推理将棋第45回解答(1)
[2011年6月24日最終更新]
推理将棋第45回出題の45-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第45回出題 推理将棋第45回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第45回解説 担当 DD++
今月はなんと推理将棋の全解答者数が過去最高記録の25人を達成しました。皆様本当にありがとうございます。次は30人目指してこれからもよろしくお願いします。また、「今回は簡単だった」という声が多かったので、次回は難しく選題しておきますね(にやり)
45-1 初級 渡辺秀行さん作 6手目の妙手 8手
「昨日の将棋、たったの8手で負けちゃったよ」
「それは災難だったねぇ」
「初手の平凡な歩突きは悪くないと思うんだ。しかし、6手目に同角成と39の駒を取られたのが敗因だね。うっかりしていたよ」さて、二人の見た将棋はどういう将棋だったでしょうか?
(条件)
- 8手で詰んだ
- 初手は歩の着手
- 6手目は39同角成
出題のことば(担当 DD++)
「39同角成」のたった5文字に詰められた情報量の多さに驚いてください。
追加ヒント:
まずは後手の6手目までを考え、次に先手の5手目までを考えましょう。
推理将棋45-1 解答
▲5六歩 ▽3四歩 ▲3八銀 ▽6六角
▲3九金 ▽同角成 ▲6八銀 ▽4八金 まで8手。
条件は2つだけ。初手歩突きはほとんど情報にならないとすると、「6手目は39同角成」だけでほぼ全手順を限定してしまっていることになります。このように、少ない文字数にギュッと情報を詰め込むのが渡辺さん流。
まずは後手側から考えてみましょう。6手目に39角成を指すには、先手に57の歩をどけてもらって34歩~66角~39(同)角成しかありません。ではその間に先手がすることは?まず初手は条件どおり56歩と突くとして、5手目に39に着手するには3手目に39の銀をどけなければなりません。48へあがって放置していては角道の邪魔になりますから、3手目と5手目は「48銀~39銀」か「38銀~39金」しかありません。
まとめると、「6手目は39同角成」の中には「最初6手は、56歩、34歩、48銀、66角、39銀、同角成、もしくは56歩、34歩、38銀、66角、39金、同角成、のどちらか」というこれだけの情報量が含まれていたのです!
ここまでわかれば解答はすぐです。可能性は2局面ありますが残りはわずか2手。しかも銀を戻る順は考えにくいとなれば金の方。練習問題でラスト3手問題をやっているのですから、それよりも簡単な問題です。68銀で逃げ道を塞いで金打ちまで。
長い手数になってくるとなかなかこういった問題は作るのが大変ですが、8手~9手程度なら同じようなスマートな問題を作るのはそれほど難しいことではありません。むしろこういう形は人によっては制作の入り口として一番やりやすいという人も多いと思います。普段は解図専門の方も一度こんな問題の制作に手を出してみてはいかがでしょうか。最初は余詰が不安でしょうが、私も重ねて検討しますので安心して投稿してみてください、お待ちしています。
それではみなさんの短評をどうぞ。
渡辺(作者) 「これは簡単。」
■シンプル問題の作者はコメントもシンプルでした。
チャンプ 「シンプルな条件で無駄の無い手順。初級として相応しい好作。」
■これぞ渡辺流の真髄です。
○術師 「6手目39同角成条件で、先手の5手目は39に移動→(初手は歩なので)39にいる銀を3手目に動かす、後手は4手目までに39に利きを作る、とロジカルにはこうなるんですよね。実際には金を取る図がパッと浮かびました。」
■そのとおりです。こうやって理詰めで解きやすい問題は選題者としても安心して使えます。
中村雅哉 「5手目は39金か39銀しかない。論理的に追えて入門用に最適」
■なにせmixiの入門用問題トピックから厳選して拾ってきましたから(笑)
斧間徳子 「客寄せ向きの軽作。」
■とりあえず手を出せますからねぇ。
KG 「6手目39同角成、これだけで(1手目と3手目の手順前後を除いて)6手目まで決まるんですね。」
■すごい情報圧縮率ですよね。
NAO 「手の見せ方が親切な初級問題。」
■こういう見せ方は渡辺さんとまささんが2強でしょう、と個人的には思います。
鈴川優希 「取られた駒が金だと理詰めで判断できるので、考えやすかったです。角『成』とすることで、7手目が限定されていますね。」
■私が最初出題されたとき、39同角不成にして4筋玉で誤答しそうになったのはナイショ。
はなさかしろう 「なるほど。シンプルによどみなく6手目までの手順が確定してしまう。初級ならではの名作というジャンルがあれば代表作に挙がりそうですね。」
■初級ならではの名作、投稿大大大募集中です(笑)
リーグ戦ファン 「6手目までが簡単に限定できるところがミソ。通常の推理将棋ならば、『▲38銀』は、その後を考える必要があるところ、DD++さんは『練習問題:さて、残りの2手はどんな手だったでしょうか』を狙って選題されたのですね。まさに狙い通りの秀作だと思います。」
■よくぞそこまで見抜いてくださいました。
S.Kimura 「5手目に39に動かすことを考えたら簡単でした.」
■そういう思考に自然に誘導されるのもこの問題のうまみ。
諏訪冬葉 「△39角成から後手の3手は1通り。先手は角道を作る▲56歩の後銀をどかす必要があるのでついでに飛車の利きも止めてもらう。左右の銀の動きが違うのが楽しいです。」
■どちらも金頭の銀の形になるのに、右は3筋、左は6筋。不思議です。
タラパパ 「『6手目は39同角成』で、ほぼ2通りの筋に絞られ、1つは銀が戻る順でほぼ論外となれば・・・。」
■銀が戻る方で詰んだらびっくりですからね(笑)
はらたっと 「自力で解いたあと、館長さんの推理将棋の館8手3420通りのページでその他の手を確認しました。」
■あの3420通りは私はとても確認する気力は出ません(汗)
たくぼん 「ヒントでほとんど分かっちゃう~担当者優しいですねえ」
■わかってもらえなければヒントになりませんから。
鈴木康夫 「39同角成から38銀39金は必然なので秒殺でした。」
■ベテランの方には見た瞬間解けるくらいでないと初級になりませんから。
くるぼん 「この初手が指将棋でも平凡になってきたのも不思議」
■初解答ありがとうございます。指将棋で初手56歩は私には理解不能な世界です。
隅の老人B 「何となく簡単に解けました。こんな時は、感想に困る。」
■そして担当者もけっこう返信に困ってます(汗)
占魚亭 「誰もが一度は思いつく手順ですね。」
■担当者はこの系統の手順は苦手で、一度も考えたことがなかったりして(笑)
宮谷保可楽 「たった一言で、角の動き方や駒の渡し方がすべてわかる…。すごい。」
■本当に見事に作られたものですが、実は作家側にとってはここまで秀逸と行かなくても割と作りやすいタイプの問題だったりします。
みや 「推理しやすい問題で、楽しめました。初心者には、うれしい問題でした。ありがとうございます。」
■初心者に楽しめなければ初級じゃありませんから。選題の腕の見せ所です。
superkuppabros 「これは完全な初級問題。▲3九金さえ決まれば全てが分かる。」
■そこまでいけば残り2手ですから練習問題より簡単です。
テイエムガンバ 「『『推理将棋ってこう解くんだよ』の説明に理想的』、『『39同角成』のたった5文字に詰められた情報量の多さに驚いてください。』というコメントに偽りなしの作品です。」
■そこを偽ってもしょうがないですから(笑)
はてるま 「先手の金銀の動きが本作のポイントですね。39金がいい味です。」
■取られるために動く手は推理将棋ならでは。
正解:25名
S.Kimuraさん 斧間徳子さん くるぼんさん KGさん superkuppabrosさん
鈴川優希さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん
たくぼんさん タラパパさん チャンプさん 躑躅さん テイエムガンバさん
NAOさん 中村雅哉さん はてるまさん はなさかしろうさん はらたっとさん
○術師さん みやさん 宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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