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推理将棋第40回解答(3)

[2011年1月31日最終更新]
推理将棋第40回出題の40-3の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第40回出題  推理将棋第40回解答(1) (2) (3) (4) (5)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


40-3 中級 DD++さん作    上から打つべし       13手

「昨日面白い将棋を見たんだ。」
「ほう、どんな将棋だい」
「まず5手目に1段目に駒を打って王手がかかったんだ」
「なんか嫌な予感がするぞ」
「続いて9手目、また1段目に駒を打って王手がかかったんだ」
「この話の流れはいつもの・・・」
「そして13手目、1段目に駒を打って詰んだんだ」
「えっ、もう詰んじゃうの?」
「ちなみに、52に着手されたのは金だけだったよ」

(条件)

  • 13手で詰んだ
  • 5手目から4手毎に1段目に駒を打つ王手があった(5、9、13手目)
  • 52に着手されたのは金だけ

出題のことば(担当 タラパパ)
  40-2よりも歯ごたえあり。8~9手が詰将棋にはありえない組手筋。

追加ヒント:
  ・角で2段目の駒を取る手があります
  ・10手目は同玉


推理将棋40-3 解答 担当 タラパパ Suiri403

▲7六歩、▽3四歩、▲2二角不成、▽4二玉、
▲5角、▽3二玉、▲3一角不成、▽4二金、
▲4銀、▽同 玉、▲4二角右不成、▽5二金
▲3金 まで13手

短手数とはいえ、シリーズの中で意外に厄介なのが本局。4手目62玉では51角に72玉と、どんどん攻駒から遠ざかってしまいそうです。一方42玉に51角なら、32玉と寄れる。 そしてそのためには22角は不成でなければならない。条件に成・不成の記述がないことにも納得できるとなれば、こちらがビンゴでしょう。もっともこうした読みは、51角を 取らないだろうという前提ですが。

31角不成の次は、21か41に銀を打たなければなりませんが、33桂では21銀のあと取れる駒ができません。ですから42金はこの一手。41銀、同玉で玉を下段に落として、42に上がった金を右角で取って収束します。もちろん角は不成。52を塞ぐ駒は条件から金です。

42金、41銀、同玉の応酬は推理将棋ならでは実現できる小粋な手筋でした。41銀を同金と取られると、相手に持駒を提供するだけですから、決して詰将棋に現れることはあり ません。推理将棋であれば、41同金と取らせることもできそうですが(^^)果たしてどうでしょうか?

「52に着手されたのは金だけ」の条件は、一見やぼったいようですが、これが実に様々な余詰消しになっています。例えば

  76歩、34歩、22角生、62玉、51角、同金左、31角生、42金、51銀、52玉、42銀生、62金、51金 まで。
  76歩、34歩、22角成、62玉、51角、52玉、31馬、72金、61銀、51玉、72銀成、52金、61金(41金) まで。

橘圭伍 「これが一番出来が良いと思いました。成生に言及しないで手順が限定されている点が特に秀逸」

■作者がニンマリするのはこんな時。

ミニベロ 「42金、41銀は、詰将棋の手触り。」

■詰将棋では絶対にあり得ないにもかかわらず、この妙手感はまさに然りなんですよね(笑)。

はてるま 「7手目まではほぼ必然ですが、その後で迷いました。「角で2段目の駒を取る」のヒントは11手目のことだったのですね。(さすがに3手目のことではないよなー 、と思っていましたが。)短いですが、難易度はシリーズ中一番でした。」

■おお~っとぉ!3手目も「角で2段目の駒を取る」でした(汗)忘れていました、ヒントにならないじゃん(大汗)。

DD++ 「左からを作ったら鈴木さんに右から(40-4)をやられたので、じゃあ、と作った問題。成生限定条件がないので、勇んで22角成とするとハマります。やっぱり角で玉を捕 まえておくには不成でないと。ちなみに、制作時一番悩んだのは条件でも会話でもなく、「これは上からなのか?下からなのか?」という点だったり(笑)。」

■その悩み、よ~く判ります。詰将棋で11玉に19香と打った時、「下段玉に下段から香を打った」が正しいでしょうが、そうは書きにくいものです。

渡辺 「成生の条件がないのは何故?と考えると作意に早く辿り着く。それにしても成ると詰まないのが不思議。「上じゃなくて腹だよ」と題名に突っこみたくなる最終手が意外 でした。」

■そこはやはり突っ込まないと。31金はタイトル違反だそうですよぉ~!DD++さぁん。

斧間徳子 「42金が気づきにくい妙手。」

■41銀とセットで妙手といえそう。

中村雅哉 「明らかに6手目31銀を取るしかない。するとどうやって3手目成生を限定するのか?という点が推理の糸口になりました。」

■やはりねぇ~。これが直線的に作意に迫る、解答強豪の所以なんですよねぇ。

NAO 「上からだと攻め駒が近いから短手数で詰みますね。金の動きが絶妙。」

■一段目の王手って、いかにも窮屈ですものね。

たくぼん 「42金、41銀の応酬が暗算では見えなかった。一番最後まで残りました。」

■手を続けるにはこれしかない。そうした手順なのですが、切れそうな細い糸を繋げる不安感がありますね。

はらたっと 「1段目に打つ手は意外に狭く一気に解けました。」

■推理将棋の創作はある面で、狭さの創出なのかもしれません。特に長編では最近そう感じます。

S.Kimura 「収束に悩みましたが、駒3枚で囲むとは思いませんでした」

■でも重たさもなく連携バッチリですよね。

鈴木康夫 「52の着手は金だけという条件を満たすのが難しかったです。」

■52玉とできたらなぁ~、と思いました?

はなさかしろう 「あれ~この辺のはずなんだけど、例の店、どこにあるんだろう...と、番地を見たりしながらうろうろする感じの解き心地でした。」

■ふふふ、わかるわかる(^^)

占魚亭 「5→4→3と王手する筋が移動していくのが面白い。」

■なるほど、それは気付きませんでした。


正解:15名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  鈴木康夫さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  橘圭伍さん  躑躅さん  DD++さん  NAOさん  中村雅哉さん
  はてるまさん  はなさかしろうさん  はらたっとさん  ミニベロさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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