推理将棋第42回解答(1)
[2011年3月26日最終更新]
推理将棋第42回出題の42-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第42回出題 推理将棋第42回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第42回解説 担当 タラパパ
突然襲った未曾有の大災害。このコーナーの常連さんの中にも影響を受けた方がいらっしゃるのではないかと心配しています。そして今回、国民全体の復興へ向けた結束と、人間の大きな温かさにたくさん触れた気がします。頑張れ、日本! 頑張れ、東北! 我々はどこの国よりも強い。
さて今月で担当最後の解説になります。今まで解答くださった方、作品を寄せてくださった方、拙い解説にお付き合いいただいた皆様に感謝いたします。来月からいよいよ実力者、DD++さんを担当に迎えます。楽しみですねぇ(^^)
42-1 初級 魚熊さん作 京都府の将棋 7手
「『京都府の将棋』を指したんだって?」
「いや単に7手目に相手の香の頭に歩を打っただけなんだけど」
「なんだ『香頭歩』か」
「成る手はなかったし、同じ人が1つの筋の手を2回指した事もなかったよ」(条件)
- 7手目に後手の香の頭に歩を打った
- 成る手なし
- 先後とも1つの筋の着手は1回だけ
※解答は7手目までの手順を求めています。言うまでもありませんが最終形は詰みではありませんので、お間違いのないよう。
出題のことば(担当 タラパパ)
ご当地ソングならぬご当地推理将棋。さっと片付けましょう。
追加ヒント:
なし。
推理将棋42-1 解答
▲7六歩、▽3四歩、▲6六角、▽4四角、
▲9三角不成、▽1七角不成、▲1二歩 まで7手。
推理将棋の初級は、問題を読んで1分以内に解けるくらいが理想だと思っています。初級の大きな役割の一つが啓蒙ですから。ところがなかなか1分以内で解けて、パズルとして成り立つ作品がありません。古い問題を遡ってみると「3-1 玉以外の駒も詰ましてみよう」なんて、私の担当ではありませんが、面白い出題でした。
さて、中級や上級の問題も、みな基礎の上に成り立ちます。「最短で○○をする」をテーマに自分で問題を考えて、解いてみたりすると、随分と解図の基礎訓練になるかと思います。最短で成駒を作るには?最短で飛車を成るには?最短で桂馬を取るには?・・・・等々。
一つの手順を見つけたら、同手数で別の手順はないか?と考える。更に進めて自分で適当に付けた条件(不成ありとか、1つの筋だけとか)に合致する最短は?なんて。きっとその中に、いやに面白い手順が見つかるはずです。そんな時にどうするか? 決まっています。条件をつけて、おもちゃ箱に投稿しましょう(笑)
初級問題は、そんな基礎問題。香頭に歩を打つだけなら、16歩又は96歩から歩を突き合う筋で最短6手。しかし単独で問題にはなりにくい手順。そこで追加条件をつけて手数を増やしてやる。これも一つのテクニックです。6手でできることを7手でするのですから、無駄手を含む複数手順があります。その中で作者が選んだのが「先後とも1つの筋の着手は1回だけ」条件。
香頭に先手が歩を打つためには、その筋にある自分の端歩を消す(自分で成る、後手に取ってもらう)、歩を入手する、の2つの要件が要ります。97歩を3手で取ってもらうには、先手が76歩を突き、後手が34歩~88角不成~97角成とすればよいのですが、これでは先手が歩を入手できません。すると端歩を突き合う手順でないなら、34歩~44角~17角不成のルートしかありません。その間に先手が3手かけて歩を取るには? いくつか手段がありますが、「先後とも1つの筋の着手は1回だけ」条件を満たすには、後手と同じ軌道で93歩を取る順しかありません。
そこで私も同じテーマで別手順を考えてみました。3つ目の条件だけ変えて「先手は2つの筋の手だけを指した」なんてのはどうでしょう?
KG 「先後同じ手で気持ちいいですね。」
■はい、先手と後手は仲良しですから(笑)
NAO 「ご当地京都出身の魚熊さんならではの設問。先後同型に進むのはちょっと意外。」
■そうか!魚熊さん、京都出身でしたか。ご当地推理将棋はご当地作家が作らないとネ(^^)
DD++ 「互いに歩を取らなきゃいけなくて条件も対称なら真似将棋になるのが常道でしょう。問題を読み終える前に解けたので所要時間は一目未満? でもやっぱり初級はこうでなくちゃ。」
■そうなのです。初級のコーディネートはこうでねえと。
斧間徳子 「呆気なく解けてしまったためか、「京都府の将棋」という題名以外に良さがわかりませんでした。」
■出題者は初級にあえて良さを求めてなかったりして(^^;
渡辺 「角の軌道が色々ありそうですが「同じ人が1つの筋を2回指さない」で限定されるんですね。」
■96歩~97~53角不成は9筋がダブリ。76歩~44角~53角不成は、後手に44角を取られてしまうんですね。
はらたっと 「詰みじゃない形が苦手な私でも一目わかりました。」
■私も詰みでない形って、実は苦手なんです。
中村雅哉 「まずは肩慣らし・・・・という感じ。」
■コーディネートはこうでねえと。しつこい!って
たくぼん 「題名の駄洒落に座布団1枚」
■魚熊さん、あと9枚貯めてください。
鈴川優希 「先手の6六角がうまく限定されていますね。二歩解消と歩の入手が鍵でした。」
■おお!鈴川さんといえば、担当が将来の看寿賞有力候補とみる若手作家。最後の担当で嬉しい初解答者でした。
宮谷保可楽 「先手と後手、同じことをやっていても目的が違う。」
■まさに!
S.Kimura 「こうなると、92歩打の最小手を考えたくなりますね。」
■他に条件なしなら、同じく7手でしょうか。
占魚亭 「これは簡単(と言って、間違っていたら恥ずかしい)。」
■恥ずかしい人が一人。おもちゃ箱解答者は全員正解でしたが、この推理将棋コーナーに携わる人で一人だけ、誤解を送って作者に確認を求めた人がいます。恐ろしくて誰とは口にできませんが。
はてるま 「先手55角~73角生がありえないのがちょっとしたうまみ。よい限定のされかたです。手順もきれいですね。」
■これもありました。でも王手になっちゃいますからね。
正解:14名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん KGさん 鈴川優希さん 占魚亭さん
たくぼんさん 躑躅さん DD++さん NAOさん 中村雅哉さん
はてるまさん はらたっとさん 宮谷保可楽さん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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コメント
92歩と打つ最小手数、他に条件なしなら6手だと思います。
本問と同じく一人が同じ筋を指さないなら8手ですね。
投稿: 渡辺 | 2011.03.26 04:55
なんか私へのハードルがどんどんあげられてませんか?(笑)
>先手は2つの筋の手だけを指した
これ面白いですね。けっこうまじめに考えてしまいました。
投稿: DD++ | 2011.03.26 23:02
> 92歩と打つ最小手数、他に条件なしなら6手だと思います。
そうか、後手が92歩と打つ場合のことを忘れていました(汗)
ハードル上げすぎたかな?(笑)
投稿: タラパパ | 2011.03.29 02:39