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推理将棋第40回解答(4)

[2011年2月2日最終更新]
推理将棋第40回出題の40-4の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第40回出題  推理将棋第40回解答(1) (2) (3) (4) (5)
  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


40-4 中級 鈴木康夫さん作  右から打つべし       29手

「昨日面白い将棋を見たんだ。」
「ほう、どんな将棋だい」
「まず5手目に1筋に駒を打って王手がかかったんだ」
「いきなりか、急戦だな」
「続いて9手目、また1筋に駒を打って王手がかかったんだ」
「変な王手が好きなやつだな」
「そして13手目・・・」
「おいおい、13手目以降も4手毎に1筋に駒を打って王手がかかったなんて言わないだろうな」
「よくわかったね。ちなみに29手目で詰みだったよ」
「あきれた将棋だな」
「ちなみに、成る手はなかったね。先手の取った小駒は金が1枚のみだったけれど、その金は打った後動くことは無かったよ」

(条件)

  • 29手で詰んだ
  • 5手目から4手毎に1筋に駒を打つ王手があった(5,9,13,17,21,25,29手目)
  • 成る手なし
  • 先手の取った小駒は金が1枚のみ
  • 金は打った後動くことがなかった

出題のことば(担当 タラパパ)
  金は取れる形を作り満を持して取ります。収束が上手くできています。

追加ヒント:
  ・12手目は金の着手です
  ・止めは角を打つ手ですが、35からの逃げ道をどう塞ぐ?


推理将棋40-4 解答 担当 タラパパ Suiri404_2

▲7六歩、▽3四歩、▲2二角不成、▽同 飛、
五角、▽4二飛、▲同角不成、▽同 玉、
二飛、▽2二角、▲同飛不成、▽3二金、
五角、▽3三角、▲同角不成、▽同 玉、
五角、▽2四角、▲同 角、▽同 玉、
五角、▽同 玉、▲3二飛不成、▽3六角、
1六金、▽2四玉、▲3六歩、▽1四角、
五角 まで29手

おそらく”打つべし”シリーズ3問の中で、一番難しいのがこの作品。1筋攻めの手順は先手22角が残らない(残すと玉が33から出られない)ので、9筋攻めよりも更に手数がかかります。

解答者はまず「先手が金を取った」という課題を克服しなければなりません。素直に考えれば金を取るには、51玉に対して15角、42金、同角とするか、42玉に対して12飛、32 金、同飛とする手順です。金を質に入れるチャンスは、51玉か42玉の瞬間しかありませんから。ところが困ったことに、これら手順で42や32で金を取っても、次に1筋からの王手がかけられません。これが最初の謎。

移動合した駒はすぐに取る。先入観に陥り易いところですが、これは必ずしも真理ではありません。12飛、22角合、同飛、32金と、ここでは金を質にするだけで満足し、15角 と課題をクリアする時間差手段があります。このことに気付かないと、本問は不可能問題になってしまいます。

15角には33角合とする作意の他に、24角合、同角、同歩、32飛、同玉、14角と進めるような紛れもあります。最後の条件から金打は最終手ではなさそうだと考えれば、16金、 24玉、15角で詰める順を目指すべきでしょう。もちろん最終手が金を打つ手だとしても、「金は打った後動くことがなかった」に違反するわけではありませんが、そうした手 口はあまり使わないものです(笑)

止めを15角と決め打てば、解決への道は容易に開けます。14を塞ぐには後手がここを14角と埋めるしかありませんし、もう一つの逃げ道35を塞ぐ課題も明確。36角、同歩(実際は直ちに同歩とは取れませんが)とする妙案も浮かぶというものです。

橘圭伍 「収束の仕方が面白いですね。歩頭に角を打つ辺りは特に」

■この手が出て、収束が締まった感があります。

ミニベロ 「忙中閑あり。」

■なんだか哲学的で、返し技に悩むコメントですが、金を質に入れておきながら、放っておく感触をたとえました?

はてるま 「32金が発見できればあとはリズムに乗りますが、36角が推理将棋らしい手筋ですね。硬軟織り交ぜた、適度な難易度の、中編の傑作かと思います。」

■32金と36角、いい味を出したと思います。

DD++ 「mixi で出された当初は2筋に金をおびき出す必要があると思い込んでだいぶ悩んだ記憶があります。22角合に同飛で32金合として質駒にするなんて方法があったとは。 後手の角打ちが、36角といい14角といいうまいこと筋悪な手があるものだなぁ(笑)」

■担当も実はまったく同じ箇所で悩んだ記憶があります。意外に見えないんですよね質駒放置の手筋。

渡辺 「条件から一枚しか取れない金を途中で手放さなければならないのが辛いところ。詰み形はほぼ予想が着きますが、逃げ道を塞ぐ歩のところに予め置いておく36角が推理 将棋ならではの一手。」

■おっしゃる通り。

斧間徳子 「40-2と同じく、収束がきれいで引き締まっている。」

■終わりよければ全てよしとは詰将棋で引用される格言ですが、長編推理将棋でも同じことがいえます。

中村雅哉 「15からの角打角合は既視感があるのでやや印象が弱いものの、12手目32金は気付きにくい妙手。」

■おそらく本問で最大の謎でした。気付かないんですよ、これが。

NAO 「21手目以降の応酬は緊張感があります。」

■その前にも緊張感ありませんでした?(笑)

たくぼん 「36角!からの収束は短編の切れがありますね」

■測ったような妙手とは、このことでしょう。

はらたっと 「手順長いですが一本道ですね。一旦後手に角2枚渡すので退路を塞ぐ手を考えたら36と14が見えました。」

■難解ではないと思われますが、他局と較べると紛れもあり、一本道とまではいえないような・・・。

S.Kimura 「3六角があるのなら、打った金が動かないという条件も納得です」

■打った金が動くと何があるのか、実は担当者判っていなかったりします(汗)

鈴木康夫 「40-2に触発されて作りました。コンピュータで4手置きに1筋から駒を打つ手順を出力させました。成りを許すと最短23手で詰んで最後が打ではなくなるので味が悪 いです。したがって、成りは無しにしたところ最短は29手になりました。金駒を取る手を無制限にすると多数の手順が有るので金を1枚だけにしたところ2通りになったのでそ の一方を作意にしました。先手の取った「小駒は金1枚」ですが「金駒が金1枚」でも限定できています。」

■シリーズ作はぜんぶ最終駒打ちまでですから、23手というと仲間入りできないかも(笑)鈴木さんの作品はコンピュータ検討ができているので、安心して出題できます。

はなさかしろう 「このシリーズは導入部の必然性が高いので取り組み易いのですが、本作も収束がユニークで面白かったです。」

■小駒条件で止めを15角にした作者のファインプレーでした。


正解:14名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  鈴木康夫さん  たくぼんさん  橘圭伍さん
  躑躅さん  DD++さん  NAOさん  中村雅哉さん  はてるまさん
  はなさかしろうさん  はらたっとさん  ミニベロさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

打った金が動けるようにすると24手目以降
26角、16金、24玉、26金、14角、15角までの余詰が生じます。
36歩の方が26金より意外性が有るので、こちらを作意にしました。

投稿: 鈴木康夫 | 2011.02.02 06:38

なるほど、26金と動いて35を押さえる手が!
私にとっては意外性は逆でした。そちらを条件にされたら、解けなかったかも(汗)

投稿: タラパパ | 2011.02.02 15:46

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