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推理将棋第38回解答(3)

[2010年11月4日最終更新]
推理将棋第38回出題の38-3の解答、第38回出題の当選者(中村雅哉さん) を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第38回出題  推理将棋第38回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


38-3 上級 DD++さん作     不成5回で12まで     11手

「隣の将棋、たった11手で詰んだのに5回も不成があったとは珍しいね」
「珍しいといえば、この短手数でトドメが12っていうのも妙な場所だよね」

(条件)

  • 11手で詰んだ
  • 不成が5回
  • トドメは12の手

出題のことば(担当 タラパパ)
  12の手で詰まそうとする時に邪魔になる駒を処分する必要が・・・・。

追加ヒント:
  先手角不成4回と、後手の不成が1回です。
  後手の香車を不成で動かしてください。


推理将棋38-3 解答  担当 タラパパ Suiri383_4

▲7六歩、▽3四歩、▲2二角不成、▽4二玉、
▲1三角不成、▽3二玉、▲3一角不成、▽4二飛、
▲同角不成、▽1七香不成、▲1二飛 まで11手

出題時に難問と謳った作品。その理由は、条件がとうてい達成できそうにないことによる難しさ。条件で目立つのは不成の回数。11手で詰む条件で、不成回数の最大値は恐らく7回。そして先手が指しうる不成の最大値は恐らく4回が限度です。出題条件が不成5回ですから、少なくとも1回は後手の不成。止めの条件に目を向けると、12の手とあります。ならば余程特殊な詰み形でない限り後手玉に22まで出てきて欲しい。それには最低3手かかる。加えて後手が不成まで指すとなると、もはやお手上げ?ちなみに、ここまでは私の第一印象です(笑)

悲観的な条件が揃っていますが、ここで別の角度から考えてみます。先手が不成を稼ぐには88角を精一杯動かすしかありません。しかし、角をすべて不成で動いたとき、角は12に利きを持てません。さりとて先手13歩の利きにに12飛と打つなどの平凡な詰上がりでは、今度は不成が稼げない。思い切って自駒の利きに12○と指すことをきっぱり諦めます。離し打ちを目指すのです。そんなことができるなら、32玉に12飛しかありえない。その利点は玉にかける手数が2手で済むこと。例えば11角不成と香を取って、32玉を12飛の離し打ちで詰ませるような形ですね。ただこの形は、31銀がネックになるのですが・・・・。

そこで更に発想を飛躍させ、推理将棋独特の合利かずのスーパー詰上がりを目指します。角を11に置く代わりに42に置くのです。玉を32へ送る必要がありますから、2手目に42玉として「76歩、42玉、33角不成、32玉、22角不成、14歩、31角不成、42飛、同角不成、13香、12飛」まで。素敵な順ですが惜しいかな、もう一度の不成が稼げません。しかし作意はこの先にあります。逃げて貰わなければ困る邪魔な11香。後手の代わりに先手が13歩を排除して、香の自由を確保し不成で走らせるのです。先手に13角不成の一手を稼がせるため、2手目に34歩と突くのが平凡ながら後手の好アシスト。

DD++ 「上級の1つ上用(第35回総評参照)に、と投稿したのに、まさか普通に上級で採用されるとは思いませんでした。結局上級を時々本気で難しくする方向になったのでしょうかね。さて、問題はこれを何人が解けるかですが・・・・。上級のせいで解答者減とかありませんように。」

■いえいえ、本気で難しくしようなどと(笑)しかし、本コーナー屈指の難問と、担当者も作者も解答者減を心配した本局、いざ蓋を開けてみれば意外な反応が。

躑躅 「条件を見てこの合利かずの形を最初に想定したので一瞬で解けました。」

■その直感に素直に脱帽です。

はらたっと 「すみません。最終手12飛打つできめうちしました。不成は先手4回後手1回で角を動かしていたら17香生に気が付きました。」

■はらたっとさんもまた、鋭すぎでしょう。

リーグ戦ファン 「42で角が飛を取って12飛 までの詰み上がり、が第一感だったので、不成4回には秒殺で到達。これじゃ足らないのか、あと一回の不成は後手だろう、この順に無駄なく絡ませるとしたら1筋の香、と考えたら、すぐに解がありました。「屈指の難局」の評価は甚だ疑問です。今回、この問題が一番時間がかかってません…。」

■あらら、「屈指の難局」があっさり否定されてしまった(^^;

香箱 「12飛打or生までは想定しやすい。2手目が見えれば。」

■こ、これが想定し易いですと?!

斧間徳子 「後手からの不成は88(99)角不成か、(32飛→)37飛不成かと思っていたら、香不成でした。2手目は、不成の回数を稼ぎ、かつ、玉を1筋に早く寄せたいので、42玉としたくなるところなので、34歩は意外に盲点でした。本作は解後感もよく、簡潔な条件でまとめあげられており、完成品と思います。」

■手順・条件ともに完璧といえますね。

渡辺 「最終手12からかずひでさんのツイン作の左右逆の詰み形を追うのは当っていましたが、最初は後手が13の方の歩を突いていたので生が足りなくて失敗。13を角で取ることを思いついて出来ました。」

■かずひで作は92飛と打つ11手作品ですが、指摘されるまで気づきませんでした。自分でも解いた作品なのに(汗)

中村雅哉 「これは難問。詰み形が浮ばないと手の付けようが難しい。とはいえシンプルな条件なのでいつでも考えられるのが良いですね。解けたのは歯医者での治療中でした(笑)。少ない条件でうまく手順限定できていて、詰上がりも緊張感のある好作。」

■私も今年は歯医者通いしました。嫌で嫌で・・・・って、違うでしょう(汗)

NAO 「難問でした。気持ちのいい詰み形。形は見えてもうまく捌かないと手数オーバーしてしまう。」

■形が見えるかどうか、それが第一の関門。次の関門が後手34歩でしょうか。

宮谷保可楽 「詰み形のイメージはできていたのだが、なかなかたどり着けず。追加ヒントを見た瞬間に、一気にゴールまで行ってしまった。12への利きを消す17香生は、目的こそ違えど前回の95香に似た感じ。」

■詰み形のイメージ、どうして皆さん、こうもきっちり出来るんでしょう?(汗)担当は捻り鉢巻した問題なのに。

鈴木康夫 「これも自力で解けなかったのでプログラムを組んで解かせました。余詰無しです。誰でも12飛までを連想するので粘れば解けたかもしれませんね。」

■鈴木さんには、この手があるからいいなぁ~(笑)完全作のお墨付きが出ました。

S.Kimura 「ヒントが出る前から、後手が1七香不成とすることと、先手が1二飛で詰ますことの可能性を考えていましたが、飛車をうまく取る手段が分からず、随分と悩んでいました。邪魔だった3一銀も消えて、この詰め上がりは素晴らしいの一言ですね。」

■こういう作品に出会うと、解けた時の爽快感が何ともいえません。

隅の老人B 「手順も妙だが、問題文も妙。不成り5回で香の動きが限定、上手いな。」

■ただ条件を稼ぐための香不成ではなく、12を空ける目的を併せ持つ手ですから解後感も爽快です。

はやし 「最終ヒントで解けた。ラッキー。」

■いやぁ、最終ヒント出しておいてよかった。

はなさかしろう 「第一感の詰め上がりだったのであっさり解ければこの上なかったのですが、2手目42玉と思い込んではまりました。後手が複数回の不成を指す可能性を考えはじめ、どんどん深みにはまってしまうところをヒントに救われました。かえりみて、この条件だけで限定できているのはなんとも美しいです。」

■皆さん、口を揃えてこの詰上がりが第一感とおっしゃる。本問、ほんとうに超難問だったのか?

ミニベロ 「まだこんなきれいな順が残っていたのか!古典の香りがする名作です。12の謎さえ解ければ、すべてが一瞬に氷解します。」

■渡辺さんが触れられたかずひでさん作に、古典の座は譲るかもしれませんが、こちらもまた佳局でした。

占魚亭 「難しい……ギブアップです。」

■難しいですよね。うん、絶対に難しいに違いない!(^^;

たくぼん 「これだけヒントをもらっても苦労するのだから超難解です。13角~31角が逆モーションで盲点になりました。」

■ようやくにして超難解の言葉が(^^;

はてるま 「最後の2手に推理将棋の醍醐味がぎっしりと詰まっている。名作でしょう。」

■こんな手順、推理将棋以外にはありえません。


正解:18名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  香箱さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん
  たくぼんさん  躑躅さん  DD++さん  NAOさん  中村雅哉さん
  はてるまさん  はなさかしろうさん  はやしさん  はらたっとさん  ミニベロさん
  宮谷保可楽さん  リーグ戦ファンさん  渡辺さん


総評

はらたっと 「今回は珍しく秒殺の連続でした。」

■難問揃いなんですけど・・・・。秒殺しないでもらえます?

リーグ戦ファン 「今回は、読後感のすっきりした好作揃いでした。「芸術点が高い」感じです。金銀が全く使われていないことからその印象があるのかな。3作を通して、後手の13歩がしっかり働いていますね。 」

■取られて働く手も含めると、たしかにおっしゃる通り。あまり活躍しない駒なのに(笑)

渡辺 「今回は論理より直観で先に手順が見えました。38-3の論理が自分の中ではまだ詰まっていません。余詰連絡もありますので早めに解答を送ります。」

■皆さんの評を拝見すると、殆どの方が直感。論理的な構築は難しいのかも。

中村雅哉 「夏休み氏作もDD++氏作も、詰み形が見えないと手の付けようがない。初級者には厳しい選題でした。」

■しかしながら、「難解ではない」との声が意外なほど多くて、戸惑っています。

宮谷保可楽 「前回の誤指摘、大変失礼いたしました。77歩は盤に並べていないからこそ起こった、完全な見落としでした。ただ私の疑問は、あの手順中、「73飛成は、飛成の王手なのか?」ということに尽きました。結果稿を見る限りでは、然りと判断したのですが、それでいいのでしょうか?」

■33玉に対して、77の飛車を73飛成とする手が「飛車による王手なのか、角による王手なのか」は解決途上の命題といえますが、条件が単に「飛成の王手」であれば、73飛成=条件合致に疑問の余地はないと考えています。

隅の老人B 「秋深し 隣はなにを する人ぞ?、ハーイ、推理将棋を考えています。」

■ハーイ、推理将棋の結果稿を書いてま~す。

ミニベロ 「全体的に難度も作品の水準も高めだが、今回こそ、難易度の評価がバラバラだと思う。」

■担当には”まさか”でしたが、そのとおりの結果でした。


推理将棋第38回出題全解答者: 20名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  香箱さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん
  占魚亭さん  たくぼんさん  竹野龍騎さん  躑躅さん  DD++さん
  NAOさん  中村雅哉さん  はてるまさん  はなさかしろうさん  はやしさん
  はらたっとさん  ミニベロさん  宮谷保可楽さん  リーグ戦ファンさん  渡辺さん

当選: 中村雅哉さん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知 らせください。

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