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推理将棋第39回解答(2)

[2010年12月3日最終更新]
推理将棋第39回出題の39-2の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第39回出題  推理将棋第39回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


39-2 中級 DD++さん作     金付き居玉の詰ませ方  10手

「この前金付き居玉のままたった10手で詰まされちゃった」
「両王手をかけられたのかな?」
「いや、トドメは駒打ちだったよ」
「じゃあ吊るし桂までか」
「いや、打たれたのは桂じゃない」
「え、本当に金付き居玉だったの?」
「うん、玉も金も最後まで初形のままだったよ」
「両王手でも吊るし桂でもない金付き居玉の詰ませ方ねぇ・・・」
「あ、そうそう、普通の将棋だったから不成の手はなかったよ」

(条件)

  • 10手で詰んだ
  • 玉と金は最後まで初形のまま
  • トドメは桂以外の駒打ち
  • 不成なし

出題のことば(担当 タラパパ)
  玉の両隣に金が二枚居ます。打った駒が桂馬でない詰み形とは?

追加ヒント:
  止めは先手の金頭に駒を打つ手です。
  「玉も金も初形のまま」は後手にも適用されます。急所は58の逃げ道塞ぎ


推理将棋39-2 解答  担当タラパパ Suiri392

▲7六歩、▽3二飛、▲3三角、▽4二銀、
▲2二馬、▽3七飛、▲6八飛、▽3九龍、
▲5八角、▽4八 まで10手

ことあるごとに言っていた居玉を詰める3つの手段が、(1)金に働く(取ったり動いて貰う)(2)両王手(3)桂吊るし。これに異を唱えてDD+さんが投稿してきたのが、たった10手で実現する第4の手段です。

さて、上記3手段を使わずに、居玉の両脇に金が居る形で詰めることができるとすれば、角香による合利かずか、詰方の龍又は飛によって金が動きを封じられた状態で、金頭か玉頭に駒を打つ手段しかないはずです。本問に関しては詰上がり形を予測することが解決の近道です。10手で作れそうな形はほぼ一つしかありません。後手の龍を39に置き、金頭に48角か48銀で詰める形。

そして後手の龍を39に置ける最速が8手ですから、それに準じた手順を進めます。この詰上がりには58を塞ぐ必要がありますが、後手にその手段を講じる余裕はなく、そこは先手がアシストしなければなりません。横利きのない駒を取って58に打つのです。

これらを纏めると「76歩、32飛、33角成、王手を防ぐ手、22馬、37飛成、68を埋める手か58角、39龍、68を埋める手か58角、48銀」までが決まります。

68を埋める手は何でしょう?28飛が居座ると止めの48銀を取れるため、飛車でなければならず、58角を打つ前の7手目に決まります。

ここにきて解答者は、4手目が限定しないことに気付きます。王手を防ぐ手段が複数あるからです。52玉、62玉、42金、42銀の4手段。非限定の不完全作?疑問を覚えながらもう一度出題文を読むと、「」。なんということ、先手だけの条件だと思っていた条件が後手にも生きて、42銀が限定しているではありませんか!

作者 「この例外が1度出題された以上また使われることはないと思うので、対居玉3種の手筋は今後もみなさん安心して使ってくださいね。『玉も金も最後まで初形のままだったよ。(先手だけじゃなく後手側も。)』 という4手目限定条件の隠し方は今でもお気に入りです。」

■たしかに再利用のしにくい手順。

リーグ戦ファン 「本作品の白眉は、極めて上質な叙述トリック。▲33角の王手に合駒する筋は非限定=ありえない、と思わせておいて、解いてみて初めて浮かび上がる条件表現の素晴らしさですね。理詰めの詰め筋とあわせて、私の中では推理将棋史上5本の指には確実に入る作品です。」

■解いてみて浮かび上がる条件。滅多に味わえない解後感です。

斧間徳子 「序の5手は、ありそうであまり見たことのない手順。「玉と金は不動」という条件で後手まで制約しているのがにくい。」

■私もこの5手に完全一致する作品は、見た記憶がありません。極めて珍しい筋でした。

香箱 「詰上がりが限られるのですぐ見えた。」

■そこが本作の良さの一つだと思います。

NAO 「さりげなく4手目を限定させているのが巧み。」

■実は作者の一番の自慢でした。

たくぼん 「後手玉と金も不動ということで42銀限定になるのを作者も喜んでいそうだ」

■これに気付いた作者はきっと、快哉を叫んだことでしょう。

S.Kimura 「はてるま手筋から銀打ちが見えたので、今回の問題では一番早く解けました。」

■見えてしまうと、どんなに難問であっても一瞬ということがある、推理将棋の特徴でしょうか。

渡辺 「タラパパさんの盲点を突いたのかもしれませんが、運良く「金に働く」という言い方をしているので、これも金をピンしているという意味では正しいですね。」

■いやぁ、「金に働く」は、「取る」「金が動く」の意味で使いましたから、きっちり一本取られたことを認めます。

ミニベロ 「既成順の延長のようだが、実は各部にオートマチック限定が利いていて、推理将棋として秀逸な作品だと思う。」

■42銀以外にもう一つ、68飛の自動限定が美味しい味でした。

はなさかしろう 「手数ぴったりはいつもながら水際立っていますが、まぁ収束はこうなるものかと。本作はなんといっても前半。どうとでもなりそうに見えて実は42銀が限定の一手。思わず含み笑いが湧いてくる感じ、まったくもって嫌いではありません(笑)」

■作者のほうは、含み笑いなのか、それとも高笑いなのか?

鈴木康夫 「一度解いたはずなのに、なかなか思い出せませんでした。」

■私にも同じ問題でまた、数日悩んだ経験があります(笑)

まさ 「条件から金をピンした形しかない。『玉金は最後まで初形のまま』が巧妙な条件で感心。」

■ふふふ。

はてるま 「金付き居玉という条件が「42銀」限定に働くのが隠れたうまみ。58角はまさにぴったり。前問と似た味わいがありますね。」

■収束が絶対なので、この隠し味には解いてから気づくんですね。「非限定があるけど・・・・あっ、限定だったんだ!」

宮谷保可楽 「39龍で銀を入手すれば、48銀と打てる。あとは必要な駒を揃えればよい。それにしても初めてではなかろうか。このコーナーで秒殺したのは…。」

■まさか、この問題が秒殺されるとは!

橘圭伍 「どうも解けても釈然としないのは確実に「玉金が初形のまま」という条件が先手側にしか適用されないように見える文章構成になっているからではないかと思います。ぱっと読むとこの条件が後手にも適用されているとは思えないのはやや問題でしょうか」

■誤誘導を図ろうとするミスディレクション系特有の微妙な表現ではあります。私なりの基準は、解けた答を問題文を照らし合わせて、はっきり”合致”と認識できればノープロブレム。照らし合わせても”合致しない?”と感じるならNGだと思っています。

躑躅 「後手の金と玉も動かないのかどうか問題文・条件から判断できなかったので4手目に迷いましたが、追加ヒントで動かないと明記されているので多分これでいいと思います。」

■はい、正解です。「先手に関しては、玉と金は最後まで初形のまま」と言ってない以上、条件は全体に適用されます。


正解:16名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  香箱さん  鈴木康夫さん  たくぼんさん
  橘圭伍さん  躑躅さん  DD++さん  NAOさん  はてるまさん
  はなさかしろうさん  まささん  ミニベロさん  宮谷保可楽さん
  リーグ戦ファンさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

先手、あるいは後手と断っていない条件は、全手順にかかります。
これは「最終持ち駒」「成り不成り」「王手回数」など、すべてと理解してください。

さすがにもうこれは定着しているとは思いますが、
新しい人も増えましたので、先月DD++さんと相談して、
「条件のお約束に関して、講座でもう一度おさらいをしよう」ということになっています。
今のDD++さんの講座のあとになると思います。

投稿: ミニベロ | 2010.12.03 10:35

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