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推理将棋第40回解答(5)

[2011年2月4日最終更新]
推理将棋第40回出題の40-5の解答、第40回出題の当選者(はてるまさん、みやさん) を発表します。です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第40回出題  推理将棋第40回解答(1) (2) (3) (4) (5)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


40-5 上級 渡辺秀行さん作  とどめは初手の跡地     10手

A君「10手で詰んだ変な将棋を見たよ。これが終局図さ」
B君「あれ?僕が見たのも10手で全く同じ終局図だよ。最初の図はどうだった?」
A君「もちろん、この図さ」
B君「おっ!僕が見たのも全く同じだよ!これは奇遇だねぇ」
A君「何を馬鹿言ってるんだよ。最初の図が同じなのは当たり前だろ!」
B君「あっ、そうか。では3手指した図はこれだったんだけど」
A君「僕が見たのも同じだよ。とどめの着手は初手に着手した駒の元の位置だったんだ」
B君「つまり初手が26歩だとすると、その歩の元の位置は27だからとどめは27ってことだよね。僕も同様だったよ。あと、先手が最後9手目に大駒を打ったのを見たよ」
A君「そうか、僕は6手目に後手が自陣の駒を動かして成っていたのを見たね」
B君「ということは飛角香のどれかを4マス以上動かしたってことか」
A君「そういうことになるね」

(共通条件)

  • 10手で詰んだ
  • 3手指した局面も、終局図も、他方の見た将棋と同じ
  • 最終手の着手地点は、初手の着手駒の元の位置

(A君の見た将棋の条件)

  • 6手目は自陣からの駒成

(B君の見た将棋の条件)

  • 9手目は大駒打ち

A君の見た将棋とB君の見た将棋は、同一ではありえません。
両方の手順を答えてください。


出題のことば(担当 タラパパ)
  なぜ駒成をわざわざ”自陣からの”と謳ったのでしょう?

追加ヒント:
  ・実はこの問題、ヒント?に溢れているのです。まず簡単に推理できること。
   (1) B君の見た将棋で後手は、駒を何枚取る必要がある?
   (2) A君の見た将棋で、6手目に成った大駒を特定しましょう。
   (3) A君の見た将棋で、6手目に成った場所を特定しましょう。
  ・ズバリ!B君の見た将棋の9手目は88角


推理将棋40-5 解答 担当 タラパパ Suiri405

(A君の見た将棋)
7八金、▽3四歩、▲7六歩、▽3三角、
▲6八飛、▽7七角成、▲4八銀、▽7八馬、
▲5八飛、▽6九金 まで10手

(B君の見た将棋)
7八金、▽3四歩、▲7六歩、▽8八角成、
▲5八飛、▽4八角、▲同 銀、▽7八馬、
8八角、▽6九金 まで10手

たった数行の出題文ですが、実は充分なヒントがあります。ただ別の将棋の条件を、こちらの将棋の参考にするといった、普通の推理将棋とは毛色が違う問題だけに、考えが 纏まりにくい難問でした。この作者の十八番なのですが、担当もいつも痛めつけられています。

さてA君の見た将棋の6手目、「自陣からの駒成」は飛車でしょうか、角でしょうか?

それが飛車であった場合、およそ次のような類の手順しかありません
  (1) 76歩、32飛、33角成、同飛、68玉、37飛成・・・・・・。
  (2) 76歩、44歩、同角、42飛、53角成、47飛成・・・・・・。
どちらの手筋を使うにも初手76歩が必然ですから、最終手は77地点の着手。少なくとも玉が68に、止めは77に跳ねた桂を取る手になりそうですから(2)は問題外。またB君の「9手目は大駒打ち」条件から、詰んだ形は先手に大駒が2枚以上ある形。となれば、(1)の手順の次の手は37同桂で、9手目が飛打ち。手数をかけて成った飛車を 取られるようでは、止めの77着手はおろか、先手玉を詰ませることなど到底できません。

従ってA君の見た将棋の6手目、自陣から成った駒は角です。後手は馬を作り駒を取り、馬と取った駒とを連携して詰めたのが最終図と考えられます。この時に後手は先手の角を取ることができません。それを打つ余裕がない(先手が大駒2枚持てない)からです。

B君が9手目に打ったという大駒は何でしょう?誰もが角と推測しそうですが、一応飛がないことを検証してみます。

先の手順のように後手は自陣の飛車に手数をかける訳にはいかないので、先手が飛車を取ったなら後手陣。それも初手に76歩を突き、5手目に取るしかない。例えば
  (3) 76歩、32飛、33角成、42銀、32馬、88角成・・・・・・。
77には89桂の利きがあります。やはり77着手で詰上げる条件にはほど遠く、ましてや同一詰上がりの別局など作りようがありません。

こうして先手の打った大駒が角と決まれば、A君の見た将棋で後手の着手は
  34歩~88角成~角打~駒取り~駒打ち
A君の見た将棋で後手は他の駒を動かしていませんから、B君の見た将棋でも他の駒は動かせません。また後手は角を取れないのですからB君の見た将棋は
  34歩~33角~77角成~駒取り~駒打ち
といった結論がほぼ導き出せます。B君の見た将棋、なんと後手は33角の待ち手を指しているのです。

では両局の8手目、駒を取った位置はどこ?77からも88からも動ける場所で、詰に有効な駒が取れる場所といえば78しかありませんね。そしてB君の見た将棋では、先手88角は事実上動きようがありませんから、A君の見た将棋で先手が打った大駒の手とは、88に角を打つ手です。ベテラン解答勢の中でも、すっと簡単に解かれた方は、問題を眺めたとたんにこの手(先手88角)を予測していた模様です。経験から来る勘でしょうが鋭いものです。

ここまでくれば、初手78金も他に考えられないところ。あとは止め(69金)の着手をアシストすべく、うまく先手が58と48を塞いでやれば解決。58飛、48銀ですね。

以上は担当の解図過程ですが、他のアプローチもありそうです。片や駒を打ち、片や駒を打たないなら、打たないほうの手順に遊びがあって当然ですし。

橘圭伍 「A君の条件と合わせてB君が打った大駒が88角だと推測できるかどうかが鍵でしょうね 。これは推理要素も満載で正に推理将棋の名に相応しい作品だと思います」

■本格的に推理を楽しむなら、こうした作品が一番かもしれません。

ミニベロ 「57・47への銀打ちを読まされました。」

■担当が解いた時は全く紛れに入ることがなかったのですが、殆どの方が初手56歩の紛れに陥ったようでした。難度を見誤った原因かも(汗)

DD++ 「30-2,3で渡辺さんの同一局面のやり口は既に見抜きました(笑)。「自陣から」は単純に無駄手を33角に限定する意味だけでなく、「56歩、74歩、76歩、88角不成、58 玉、79角成、同金、48角、69角、57銀」(1手順で両方満たせる)や「56歩、74歩、76歩、77角不成、48玉、68角成、59金左、79馬、58玉、57銀 & 56歩、74歩、76歩、88角成 、58玉、59角、同金左、79馬、88角、57銀」の余詰消しの役割もしていて、うまいもんです。」

■「自陣から」には深い意味があったのですねぇ。出題時、そんなに深いところまで考えませんでしたが。

斧間徳子 「ただでさえ2局セットのものは難しいのに、なぜか初手56歩とばかり思いこんでしまったため、解くのに苦労しました。初手78金(68金)では?と考えたら、割と すぐ解けました。もっとも、「なぜ駒成をわざわざ"自陣からの"と謳ったのでしょう?」のヒントがあったからこそ解けた感じがします。手順は両局とも濃密な好手順。」

■DD++さんの評を拝見すると、ちょっとピント外れ感のあるヒントでしたが(汗)

中村雅哉 「B君の9手目は88角と決め打ちして解きました。飛躍した手がないので地味な印象。」

■う~ん、ズルイ! つうか、勘が働きすぎ。

NAO 「方針が立てにくく難問です。はじめ初手56歩に決打ちしたため苦戦でした。条件3)に加えて、「最終手は初手の着手駒と同種駒を着手」だったとは!」

■そうか、それを追加ヒントにしたら良かったかも。

たくぼん 「最終ヒントの前に何とか解けました。初手56歩の紛れにどっぷりと嵌りました。」

■たくぼんんさんも、この紛れに入りましたか。

S.Kimura 「頼みの第2ヒントも予想していたことでした。79角成→57銀の詰みを予想するもののA君とB君を両立させる答えが見つかりませんでした。」

■どうもヒントの出し方が下手なようです。もっと決定的なヒントを考えないと(^^;

はなさかしろう 「弁当箱に御菜を外枠から詰めていく感じ。この手数なら見た目ほどは難しくはないのですが、普通の推理将棋とは考え方が少し違う気がしました。」

■ピッタリな比喩ですねぇ。最後に梅干を乗せて、お弁当完成ってとこでしょうか(^^)


正解:9名

  斧間徳子さん  たくぼんさん  橘圭伍さん  DD++さん  NAOさん
  中村雅哉さん  はなさかしろうさん  ミニベロさん  渡辺さん


総評,

DD++ 「今回は出題当日午前に全部解けましたのでタラパパさんを一安心させることができそうです。よかったよかった。」

■う~ん、一安心とも行かなかったようで・・・・残念。

橘圭伍 「非常に易しい5題でした。5)は特に名作ですね」

■しかし難しかったようで(汗)

渡辺 「4手毎に駒を打つ問題は手の広がりと制限のバランスがうまく取れて良いですね。今回は5番が自作なので楽でした。」

■同感です。ブーム化したのも、DD++さんのアイデアが優れている証拠。個人的には解く側のとっつき易さが魅力と感じています。

ミニベロ 「手数長めで、解答者減が心配。2か月あるからたっぷり遊べると思えばいいんだけど。こっちは忙中閑なしで、やっと解答に手をつけました。これから車で京都です。雪が心配。」

■2ヶ月遊べる問題をと考えたのですが、さすが前担当者、解答者減の予想が当たってしまいました(泣)

中村雅哉 「半分以上は知っていた作品なので助かりましたが、公平に見て新春出題としては難しすぎですね。新年早々なかなか解けないとがっかりすると思うので、できれば お屠蘇気分で解ける超簡単な作品(できれば一桁手数)を並べて欲しいです。」

■なかなか一桁物がなくて・・・・。集めにいかないと。

NAO 「今回は、シリーズ3作とも妙手順あり楽しませていただきました。」

■それぞれの好手順、まったく上手く出来ているものです。


推理将棋第40回出題全解答者:16名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  鈴木康夫さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  橘圭伍さん  躑躅さん  DD++さん  NAOさん  中村雅哉さん
  はてるまさん  はなさかしろうさん  はらたっとさん  ミニベロさん  みやさん
  渡辺さん

当選: はてるまさん、みやさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知 らせください。

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