えてものすごく手数が足りない状態でずっと悩んでいました。ヒントを見ても「あの駒=飛or角」と思っていて何の役にも立ちませんでしたし…。」
■あらら(><)なまじ豊富な知識が災いした?
たくぼん 「13手で1条件ながらこの易しさは、推理将棋くるくる大賞級だ」
■くるくる大賞!
鈴木康夫 「この条件でが完全限定できているのは素晴らしい。」
■あってはならない手順ですよねぇ~って、これは作者になれなかった者達の妬み(笑)
はなさかしろう 「解図は居玉へのオーソドックスなアプローチで易しいのですが、一仕事終えた後の後手の駒さばきが絶妙!!――これは奇跡と認定して良いのではないでしょうか?」
■そうなんですよ。えもいわれぬ駒捌きでした。認定して・・・・いいでしょうかねぇ~?(^^;
竹野龍騎 「究極の条件作。」
■これは文句なしに認定(^^)
占魚亭 「後手の手の組み合わせに少し苦労しました。」
■遊びの4手ですね。
はらたっと 「これはパズルのような作品。3筋の駒の入れ替えが見事です。」
■遊び手がかほどに評価される作品は、そうそうあるものではない(^^)
正解:20名
斧間徳子さん けいたんさん 香箱さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん
占魚亭さん たくぼんさん 竹野龍騎さん 躑躅さん DD++さん
NAOさん 中村雅哉さん はてるまさん はらたっとさん はなさかしろうさん
ミニベロさん 宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん RINTAROさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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