推理将棋第47回解答(1)
[2011年8月27日最終更新]
推理将棋第47回出題の47-1の解答です。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第47回出題 推理将棋第47回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
推理将棋第47回解説 担当 DD++
今回は「筋段条件」特集でしたが、実は3問通して「よくある詰み形」という共通点もあり、解答もいつもより早め早めに集まりました。一方で無駄手含みの問題が苦手な人には今回の中上級はキツかったかも。
47-1 初級 はてるまさん作 奇数筋だけ 7手
「たった7手で詰んじゃった」
「奇数筋の手しかなかったね」
「2手目の玉がおかしかったかな」さて、どんな将棋だったのだろうか?
(条件)
- 7手で詰んだ
- 奇数筋の手のみ
- 2手目は玉の手
出題のことば(担当 DD++)
推理将棋最短の7手詰問題です。全手順のカンニングなしでどうぞ。
追加ヒント:
トドメは銀打ち。初手に7六歩としたくなるのは罠です。
推理将棋47-1 解答
▲9六歩 ▽5二玉 ▲9七角 ▽5四歩
▲3一角成 ▽5一金左 ▲5三銀 まで7手。
初形から詰みまでの最短手順は7手29通り。館長さんが運営している推理将棋の館で全て見ることができます。この問題もその中の1手順の出題ですが、そのリストから該当手順を探すというのはヤボというもの。ここはまじめに解いてみましょう。
まず、先手の手は奇数筋のみの4手しかないので、自陣から2枚の駒を後手陣に運ぶのは間に合いません。すなわち、角で5手目までに後手の駒を1枚奪い、それを打って使うしかないのです。その駒の候補は金銀の2種のみ。飛角桂はこの条件下では5手目までに取ることはできません。
まず金を取る場合、「76歩、52玉、33角成、32金、同馬」もしくは「76歩、52玉、33角不成、51金左or右、同角不成」で取ることになります。しかし、前者にあと2手の詰みはありません。後者はあと2手の詰みはありますが、その2手は、51金左なら「32銀、42金」、51金右なら「72銀、62金」とどちらも偶数筋の着手が入るのでこれもボツ。
一方銀を取る場合、一見「76歩、52玉、"44角"、54歩、71角成」と偶数筋着手が入ってしまい、銀はうまく取れないように見えます。しかし、実は裏道を通れば実はこの角の中継点を奇数筋に変えることができるのです。その裏道とは初手96歩からの3手目97角。つまり「96歩、52玉、97角、54歩、31角成」とこちらの銀を狙えば奇数筋着手のみで銀が取れます。あとは、練習問題のように「残りの2手は何でしょう?」を考えれば、どちらも奇数筋着手になるので見事解決。
それではみなさんの短評をどうぞ。
はてるま(作者) 「初級用問題募集の声に応えて、まさかの7手問題を出してしまいました。少しでも解答デビューしてくれる人がいればこの問題の存在意義はあるかな、と。」
■デビュー者は残念ながらいませんでしたが、初級用にありがたい問題でした。7手とはいえ気づかないとハマるという、よい問題をありがとうございました。
KG 「7手詰リストはほぼ頭の中に入ったかも」
■29手順といっても手順前後などの細かい差を除けば実質7系統11終局図しかありませんから、その気になればすぐですよね。
鈴川優希 「一目7六歩、一拍おいて9六歩。」
■たった一拍で7六歩の罠を抜けるとは強い。私は数分かかりました。
NAO 「奇数筋の手のみは、なるほどこの筋の2通りだけですね。」
■これで1通りだったらかっこよかったんですけどね。おしい。
はなさかしろう 「なるほど~~奇数筋の手のみなのはこの詰み形だけですか!さすがに記憶を消すことはできず、思い出してしまいましたが、発見後、11種類再確認しました(全部思い出すのはしんどかった......)」
■そう、この終局図だけなのです。それだけに手順前後の存在が悔しいところ。
斧間徳子 「条件次第で7手詰めもまだ新作ができるんですね。」
■条件のつけ方は実質無限にありますから、いつまで経っても7手詰新作は出てくるでしょうね。
渡辺 「さすがにこれは一瞬。面白い条件付けです。」
■さすがに渡辺さんクラスだと瞬殺ですか。知っていても気づきにくい順だと思うんですけどねぇ。
宮谷保可楽 「76歩→33角という手を捨てたとたんに、終わってしまった。なお、カンペは持ってません」
■実質そこがこの問題の全ての鍵ですからねえ。
タラパパ 「7手に新題は難しいと思っていましたが、この条件はさすがにベテランの上手さ。」
■いえいえ、まだまだ7手新題もできると思いますよ。1つ1つの手順に無限の条件付けがあるわけですし。
テイエムガンバ 「ウォーミングアップに最適の7手詰め。」
■はい、慣れた方はさっくりと通過していただければ。
変寝夢 「7手はこの手順が一番好き。個人的には3二玉で詰むやつはお下品に見えてしまう。」
■23歩成までの順も応用によっては面白いことになるんですけどね。
チャンプ 「『初心忘るべからず』基本は大切ですね。」
■全くその通りですね。
リーグ戦ファン 「条件を読み終わる前にこれかなと思った手順が解でした。なるほどね、こういう条件で7手詰を眺めたことはありませんでした。」
■ここにも一目の人が。数分かかった私は担当者として自信をなくしそう。
井上順一 「初手端歩とは。中級より時間がかかった。」
■実は私も偶数筋よりも時間がかかりました。人によってかかる時間が難易度と逆転するのは推理将棋ではよくある現象です。
平井康雄 「この手順はさすがに知っていました。」
■7手詰に新手順はないですから、絶対にどこかで見た手順の条件違いですしね。
中村雅哉 「『奇数筋だけの7手なんてあったっけ?』と一瞬悩む。」
■やっぱりこの順は気づきにくいですよね。
隅の老人B 「短い3条件。これで手順が確定とは!」
■一般的に推理将棋では手数は条件数に含まないので、この問題は2条件になりますね。実質「奇数筋のみ」でほとんど縛れているのが見事です。
たくぼん 「全手順奇数筋の7手があったとは知らなかった。」
■私もこの問題を見るまで知りませんでした。
占魚亭 「7六歩から考えるところでした。」
■ということは9六歩にすぐに気づいたということですね。強い。
はらたっと 「カンニング無しです。」
■はらたっとさんならカンニングなしでも全部頭に入ってるのでは?
鈴木康夫 「脳内で全パターンをカンニングしたのか、自分で探したのか考えているうちにどちらか分からなくなってしまいました。」
■いろいろ考えているとそのあたりよく分からなくなったりしますよね。
正解:21名
井上順一さん 斧間徳子さん KGさん 鈴川優希さん 鈴木康夫さん
隅の老人Bさん 占魚亭さん たくぼんさん タラパパさん チャンプさん
テイエムガンバさん NAOさん 中村雅哉さん はてるまさん はなさかしろうさん
はらたっとさん 平井康雄さん 変寝夢さん 宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん
渡辺さん
(当選者は全題の解答発表後に発表)
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