推理将棋第43回解答(1)
[2011年4月25日最終更新]
推理将棋第43回出題の43-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第43回出題 推理将棋第43回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第43回解説 担当 DD++
初担当で、とある目的から自作を出して余詰む始末。ご迷惑をおかけしました。やっぱり自作は他人の目を通らないだけに危険度が高いことを認識させられました。とほほ・・・。
43-1 初級 ○術師さん作 三吉超え 9手
「坂田三吉を超えたね」
「最初から4手目まで端だったからね」
「坂田三吉の将棋に不成はあったっけ?」
「少なくとも我々の将棋にはなかったね」
「9手で詰んだ将棋は坂田三吉と言えどもなかっただろうな」
さてどんな将棋だったのだろうか。(条件)
- 9手で詰んだ
- 初手~4手目は端の着手だった
- 不成はなかった
出題のことば(担当 DD++)
端を2手ずつ指して有効そうな手といえば、かなり限られます。
追加ヒント:
5手目からは飛車も使って中央への大駒集中砲火です。
推理将棋43-1 解答
▲9六歩 ▽1四歩 ▲9七角 ▽1三角
▲5八飛 ▽5七角成 ▲同 飛 ▽5二玉
▲5三飛成 まで9手。
いきなり4手端の手を要求されるという問題。本当にそんな事でたった9手で詰むのでしょうか。
初形から端の手を2回指す方法はいろいろありますが、それで「9手で詰んだ」に向かうには「96歩~97角」くらいしかなさそうです。そんな時は、ひとまずその通りに指してみて、局面全体を眺めてみましょう。
今回は2枚の角の利きをよく確認してみると、互いに5筋の敵歩を狙っていることがわかり、急に5筋がきな臭くなってきます。これに気づけばしめたもの。58飛と回って大砲をド真ん中にぶちかますだけです。わざわざ詰まされに出て行く52玉も推理将棋らしい一手ですね。
ところでこの問題ですが、ほとんど同じ手順がおもちゃ箱で一度出題されていることに気づいた方はいらっしゃるでしょうか。はらたっとさん作の「18-2 どっちの成りでショー」が、先手が「76歩~44角」の形であるものの、ほとんど同じ手順、ほとんど同じ詰上がりなのです。しかし両者の条件を比較すると全く異なる問題であることがお分かりいただけるでしょう。これぞまさに「手順が同じでも条件が違えば別作品」の典型例ということで手順重複を承知で選題させていただきました。
今後も、特に一桁手数作品では「手順は見たことあるけど条件だけ見てもそれを全然想起させない」作品は何食わぬ顔で平然と採用していきますので、よろしくお願いします。というか、そうしないともう一桁物は何も出題できなくなってしまいますので(汗)
それではみなさんの短評をどうぞ。
斧間徳子 「有効そうな端の4手は端角のぞきくらいしかなく、そうするとその後の展開はすぐにわかる。本問のみはほぼ瞬殺でした。」
■前回タラパパさんが言っていました。初級のコーディネートはこうでねえと。
チャンプ 「後出しジャンケンみたいな勝ち方ですね(笑) 」
■言われてみればたしかに。
鈴川優希 「初級なのになぜかこれが一番悩みました……。なるほど、5三に成るのは角ではなく飛なのですね。」
■53角成の場合51を1手で塞ぐ方法がないんですよね。この52玉に53龍の詰め上がりも頻出なので覚えておいていただきたいところ。
NAO 「1手で中央突破できるアノ手があった!予備知識があり助かりました。」
■飛車が5筋突破できると他へまわす手数が増えてお得ですよね。
KG 「意外と手間取ってしまいました。先手飛車を使うとは」
■自飛車は出動に時間がかかりますから、盲点に入りやすかったかもしれません。
宮谷保可楽 「端の手を指し終えたあと、援軍をどうするのか考えこんだ。飛車が手っ取り早かった。」
■飛車は飛び道具ですから、出陣さえできればとても早いのです。
タラパパ 「不成なしが、限定ばかりでなく、余詰消しにも役立つ一石二鳥条件でした。」
■こういう条件付けはうまいですよね。ベテランの味。
中村雅哉 「定番の攻め方。」
■出題コメントに書いたように今回は知っておきたい定番手順を並べてみました。
S.Kimura 「後手と同じように先手も角を成ると勘違いして慌てましたが,割と速く解けたので,幸先が良かったのですが・・・」
■角成だと51が埋まらなくて困るのです。
渡辺 「知っているからピンと来たものの知らなければ53角生、62(42)角生、53銀の筋から抜けるのが難しいのでは?」
■なぜ後手の角も動いたのか?を考えれば、きっともう一つの可能性にも気づけるはず。
リーグ戦ファン 「これはダイナミック。『不成なし』が57角成限定の他に、余詰を防いでいるので、▽57角成が見えにくくなっています。」
■この手順、9手詰の中でダイナミックさでは3本の指に入ると思います。
はなさかしろう 「シンプルでわかりやすい序盤からぴったりの手順の後半へ。良い感じです。」
■前半と後半が分けて考えられるので考えやすいのもポイントです。
はらたっと 「自分で過去考えたことある問題だったのですぐわかりました(^_^)v」
■上で触れたとおり、手順だけみればはらたっとさんの前例がある手順ですしね(^^)
たくぼん 「懐かしい感じがします。坂田三吉なら初手は96歩ですね」
■タイトルが初手のヒントでした。そうでなくでも、どう見ても96歩しかなさそうですが(笑)
みや 「初級しか解けませんでした(><) 解答発表までのあいだ、中級、上級にチャレンジします!」
■1題だけでも解答してくださる方は本当にありがたいです。中上級はあることに気づくかどうかで大きく難度が変わります。答えを見ればきっとみやさんのレベルアップにつながるはず。
高坂研 「大駒の大きな動きが楽しめる。4手目まで同形にするのに心理的抵抗があったのは私だけか?」
■短評をみるかぎり高坂さんだけだったようです。
はてるま 「ダイナミックな構図で爽快な手順。不成なしは5手目から53角生、52玉以下の順を消したものですね。」
■53角生、42/62銀以下も消してますね。53銀までの手順は怖いです。
正解:20名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん KGさん 高坂研さん 鈴川優希さん
諏訪冬葉さん 占魚亭さん たくぼんさん タラパパさん チャンプさん
躑躅さん NAOさん 中村雅哉さん はてるまさん はなさかしろうさん
はらたっとさん みやさん 宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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