推理将棋第37回解答(2)
[2010年10月1日最終更新]
推理将棋第37回出題の37-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第37回出題 推理将棋第37回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
37-2 中級 ○術師さん作 4筋が急所 10手
「第2局は10手で詰んでしまいました。K九段、講評をお願いします。」
「4筋への大駒の着手6回がポイントだったと思います。
成った手が微妙でしたか。」
さて、どんな将棋だったのでしょうか?(条件)
- 10手で詰んだ
- 4筋への大駒の着手が6回
- 成る手があった
出題のことば(担当 タラパパ)
詰上がりも含めて、4筋攻めの基本手順といえる筋です。
追加ヒント:
22の角以外、すべての大駒が動きました。
推理将棋37-2 解答 担当 タラパパ
▲7六歩、▽4四歩、▲同 角、▽4二飛、
▲5三角成、▽4七飛不成、▲4八飛、▽同飛不成、
▲3八金、▽4九飛打 まで10手。
4筋への大駒の着手といえば、主役は当然角ではなく飛車。そして明らかな障害は47歩と43歩。先手玉に迫るには歩の障壁を越えて、先手陣に飛車を送り込まねばならない。
思いつくもっとも自然な手順は、「46歩、44歩、45歩、同歩、48飛、42飛・・・・」と進めるものなのだが、すでに小駒の手が4回で目一杯。このあと45飛、同飛と進めても、手数もまたぜんぜん足りない。
これに変わる手があるとすれば、「76歩、44歩、同角、42飛」しかない。この手順は、「76歩、32飛、33角成、同飛」と並んで、後手の飛車を使う二大手筋の一つといってよく、数多くの作品で用いられる。
序の4手を確定したところで、収束を読んでおきたいところ。できるだけ玉を動かしたくない。そして居玉か否かを別にしても、4筋攻めの弱点68地点からの逃走をどう遮るかという課題を解決しなければならない。実はここにも定跡というべき手段がある。4筋の駒で68を塞ぐには、48に生飛車を置くこと。止めは49に飛か金を打つ形。それをアシストするのが、邪魔になった44角を5手目に”成る”手。
ミニベロ 「詰みを構成する順には成りはなく、邪魔角を逃がす手に成りを求める旨い限定。」
■小味な限定条件で、旨さを感じます。
はてるま 「4筋に集中といえば、このオープニングでしょう。条件がすっきりまとめられているのが好感触。」
■はい。オープニングはいわば定跡手順ですから。
RINTARO 「成った手が微妙との記述より、成ったのは先手の手と考えれば53角成に辿り着く。」
■なるほど、”微妙”を捕まえましたか。
はなさかしろう 「『成る手があった』による5手目の限定が絶好ですね。9手目の金のロールアウトがいい感じ。基本手筋がシンプルに活きています。」
■限定移動と、限定成を両立させた好条件でした。
DD++ 「成る手があった」は先手角の行き先限定にもなっていて非常にうまい限定ですね。ただ、先手玉周りで成が指したくても指せない手順すなわち「玉コビンに生飛を置いて駒打ちまで」じゃないとこれが限定条件として機能しないことにうっかり気づいてしまい、オチのネタバレを意図せず先に見てしまったようななんとも言えないしょんぼり感が残る結果に・・・・。非限定消しが綺麗すぎるのも、それはそれで困ることもあるんですね(笑)」
■たぶんそれは、DD++さんが定跡通だから?
香箱 「4筋を開通させれば収束まで一直線。こちらが初級でしょう。」
■ベテラン勢にとってそうなのは分かっているのですが。たとえば初挑戦の方には”3”という明確な指標が解き易いかな?と
斧間徳子 「『成る手があった』という条件で53角成を限定するのがうまい。」
■技術面で最も光るところでしょう。
中村雅哉 「定番のパターンだが、成る手を4筋の手と思い込むと悩みそう。」
■スイリストとしては、知っておくべき手順と言えます。
NAO 「4筋に大駒の手を意識したら、すぐ解けました。」
■6回という厳しさが、解き易さを演出することになりました。
宮谷保可楽 「4筋集中攻撃のお手本。参考になりました。」
■6筋にも応用が効きますので。ご参考までに(^^)
けいたん 「既成的と感じてしまう。ミクシィでの推理将棋の発展は本当にスゴいと思う。」
■推理将棋の代表的な手順、今後も少しずつ紹介したいと思っています。もちろん既成でもネ。
隅の老人B 「『成った手が微妙』、これで全手順が決まります。不成が3回では、ヒントが多すぎる。」
■不成3回としないところが条件設定の妙でした。
リーグ戦ファン 「この問題、4筋に指せる大ゴマの手を羅列していくと、自然に詰め形に近づいていきますね。『成る手があった』が先手角の行き先限定だったところが面白いです。」
■自然な中でのポイントは53角成と48飛不成。はじめて見ると”上手いなぁ~”と思う手です。
渡辺 「成る手があったで角の動きを限定できているのが面白い。良くある筋(mixiでは拙作、まささん、Normanさんに作例あり)なので第一感でした。」
■成る手、大駒6回。この条件が担当のお気に入りです。
たくぼん 「4筋が主戦場となるとこの順が王道ですね。成る手があったの条件がうまいですねえ」
■成る手。○術師さんのセンスの現れでしょう。
鈴木康夫 「4(6)筋詰の基本ですね。」
■はい(^^)
竹野龍騎 「『成った手』がとぼけた味。」
■食べてみて、はじめて分かる”味”でした。
はらたっと 「4筋の大駒は先手2後手4回できめうちし、『成る手があった』にしばし立ち止まりましたが、後手は成れないから先手角成りとわかり解決しました。」
■『不成があった』なら普通の条件、『成る手があった』は意外に珍しい条件なんですね。
正解:19名
斧間徳子さん けいたんさん 香箱さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん
たくぼんさん 竹野龍騎さん 躑躅さん DD++さん NAOさん
中村雅哉さん はてるまさん はらたっとさん はなさかしろうさん ミニベロさん
宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん RINTAROさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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