推理将棋第38回解答(2)
[2010年11月2日最終更新]
推理将棋第38回出題の38-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第38回出題 推理将棋第38回解答(1) (2) (3)
推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
38-2 中級 夏休みさん作 大空のキャンバス 13手
「この二人の対局は自由奔放だね。まるで大空のキャンバスに絵を描いているようだ」
「後手は8手目までマネ将棋だったのに、10手目は42角と変化したね」
「先手の歩の手は一度、取った駒も歩が一枚だけだったけど、13手で詰ましたね」
「そういえば、成る手がなかったね」
二人は盤上にどんな絵を描いたのでしょうか。
(条件)
- 13手で詰んだ
- 8手目までマネ将棋だったが、10手目の42角でマネから外れた
- 先手の歩の手は一度だけだった
- 先手の取った駒は歩が1枚だけだった
- 成る手はなかった
※マネ将棋・・・55を中心とした点対称の同じ動作(動かす・打つ)の着手
たとえば、「76歩、34歩、55角、同角」もマネ将棋です。棋譜表記も違い、一方だけ駒を取りますが、点対象の位置に、同じ場所から同種の駒を動かしているからです。
出題のことば(担当 タラパパ)
10手目42角に直感を働かせ、盤面を目一杯に使ってください。
追加ヒント:
後手玉は居玉のまま詰まされました。先手も後手も取った駒は歩が一枚。
先手の飛車が一度だけ動きました。
推理将棋38-2 解答 担当 タラパパ

▲9六歩、▽1四歩、▲9七角、▽1三角、
▲5三角不成、▽5七角不成、▲3五角不成、▽7五角不成、
▲5七角、▽4二角、▲5八飛、▽7四歩、
▲8四角 まで13手詰
当初条件の「8手目まで真似将棋で10手目42角」「先手駒取り1枚」「先手歩の手は一度」では、先手の着手で「58玉~76歩~77角~86角~77桂~65桂~53角成」と「78銀~56歩~79角~35角~71角成~72銀~61馬」と、2通りの余詰がありました。作意&余詰双方解はDD++さん、中村雅哉さん、斧間徳子さん、渡辺さんです。作者からはお詫びコメントを頂きましたが、担当者ともども粗検をお詫びいたします。
さて作意のほうですが、推理将棋の作品があまたあっても、これほどダイナミックな手順はありませんでした。
双方の角が右周りに大きく盤上を駆け巡って、着地も気分よく84角までの両王手。大空をキャンバスに、ダイナミックな現代的抽象画を描いているよう。
修正により先手の取った駒が”歩”と明かされましたが、「成る手なし」条件があれば、残りは当初条件で大丈夫そうです。
作者 「再三の余詰、申し訳ありませんでした。折角採用していただいたのに、担当のタラパパさんにもご迷惑をお掛けしました。すみませんでした。もう一度勉強をして出直してきます。」
■いや、連帯責任です。特に推理将棋は。
DD++ 「こっちが作意解ですかね。角がぐるぐるまわって面白い手順。」
■目が回りそうですね。71角成の筋もご指摘。
はてるま 「42角に直感を働かせると・・・・、ズバリ当たりでした!それにしても豪快な角の動き。目が回ります。」
■やはり、回っている方がいらっしゃいました(笑)だと思いましたよ。
はらたっと 「居玉に両王手でした。」
■42角の条件から、両王手は予想し易いかな?と思いましたが・・・。
リーグ戦ファン 「解いてみれば、「大空のキャンバスに絵を描いているよう」はすごいヒントですね。手順といい構図といい、プルーフゲームっぽい問題でした。私はといえば、第一感が43桂まで、次が34馬まで単騎詰、だったので、本作と逆で、タンスの中を整理するような手ばかりを考え、両王手に気付くまで一時間でした。」
■なあるほど。42角からは43桂や34馬の単騎詰も、相当有力な詰上がりでしたね。
香箱 「9手目と10手目の対比の感触がよい。」
■全く違う手ではなく、一つだけ深く引いたのが、いい対比になっていますよね。
斧間徳子 「先手の角の動きが圧巻!! なのですが、惜しいかな、下記の余詰めがあります」
■恐れ入りました <(_ _)> 71角成の筋のご指摘。「成る手なし」追加の修正案も添えて。
渡辺 「これが作意と思います。確かに大空のキャンパスに自由奔放に絵を書いています。しかし、」
■渡辺さんからは、53桂成(角成)の余詰を指摘いただきました。これ、相当見えづらい(^^;
中村雅哉 「雄大な手順で解後感よし。先手の歩の手制約は55で歩交換の筋を防いだのでしょうが、「先手が取った駒は3段目で取った歩1枚だけ」くらいで省略できないでしょうか?」
■結果的には、その条件だけではいけませんでした。13手あると怖い。中村さんからも71角成の筋の余詰指摘を頂きました。
NAO 「角の大転換。端を使わないとマネできません。」
■と思っていたのですが・・・・。
宮谷保可楽 「ヒントの意味がわからず、34歩→33角→42角かと思っていたので、苦戦をしいられた。「居玉で詰まされた」が大きなヒントになり、やっとすべてが理解できた。両王手だったんだ…。」
■ヒントが漠然としすぎていたかも?
鈴木康夫 「自力で解けなかったのでプログラムを組んで解かせました。タイトル通りまさに大空のキャンパスですね。最終条件では余詰は有りませんでした。最初の条件でも解かせて余詰を見ましたが、DD++さんと渡辺さんは良くこの余詰を見つけたものだと感心しました。」
■検討力に定評のあるお二方から、きっちり指摘いただきました。
S.Kimura 「題名に助けられて、角で大きく絵を描けました。」
■推理将棋では題名がヒントになるケースが多いですね。個人的にこうしたタイトルは好みです。
はなさかしろう 「タイトル通りのふわんとした手順から豪快なフィニッシュでした。」
■これほど内容にマッチしたタイトルは少ないかもしれません。こういうタイトル、見習いたい。
竹野龍騎 「雄大だが、詰み形が見えたのであっさり解けた。」
■両王手と決め打てれば、手数は長くてもあっさり解ける問題でした。
隅の老人B 「角の動きが目まぐるしい。こんな手順をよくぞ考えたり、かな。」
■5筋での両王手物はけっこう作品があるのですが、この大きな手順は私にとって目から鱗でした。
ミニベロ 「居玉を5筋の飛車角からの両王手でし止める順は作図例も多いが、この条件で決まれば収穫でしょう。タイトルは大ヒント!」
■誰もが一度は手がける5筋両王手ですが、その中にあっても鮮度はバッチリ。
占魚亭 「これは簡単でした。角の動きがダイナミックで、両王手のフィニッシュがばっちり決まりましたね。」
■占魚亭さんもあっさり両王手に気付いた派?
はやし 「虫が良すぎる手順。確かに余詰がありそう。」
■う~ん。
たくぼん 「盤面にトンビがくるりと絵を描いた~ホ~イ~ノホイ 壮大な手順」
■いやぁ、長閑ですなぁ~
正解:20名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん 香箱さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん
占魚亭さん たくぼんさん 竹野龍騎さん 躑躅さん DD++さん
NAOさん 中村雅哉さん はてるまさん はなさかしろうさん はやしさん
はらたっとさん ミニベロさん 宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
取る駒を歩に限定しないと
▲56歩 △54歩 ▲58玉 △52玉 ▲78銀 △32銀 ▲79角 △31角
▲35角 △42角 ▲71角不成△51角▲53銀
まで13手で先手の勝ち
等の余詰が成立します。
投稿: 鈴木康夫 | 2010.11.04 14:33
ほぉ~、本当ですね。ご指摘ありがとうございます。
13手あると、かなりなことができる推理将棋。
次回出題も上級は13手なのですが・・・・(^^;
投稿: タラパパ | 2010.11.05 01:22
「等」と書きましたが、上記手順の手順前後以外の余詰は有りませんでした。
投稿: 鈴木康夫 | 2010.11.05 06:18