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推理将棋第44回解答(1)

[2011年5月26日最終更新]
推理将棋第44回出題の44-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第44回出題  推理将棋第44回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第44回解説  担当 DD++

今回は春の陽気にやられたのか、44-1で最終手に「右」が抜けた方2名、44-2と44-3の解答が逆だった方1名と解答の凡ミスがちらほら。どちらもおまけの正解とさせていただきましたが、皆様くれぐれも凡ミスにはお気をつけください。


44-1 初級 KGさん作       実際には指さなかった手  7手

「昨日隣でやってた将棋見たかい?」
「ああ見たよ。確か7手で後手が詰まされてたね」
「先手は5手目に銀を取りながら駒を成る手を指すことができたけど
 実際にはその手は指さなかったね。それが勝因かな」
「後手は6手目に同銀と指すことができたけど
 実際にはその手は指さなかったね。それが敗因かな」

さて、二人の見た将棋はどういう将棋だったでしょうか?

(条件)

  • 7手で詰んだ
  • 先手は5手目に銀を取りながら駒を成る手を指すことができたが、その手は指さなかった
  • 後手は6手目に同銀と指すことができたが、その手は指さなかった

出題のことば(担当 DD++)
  推理将棋の館にある7手詰めリストのカンニングなしでの挑戦をどうぞ。

追加ヒント:
  もう1枚の攻め駒を5手目に入手するのは至難。素直に3手目に角を入手しましょう。


推理将棋44-1 解答 Suiri441

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2二角不成▽5二金左
4二角    ▽4一玉    ▲3一角右成まで7手

初形から7手や8手で詰む順は全手順が解析されており、館長さんの運営するサイト「推理将棋の館」で見ることができます。特に7手詰に関しては11形29手順しかないので、ベテランの人なら当然のように全部空んじることができるため、もはや7手詰めは問題にならないのですが、ここは必ずしもそういう人たちだけではないので7手詰めでも出題してみました。

さて、全手順の前提知識なしにこの問題を解いてみましょう。第一のポイントは、後手玉を詰めるのにもう1枚の駒をどう入手するかです。3手目に角を入手する方法と5手目に銀を取れるところで別の駒を取った可能性がありますが、後者はよく考えて見ると至難です。

後者なら、4手目指了時に銀と何かの両取りになっていなければならず、しかもそのもう1枚には6手目に同銀の可能性があったことから銀の紐がついていなければいけません。そんな手順は「76歩、34歩、44角、54歩」で71銀と22角の両取り状態にするしかありませんが、ここで5手目22角成としてもあと2手で詰まないことは明らかです。

よって2枚目の攻め駒の入手は3手目22角不成で、自然に31銀への当たりになるので、5手目に31角成としない限り1つめの条件は自然と満たされます。

そして2つめのポイントは取った角をどこへ使うかです。一番自然な使い方は、2枚角をトドメ地点に焦点をあわせるように5手目に打つこと。なるべく後手玉近くがいいと考えると、トドメ地点は31で、このタイミングで角を打つのは42だと想像できます。そして31角右成とした形を考えると、後手の着手は52金左~41玉が金が逃げ道をうまく塞いでピッタリなことがわかります。

それにしても会話の3つ目と4つ目の呼応が心地いいですね。

それではみなさんの短評をどうぞ。

鈴川優希 「7手詰でもいろいろな条件で工夫ができるのですね。ちなみに、『角で銀を取れる局面があったが、取らなかった』という1条件では、余詰ありますか?」

■ないはずです。2条件目は限定に無関係な解図のためのヒントですね。初級問題ですし。

中村雅哉 「7手詰としては比較的気付きにくい手順。」

■私も7手詰を全部数えようとしてよくこの手順を数え忘れるんですよね。

NAO 「指さなかった手を条件付けする試みが新鮮。5手目打つ手が盲点になりそうな巧い表現です。」

■指さなかった手を条件にするのは解図しにくいので超短編ならでは。

斧間徳子 「条件が新しいので新作になっていると思います。『~~できたけど、そう指さなかった』という条件は解きにくい条件なので、中長編で使われるとしんどそう。」

■この条件付けは超短編ならではと思います。中長編で使うと解図よりも検討が大変なのでまず作る人がいないんじゃないかと思います(笑)

はなさかしろう 「おぉ、7手! やや複雑な条件ですが7手ならば...記憶に頼ってしまいました。先手条件から解の形と腹角頭銀の形に絞れる親切設計、使わせていただきました。デザートに「銀を取りながら」は省けるかな...と、久しぶりに7手の総ざらいも。」

■実はこの問題は限定最低限の条件で作られているわけではないので、いろいろ削っても成立します。でもそれをしない親切が初級問題。

S.Kimura 「『その手は指さなかった』という条件は意外と難しかったです.7手でも結構考えさせられました.」

■マニアの域に達している人たち以外にはまだまだ使える7手詰。

タラパパ 「5手目の条件『その手は指さなかった』は、『別の手を指した』といった表現のほうがよかったと思いました。7手目に『その手を指した』ので。 」

■実は私もそこはひっかかったのですが、タイトルと会話がこうなので、条件だけ表現を変えると統一性を失うため、それを嫌ってこの形で出しました。ちょっとハラハラでしたが誤解した方はいなかったようで安心です。

リーグ戦ファン 「30年ぶりに7手詰パターンを考えながら楽しく解きました。余談の私見ですが、解かせる段階で『7手詰リストはここ』と誘導してあると、鼻白みます。答え合わせ目的なら分かりますが、自分で考えるのが楽しいのであって、ねぇ。『カンニングなしでの挑戦』と明記してくださったDD++さんに賛同します。」

■30年前というと私はまだこの世にいない時代ですね(汗)。カンニングして解くのはやはり解図の面白さという点では欠けるものがありますよね。

渡辺 「『その手は指さなかった』はなくても成立しますね。難しめの7手というのも面白いですね。」

■条件は過剰気味についているので、いろいろなところを省略しても限定には影響ありません。それでも削らないのが初級問題。というか、そこ削ったらこの問題の根本が(汗)

占魚亭 「瞬殺といきたい所でしたが、なかなか解けず焦りました。」

■7手詰の中でもとりわけ陰の薄い気づきにくい手順ですからねぇ。

はらたっと 「カンニングしないで解きましたよ。」

■ええ、カンニングするとおもしろさ9割減ですから。

隅の老人B 「締め切り前のヒントに助けられ。ハイ、毎度です。」

■毎回有用なヒントを出していければと思います。ハイ、がんばります。

鈴木康夫 「変化飛ばし(他には無いことの証明はせず)を使いました。」

■飛ばすほどの変化もないような気もしますが(汗)

諏訪冬葉 「前に同じ手順の問題を解いたから覚えていました。」

■条件が違えば別物といっても手順を覚えられていては仕方がなく。難しいものです。

チャンプ 「これは数秒で解けました。条件が面白いですね。推理将棋の普及にぴったりの問題だと思います。」

■初級の7手とはいえ数秒は速すぎですって(笑)

たくぼん 「条件付けで新作となる良い例ですね。ちょっと考えました。」

■実は私もちょっと考えました。この手順は盲点に入りがちです。

はてるま 「数ある7手詰めの中ではもっともわかりにくいものの一つ。初心者は手こずるかもしれませんね。」

■7手とはいえナメてかかると痛い目を見ます。


正解:20名

  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  鈴川優希さん  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん
  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん  タラパパさん  チャンプさん
  躑躅さん  テイエムガンバさん  NAOさん  中村雅哉さん  はてるまさん
  はなさかしろうさん  はらたっとさん  宮谷保可楽さん  リーグ戦ファンさん  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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コメント

たくさんの解答と短評ありがとうございます。


>3手目に角を入手する方法と5手目に銀を取れるところで別の駒を取った可能性がありますが、

もう一つ、5手目に不成で銀を取った可能性が考えられると思います。
ただ、この場合6手目に同銀を成立させることができないので駄目なのですが。

というわけでこの問題、限定最低限の条件になっているはずです。
(もしかして、ミスディレクションとして使える?)


タラパパさんの『別の手を指した』といった表現のほうがよかったという指摘は
確かにその通りですね。以後、気をつけます。

投稿: KG | 2011.05.26 09:29

ああ、不成で銀を取る手順はこの条件で除外されないのですね。
文章の流れ的に銀を取らなかったと暗黙的に考えてしまっていました。失礼しました。
2条件目があったのはそういうことだったのですね。

投稿: DD++ | 2011.05.28 14:46

> というわけでこの問題、限定最低限の条件になっているはずです。
私の指摘は『その手は指さなかった』がなくても成立する、というものです。すなわち、

・7手で詰んだ
・先手は5手目に銀を取りながら駒を成る手を指すことができた。(実際その手を指したかどうかは不問)
・後手は6手目に同銀と指すことができた。(実際その手を指したかどうかは不問)

でも成立する、という指摘です。5手目に不成で銀を取った場合も考慮していますが、その場合、その駒を同銀と取れず、2番目の条件に反します。
したがって「限定最低限の条件」とは言えない、という主張です。

投稿: 渡辺 | 2011.05.31 22:53

渡辺さん

ああ、確かにその通りですね。
失礼しました。

投稿: KG | 2011.06.01 12:53

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