覚えておきたい推理将棋の基礎知識 2
[2010年10月9日最終更新]
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覚えておきたい推理将棋の基礎知識 2 ミニベロ
■9手における中段玉の詰ませ方
9手詰で、今までの読みが通用しない作品に出会ったら、中段玉を考えてみてください。狭い後手陣の中では考えられない詰み順が存在します。もちろん10手以上でも数多くありますが、まずは9手中段玉をマスターしましょう。
9手で中段玉(4段目~6段目)が詰む形は、この四つだけです。詰め上り例を示します。
(1)64の玉を55の馬でしとめる形
(推理将棋第8回出題の拙作で、予習出題作)
※前回出題時に、条件不備で余詰がありました。お詫びいたします。
▲7六歩 △7四歩 ▲3三角不成 △6二玉
▲2二角成 △7三玉 ▲3三角 △6四玉
▲5五角成 (詰め上り図)
55にヒモをつける手は「56歩」でもOKです。
▲7六歩 △7四歩 ▲5六歩 △6二玉
▲3三角不成 △7三玉 ▲2二角不成 △6四玉
▲5五角成 (詰め上り図)
(2)64の玉を75の馬でしとめる形
(詠み人知らずの古典作)
▲7六歩 △5四歩 ▲5六歩 △5二玉
▲6六角 △5三玉 ▲9三角不成 △6四玉
▲7五角成 (詰め上り図)
(3)84の玉を95の馬でしとめる形
(これはまささんの古典名作ですね)
▲9六歩 △7四歩 ▲7六歩 △6二玉
▲3三角不成 △7三玉 ▲7七角成 △8四玉
▲9五馬 (詰め上り図)
途中の細かい手順の違いはいろいろあれど、いずれも4段目の玉を5段目の馬でしとめます。
(4)そして唯一成り駒を必要としない形が、第4回で登場した「54玉と36角」です。
▲7六歩 △6二玉 ▲3三角不成 △6四歩
▲7七桂 △6三玉 ▲2二角不成 △5四玉
▲3六角 (詰め上り図)
この形は「筋違い角2枚」でもあるし「合い駒のない詰」でもありますね。
9手作品では玉が4段目までしか行けません。後手の手数が足りないからです。道を開けるために歩を突く・玉が3手かけて移動する、これで4手です。
▲7六歩 △4二玉 ▲3三角不成 △同 玉とやれば、歩を突く手が省略できますが、9手では詰ませることはできません。しかし二桁作品になると出てくる順ですので、覚えておくと便利な順です。この手数短縮テクニックは、のちほど詳しく解説します。
金銀の守りから離れた中段は、玉にとってはかなりの危険地帯です。しかしその分相当広いとも言えます。攻め方・玉方協力して玉の動ける範囲を狭めていきます。それには上記順以外は10手以上掛かりますが、かなりトリッキーな詰み形を作れます。
中段玉の攻略法も重要な「覚えておきたい推理将棋の基礎知識」です。
次回の予習問題。おなじみの「94問題」です。
- 9手詰
- 4手目93桂
- 5手目歩頭
- 6手目玉
- 8手目玉
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コメント
ここで紹介された手順では玉位置は54、64、84だけですが、74玉を9手で詰ます順もあります。
おそらくミニベロさんはこのうちの1つと同じとみなして省略されたのだろうと思いますが、さていったいどういう手順でしょう。
本記事を読まれた方なら見つけるのはそう難しくないと思いますので、ぜひ考えてみてください。
また(3)には収束は同形でも角が88-66-93-75ではなく88-33-66-75と動く手順もあるので要注意です、とついでに補足。
投稿: DD++ | 2010.10.09 16:25
DD++さん、ありがとうございます。
>74玉を9手で詰ます順もあります。
これは抜け落ちでした。失礼しました。
誰の作品でしたかね。未発表順なのかな。
(4)に分類されて、DD++さんの簡易バージョンの逆形になりますね。
>また(3)には
これは(2)ですね。こちらは省略です。
投稿: ミニベロ | 2010.10.09 17:18
> 誰の作品でしたかね。未発表順なのかな。
mixiだとまささんと私が作っていますね。
投稿: 渡辺 | 2010.10.11 13:46