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知っておきたい推理将棋の各駒手筋 第2回 香の手筋

[2010年11月27日最終更新]
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知っておきたい推理将棋の各駒手筋  DD++

第2回 香の手筋

第1回が歩とくれば第2回は香の手筋なのですが、筆者としては非常に困る回です。というのは、香という駒は先手香を使うには手がかかりすぎ、後手香を取るにも非常に取りづらい位置にあるため、9手以内で香を有効に使うパターンは2つしかありません。そこで、今回の後半は思い切って9手の枠を取っ払って解説をします。ですから、「自分は初心者だから難しいことはいいや」という方は、1つめと2つめだけ読んで次の桂の回へどうぞ。

離し香に合駒なし

香は前方まっすぐどこまでも動くことができます。ですから、遠くから王手をかけて合駒なしで詰み、という形が現れることがあります。特に玉尻に攻め方角をおいてある形では王手と同時に角の紐にもなるので非常に相性がよく、9手以内で唯一攻め方が香を有効に使う手順になります。 『1-3 とどめは香(ミニベロさん作)』 として作品化されています。

玉方香打ちで逃げ道塞ぎ

もう1つ9手以内で香の有効活用は、 『新春-3 龍馬がゆく(リーグ戦ファンさん作)』 をご覧ください。攻め方が香を取りづらいといっても、玉方となれば話は別。攻め方が角を出動していれば、玉方は攻め方の香を角の一手で取ることができます。となれば、どうしても逃げ道を塞ぎたいところに香を打って無理やり塞ぐ方法が成立します。

また、香という駒は利きが狭いので、二歩の回避は困難だけど玉方の金や銀では守りが強すぎる、という場合にも使用されます。10手作品ですが、 『19-3 オーメンIII?(たくぼんさん作)』 では38の駒は斜め前に利きのない駒でなければならないのでまさにこの内容どおりの香打ちですね。

端筋の逃げ道塞ぎ(上級)

香はまっすぐどこまでもいけるので、攻め方が端歩を取りながら攻め込んだ場合に、香を進めて端の4段目や5段目の逃げ道塞ぎに使うことができます。この手筋は 『37-3 王手成(けいたんさん作)』 で初めて使用され、ベテラン勢が驚愕しました。端の逃げ道塞ぎということは玉は2筋か8筋にいなければ意味がないため、やや長めの作品でしかお目にかかることはないと思いますが、今後しばしば使われるようになると思われる手筋です。

玉方香特攻(上級)

これも攻め方が端歩を取りながら攻め込んだ場合の手筋で、「不成あり」とか「不成○回」という条件がついた時に17香不成から18香不成と不成回数を稼ぐ駒として使われたり、17香成を同桂と取って桂が出陣するための歩突きの省略に使われたりします。作品例としては 『38-3 不成5回で12まで(DD++)』 。この手筋は作意に使われる例は少なく、むしろ余詰順として現れやすいので、作家の方々は要注意な手筋です。

総括

香は初形位置故に9手以内では日の目を見ることはほとんどありません( 『11-2 油断大敵?(橘圭吾さん作)』 のような例はありますが)。しかし、2桁手数になると急にさまざまな活用法が現れ、作意に組み込むとたちまち難解化するという、推理将棋においては悪魔のような駒です。ここで引用した作品が中級~上級ばかりなのもそれを物語っていますね。

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コメント

珍しいですが、確か「玉方香打ちで玉方飛の横利き防ぎ」が9手でも可能だったと思います。

投稿: 渡辺 | 2010.11.27 04:05

例えばこんな感じですかね。
誰の作品だったかは記憶にありませんが。

▲7六歩 △3二金 ▲3三角成 △4一玉
▲4三馬 △9九角成 ▲6一馬 △6二香
▲5二金

投稿: ミニベロ | 2010.11.27 20:00

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