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推理将棋第46回解答(1)

[2011年7月26日最終更新]
推理将棋第46回出題の46-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第46回出題  推理将棋第46回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


推理将棋第46回解説  担当 DD++

やはり今回は上級が難題だったようで、中間ヒント前の解答者は上級の作者のみという異常事態でした。それでも解答者が20名を突破したのは、上級が解けなくても2題解答してくださった方が多数いたおかげです。本当にありがとうございます。


46-1 初級 けいたんさん作    馬の手は角成の手にあらず 9手

「さっきの将棋9手で詰んだんだって!13馬の手には驚いたよ」
「それより22に角を打った手だよ。酔理将棋っていうのかな。だいぶお酒が入ってたみたい」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 9手で詰んだ
  • 13馬の手あり
  • 22に角打ちあり

※13角成では「13馬の手」になりませんのでご注意ください。


出題のことば(担当 DD++)
  注意書きとしてタイトルをご覧ください(笑)

追加ヒント:
  22に打った角を13に成っても「13馬」になりません。ということはどういうこと?
  41玉の逃げ道を塞ぐには後手金2枚を利用するのが便利です。


推理将棋46-1 解答 Suiri461

▲7六歩    ▽3四歩    ▲2二角成  ▽5二金左
1三馬    ▽4一玉    ▲2二角    ▽5一金寄
▲3一角成 まで9手 

条件を見ると22に角を打ってそれを13に成りたくなりますが、それでは「13角成」になってしまって「13馬」になりません。そんなうまい手はなかったようです。しかし、いいことがわかりました。打った角を成ってはダメということは13馬の手を指した駒と22に打たれた角は別の駒ということ。

都合よく、「13馬」を指すためには「76歩~22角成~13馬」と途中で角を取ることになります。トドメに22への角打ちで詰ますのは大変そうですからこの角打ちはきっと7手目でしょう。となればトドメは31角成が順当そうです。

では後手の指し手は何でしょう?まず先手に22角成を指してもらうために、2手目は34歩が必要です。そして残るは3手。その中に、31角成を王手にするために41玉あるいは42玉と動く手が必要です。

残る2手での仕事は逃げ道塞ぎ。42玉だと3箇所塞がなければいけないので手数が足りないのに対し、41玉なら2箇所なので手数が足ります。最初に52金左と1つめの逃げ道を塞ぎつつ41を空け、41玉と寄ってから51金寄と玉突き的に駒を動かして逃げ道を塞ぎ、お仕事完了です。

それではみなさんの短評をどうぞ。

はなさかしろう 「この手数ですと13馬も22の角打ちも先手の手とわかります。問題は後手の組み立て方ですが、4手目△42玉に惹かれるところをぐっと我慢、ですね。」

■玉の4筋移動を焦るとどこか1マス逃げ道が塞ぎきれません。

斧間徳子 「どっかで見たことのある手順と思って調べたら、2年前のおもちゃ箱の渡辺作(#20-2)に類作がありました。もちろん、本作は手順も条件も異なるので新作だと思います。」

■以前宣言した通り、詰め上がりや手順が同じでも条件が別なら私は平気で採用していきますので。しかしよく20-2を見つけましたね。

鈴川優希 「1三の馬と2二の角が利いているのは3一の地点、と考えて解決。2枚金の動きは45-2で学習済みでした。」

■前回もこの2枚金の動きはあったので出題をどうしようかちょっと迷ったのですが、初級なら逆にそれでいいかな、と。

KG 「後手の2枚の金と玉の動きが一意に定まるのがいいですね」

■この2枚金の形は玉方の手順前後が生じないのできれいな問題が作りやすいんですよね。

NAO 「こまったときの52金左。」

■41玉なら52金左、42玉なら52金右ですよね。

リーグ戦ファン 「先手は13馬+22角打+31角成までに決まっていて、残るは後手の囲いを考えるだけ。トップバッターにふさわしい易しい良問。」

■これでこそ初級。

チャンプ 「条件が親切で誰かさんと違って解いてもらおう感が滲み出てますね(苦笑)ただ、この書き方だと解答者の中に角打ちありが(棋譜上▲22角打)と間違わないか少し心配。『22に角を打つ手があった』ぐらいが妥当だったか?」

■確かに。これは担当が気づくべきところでした。御指摘ありがとうございます。

変寝夢 「33玉型ばかり考えていた。後手の手順が限定されているのにビックリ」

■9手で33玉型は可能ですが13ではなく31馬が必要になりますね。

たくぼん 「なんだか懐かしい香りのする作品。素直なところがいいですね」

■ひねくれたらそれはもう初級じゃないですから。

みや 「13の馬でヒモをつけるには・・・と考えて、後手が玉の退路を封鎖して、31角成まで。ヒント通りに解きましたよ。」

■ヒントを活用していただいてありがとうございます。

渡辺 「同じ形を作ったことがあるだけに瞬殺でした。」

■渡辺さんに瞬殺できない9手詰めは果たしてあるんでしょうか。

テイエムガンバ 「感想:手筋としては普通でしたが一瞬、1三馬と2二角のどちらかが後手の着手では?と思いました(9手という時点でその考え方は外すべきでしたが)。」

■9手という点でもそうですが、初級でそんなヒッカケしませんって(笑)

S.Kimura 「22角成から13馬は分かりやすかったので,ノーヒントで解けました.」

■何度も解答をいただいている方がヒントを要するようでは初級になりませんって。

井上順一 「あまり考えずに22角成から13馬22角とやったら、詰上がりが見えた。」

■初級ですからそれくらいさっくり解いていただかないと。

宮谷保可楽 「問題文を読んだときのイメージ、ほぼそのままの手順。」

■なんせ初級ですから。

中村雅哉 「これは方針が立てやすくトップバッター向き」

■そりゃもちろん初級ですから。

隅の老人B 「馬を引く手に好手あり。金だったかな?まあ良いや。」

■馬や金に限らず駒を引く手は推理将棋ではあまり見ませんよね。全く見ないというほどではないですが。

占魚亭 「金の壁を作ることに気づくまで、少し時間がかかりました。」

■2枚金の壁は41玉を詰める時の手筋です。

はてるま 「親切設計の肩慣らし問題。」

■初級ですからそれくらいでないと。

タラパパ 「先手の全着手が示されているような分り易さがいい。さすが初級問題。」

■前担当者としてもこういう問題は欲しかったのでは?(笑)

はらたっと 「13馬も22角も先手の手ならこれしかないか。」

■その通りです。そしてそれらが後手なんてヒッカケは初級ではやりませんし。


正解:21名

  井上順一さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  KGさん  鈴川優希さん
  隅の老人Bさん  占魚亭さん  たくぼんさん  タラパパさん  チャンプさん
  テイエムガンバさん  NAOさん  中村雅哉さん  はてるまさん  はなさかしろうさん
  はらたっとさん  変寝夢さん  みやさん  宮谷保可楽さん  リーグ戦ファンさん
  渡辺さん

(当選者は全題の解答発表後に発表)

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