« 詰将棋メモ(2011年1月28日) | トップページ | 詰将棋メモ(2011年1月29日) »

推理将棋第40回解答(1)

[2011年1月29日最終更新]
推理将棋第40回出題の40-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第40回出題  推理将棋第40回解答(1) (2) (3) (4) (5)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第40回解説  担当 タラパパ

正月用に5題。面白い作品を揃えることができたと思いますが、どうも思った以上に難しかったらしく、解答者ダウン新年スタートでした(泣) 担当として、この読み違いはいかにも痛かったですねぇ。出題数が多かったかなぁ?


40-1 初級 夏休みさん作   1度に8マス移動できる駒  9手

「隣の将棋は凄いね。一度に8マス移動する手を指したよ」(※)
「しかもその駒は、そのあとさらに動いたぞ」
「あれれ、9手で詰んじゃった」

どんな将棋だったのでしょうか。推理してください。

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 1度に8マス動いた駒が、そのあとさらに動いた

※ 例えば、99角が11に動く、19香が11に成るような動き。


出題のことば(担当 タラパパ)
  わずか9手で最大移動できる駒は一つだけ。その駒の邪魔をしないで。

追加ヒント:
  ・後手玉は居玉で詰みました
  ・1度に8マス動いた駒は92から動きました


推理将棋40-1 解答 Suiri401

▲7六歩、▽3四歩、▲2二角成、▽9二飛、
▲2三馬、▽1二飛、 ▲1四角、▽6二飛
▲4一馬 まで9手

「1度に8マス動いた駒が、そのあとさらに動いた?」。「ありえないだろう!」と叫びたくなる突飛な条件が、否が応にも解図欲を刺激してくれます。たった9手の短手数の中で、8マス動いた上に、更にもう一度駒が動くなどということが可能?

もしも可能であるならそれは飛車に違いありません。先手の飛車が8マス動こうとすると、歩を突いて角を逃がして、28飛が3回動いておしまい。ですから誰にでも、それが後手の飛車だと推測ができますが、二段目を素通しにしたまま一段玉を詰ませる手段なんてある?

足の長い馬だからこそ実現できる手順があります。その手始めが5手目の23馬。14角と足し算して、2段目を越して41金に狙いをつけてやれば、後手もこれに呼応して、きっちり62飛で協力体制がとれます。

いってみれば一発芸ですが、これこそが短編の理想といえます。なんとも爽快かつ驚愕の技。9手1条件屈指の名作で、夏休みさん、前回余詰のリベンジを果たされました。
ちなみに詰みの条件で角を8マス動かそうとすると、そこだけで10手を要し、”更にもう一度動く”はできないようです。

橘圭伍 「単純な条件で全部限定出来ているのは美しいですね」

■条件、手順ともに美しい9手でした。

ミニベロ 「後手の飛車の動きを指定しただけですべて限定できるとは、今どき9手1条件は貴重品です。」

■9手1条件の貴重さ以上のものがあるかと。

はてるま 「これはいい。私好み。とっつき易くユーモアもある小品ですが、14角なんて巧まず見事に限定されているものですね。感心しました。」

■9手でユーモラスまで感じさせてくれて、夏休みさん、会心の作品ではないでしょうか。

DD++ 「これは渡辺さんの制作講座を見て作ったのでしょうか。「後手にやりにくいことをさせる」のがそれっぽい香り。飛をもう1度動かすことで7手目32角や52角も消して1条 件、お見事!」

■「やりにくいことをさせる」のは有力な創作手口ですものね。しかしこの条件は上手い。

渡辺 「後手飛を動かすために22の角を素早く取って退く、と考えるとこの筋(と53角上成の筋)に辿りつくのは早いが、飛がもう一度動いたで限定されるのは巧い!23-1の作者 として完敗です。」

23-1は本局の62飛が銀に変わるだけで、ほぼ同じ形で詰上がる作品。こう綺麗に決められては、さすがの渡辺さんもシャッポを脱がざるをえませんでした。

斧間徳子 「後手の飛車は元気があり余っている感じ。23馬~14角がいい味。」

■元気よすぎて勝手に動いた挙句が、最悪の62飛ってわけですね。

中村雅哉 「1条件にまとめたのは見事。」

■しかも覚え易い条件。

NAO 「シンプルな条件で、飛車の右往左往が表現されてますね。」

■無駄手活用術の見本的な作品でした。

はらたっと 「8マス動かす駒は何か。詰めれそうな感じなのはやっぱり後手の飛車だよなあ。」

■他に候補がないところがまたいいんですよ。

S.Kimura 「9二飛とわざわざ寄るのも驚きましたが、1四角も意外でした」

■継続手として14角は最高の打ち場所でしょうね。

はなさかしろう 「後手の手数を稼ぐ飛車移動で▲31馬~32角のような余詰も解消。シンプルで解き易く綺麗な条件づけでした。」

■居玉を2枚角(馬)で詰ませる手順はたくさんあるのですが、他の筋をひとまとめに消して、一番素敵な手順を残しました。

たくぼん 「邪魔にならない23馬が上手い一手。これは良く出来ている」

■ここまで絶賛された9手は、あまり覚えがありません。


正解:13名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  たくぼんさん  橘圭伍さん  躑躅さん
  DD++さん  NAOさん  中村雅哉さん  はてるまさん  はなさかしろうさん
  はらたっとさん  ミニベロさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

|

« 詰将棋メモ(2011年1月28日) | トップページ | 詰将棋メモ(2011年1月29日) »

推理将棋」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 推理将棋第40回解答(1):

« 詰将棋メモ(2011年1月28日) | トップページ | 詰将棋メモ(2011年1月29日) »