[2011年9月30日最終更新]
推理将棋第48回出題の48-3の解答、第48回出題の当選者(テイエムガンバさん)
を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。
関連情報: 推理将棋第48回出題 推理将棋第48回解答(1) (2) (3)
推理将棋(おもちゃ箱) 推理将棋(隣の将棋) どんな将棋だったの? - 推理将棋入門
48-3 上級 中村雅哉さん作 終局前の足取り 9手
(条件)
- 9手で詰んだ
- 6手目は24の着手
- 7手目は64の着手
- 8手目は25の着手
- 9手目は15の着手
出題のことば(担当 DD++)
ラスト4手の着手位置だけから全てを逆算できますか?
追加ヒント:
15角まで合い効かずの邪魔になる21桂は先手が5手目に馬で処理。
推理将棋48-3 解答 担当 DD++
▲7六歩 ▽3四歩 ▲2二角成 ▽4二玉
▲2一馬 ▽2四歩 ▲6四桂 ▽2五歩
▲1五角 まで9手。
タイトルの通り、最後の4手のみで条件付けした問題。出だしが全く分からないので手がつけにくいです。さらに表示された着手場所が中段ばかりかつ7手目64の着手だけ離れているのがまたパッと見の難度を増しています。
しかし、解き出すと実はそうでもないのがこの問題。条件は以下。
●??、??、??、??、??、24?、64?、25?、15? まで
やはりこの条件では後ろから考えて詰め上がりを固めるのが得策です。つまり注目すべきはトドメの15着手。後手玉は6手目と8手目の都合でどうがんばっても2段目までしか上がれません。となればこんな位置から王手できるのは角のみ。すなわち合い効かずの詰め上がりであることが想定できます。
●??、??、??、??、??、24?、64?、25?、15角 まで
さて、この位置で合い効かずに討ち取る場合に邪魔になりそうな駒が6枚。24を守る23歩、33を守る33歩と22角と21桂、42を守る41金と31銀。このうち、21桂は33へは当然跳ねられず、また13へも跳ねられない(14歩は15への利きを作ってしまうのでこれを突けない)ので後手による対処は困難。つまり、この桂を先手が5手目に取る構図が見えます。
●76歩、34歩、22角成、??、21馬、24?、64?、25?、15角 まで
これで同時に22角と33歩も処理されました。続く難物は23歩ですが、これは条件を見るに6手目8手目を用いて後手が処理すると考えて間違いなさそうです。
●76歩、34歩、22角成、??、21馬、24歩、64?、25歩、15角 まで
残ったのは42金合と42銀合の問題ですが、4手目だけで両方封じる方法はただ1つ、問題の42地点に玉があがってしまう方法だけ。また7手目に64に着手できるのは桂打ちだけで、これがピッタリ52への逃げ道を封じ、解答が得られます。
実はこの手順は19-2で渡辺さんによって先に出題されている手順と事実上同じものですが、条件どころか形式すら違うので、全く別の問題になっているのでした。実際はさらに古い中村さん作があり、それをアレンジしたのがこの問題なので、どっちを先行作というべきかは微妙なところなんですけどね。
それではみなさんの短評をどうぞ。
チャンプ 「最終4手を地点だけの条件で済ませてしまうのは斬新ですね」
■最終4手という作品は今のところこれ以外に完全作はないはず。
リーグ戦ファン 「△24歩△25歩▲15角まで、は一目。64桂は自分で探させてほしかったところです。」
■64桂は確かに自力にできれば面白いんですが、44桂との限定の都合上完全ノーヒントとはいかないんですよね。通常形式ならばうまいやり方はあるかもしれませんが。
NAO 「7手目の桂打は筋を知ってないと打てません。『46-3馬術競技』を解いていないと苦戦するところでした。」
■一瞬ギョッとする桂打ちでした。
はなさかしろう 「座標指定は94問題の難問篇という感じで面白いですね。先手の座標が解きやすく設定されていますが、知らなかったら詰め上がりを思いつけないかも。」
■「64と15」を「6筋と1筋」にされるだけでもかなりキツくなりますね。と書いて気づいたのですが、実はこの問題、明かすのを筋だけにしても限定されているかも?
KG 「第一感、▲2四玉▽6四飛▲2五玉は失敗。次に6四の位置がなんとなく桂っぽいなと考えて実際に動かしてみたら見事成功。」
■私も直感は24玉25玉でした。一瞬でありえないと気づいてしょんぼり。
斧間徳子 「類似例(おもちゃ箱#19-2や#46-3)を知らないと苦労しそうな問題。手数と着手位置だけの条件って、ひょっとして本邦発の快挙?」
■実はmixiでまささんが「連続4手(6通り)」「1手おき(3通り)」の全てを座標条件のみで制作するという離れ業をやってのけています。おもちゃ箱では「易しい推理将棋・解けたその日からすぐに作れる!(3)」でミニベロさんが提示したものが最初ですかね。むしろ最終4手という方が快挙。
はらたっと 「後手の24、25が無駄手じゃないのなら64桂で退路を塞いで15角があい駒きかずですね。」
■64が桂だとすぐに見えるのは強い。私は解説のような消去法でしかこれが見えませんでした。
渡辺 「これもすぐ。最終4手が何かを考えれば、4手目以外すべて分かり、したがって4手目も分かる。」
■そう、見えれば早いんですよね。
S.Kimura 「『64の着手』の意味が分からず,しばらく悩みました.角成から桂馬が取れると考えた時,46-3の桂打ちが思い浮かび,答えが分かりました.」
■そう、見えないと苦労するんですよね。
たくぼん 「4手も分かっているのに苦労するとは・・・詰上りが浮かび難くかった」
■やっぱりこの形はなかなか見えにくいです。せめて15角合い効かずだけでも見えればなんとかなるんですが。
井上順一 「最終手角打ちと決めれば、64には取った駒を打つしかなくて馬で桂を取ることがわかる。論理的な作。」
■この3作の中では一番論理での攻め甲斐がある作品です。
はやし 「なるほど。64桂ね。」
■そうなんです。一度見えてしまうとこれしかないんですけど。
諏訪冬葉 「24-25玉に15金(飛)は手が足りない。となれば、23歩をどかして15角。合駒を消して戦力補充する21馬が地味にいい味。」
■こういう一石二鳥の手があると手順が引き立ちます。
テイエムガンバ 「1五の着手で詰み、かつ後手玉が1五の周りに行く暇がない、ということで9手目は1五角、合い効かずの形にするには2筋の歩が邪魔になるので6手目は2四歩、8手目は2五歩と決まりましたが、7手目の6四の着手は何か、というところで手が止まりました。それにしても、『4二玉に対し4四桂+1五角』というパターンを46-3で解いたはずなのに(46-3は先後逆ですが)、4四桂が6四桂に変わっただけでこんなに時間がかかるとは……。」
■64桂は32が馬で塞がれている本局ならでは。46-3ではできなかった芸当なので逆に46-3を知っていると見えにくくなったのかも。
平井康雄 「これは最終ヒントをもらうまで訳がわかりませんでした。」
■桂の扱いが見えないとこの手順はさっぱり見えません。
変寝夢 「ヒントがなければ無理でした。6四桂が好手」
■やはり64桂に苦しめられた方多数。
くるぼん 「完全にお手上げ状態でしたが、ヒントと練習問題詰上り図を同時に見たら解決しました。」
■48-1のS.Kimuraさんとあわせて、今月は練習問題が謎の大活躍。
はてるま 「条件の作品は、作る方が大変そう。」
■94形式趣向作は、たしかに作るほうが大変です。が、大変だからこそ作るのが面白いのも事実。
宮谷保可楽 「たぶん6・8手目は24・25と歩を突いて最終手は15角だろうなぁ…、から考えはじめ、都合のいいように指し手を作ったら、あっけなく終わってしまった。桂を入手して64桂がピッタリ。」
■きっと「21桂をどうするか」にすぐ着目されたのでしょうね。私と同じ迫り方だったのでしょうか?
隅の老人B 「条件一読、15角打? アタリ、宝くじを買いに行こう。」
■車にアタらないようお気をつけて。
鈴川優希 「6~9手指定の94問題は珍しい? 歩突きがなんとも渋い手です。」
■珍しいどころかこれしかないんです。なかなかうまい手順がないんですよね。
鈴木康夫 「46-3で予習済みだったので簡単でした。」
■なるほど、過去作からの類推が得意なら初級が一番苦労するのも納得。
占魚亭 「6四への着手に少考。なんとか逆算で解けました。」
■やはりこの64桂は一筋縄ではいきませんね。
正解:24名
井上順一さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん くるぼんさん KGさん
鈴川優希さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん
たくぼんさん チャンプさん テイエムガンバさん NAOさん 中村雅哉さん
はてるまさん はなさかしろうさん はやしさん はらたっとさん 平井康雄さん
変寝夢さん 宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
総評
リーグ戦ファン 「94形式問題、純粋に論理パズルとしては、どうしても冗長な条件が多くなりがちで、あまり好きになれません・・・。推理将棋をご存じない方向けの誘導という本来の意味では、DD++さん作が佳作だと思います。」
■94形式は好き嫌いは分かれる形式ですね。条件が冗長になりやすかったりする一方、独特の趣向作品が作れたり、一長一短。
NAO 「今回は、予習がビンゴしたので、すぐ送ります。mixiでまささん作94問題に解答されていたのを見て、なぜ、このタイミングで?と94問題の出題を予測しました。」
■ば、ばれた! しかし、9月4日出題だからということまでは見抜けなかったご様子?
はなさかしろう 「94問題はおむすび弁当みたいに問題文がぎゅっと押し固めてあって感じ良いですね。起承転結と言いますか、最後にオチをつけるタイプもリズムが良くて好きです。」
■おむすび弁当とは面白い表現ですね。問題の簡素さも94形式の売りの1つ。
斧間徳子 「今月は、今までで一番速く3題解けました。」
■ベテラン斧間徳子さんがそうおっしゃるということは、今回は思っていた以上に簡単だったのですかね。
はらたっと 「94問題は一年前解いたなあというのを思い出したら秒殺でした。というかファーストトライが本筋だっただけでたまたまです。」
■推理将棋は「運も実力のうち」で瞬殺できることも多いですからね。
渡辺 「今回は考えようかな、と思ったら答が分りました。」
■9手で渡辺さんが悩むようでは解答者激減ですって。
S.Kimura 「94問題は覚えやすくて良いですね.また,出題して戴けるのを楽しみにしています.」
■次は来年の9月4日、ですかね? 94形式の投稿が多ければもっと短期間で出題するかもしれませんが。S.Kimuraさん、1つ作ってみません?
井上順一 「練習問題で、71馬52玉72(82)飛までというのはどうなのでしょうか。62金は無駄な移動中合だからこれで詰み?ということですが。」
■今回の反省点その2。これも練習問題なら注意書きしておくべきでした。推理将棋では、フェアリー詰将棋と同じく無駄合いという概念はありません。なので、62金は手数延長のための有効な合い駒で、62同飛成まで指して初めて詰みとなります。一度ルールをどこかにキッチリまとめようという話は前々からあるのですが、はやくしないといけませんね。
変寝夢 「少し考えて、手がかりさえわからないものは締め切り前ヒントを頼りにしてます。おかげでようやく魔の3問目が何とかなったようです\(^O^)/」
■ヒントはぜひ有効活用してください。もっとわかりやすいヒントが欲しいとか、逆にわかりやすすぎだ、などのご意見があればぜひおねがいします。
中村雅哉 「やはり問題文がないと味気ない感じですね。」
■シンプルさと味気なさは表裏一体。難しいですね。
宮谷保可楽 「最近夏バテがひどいようで、仕事にも悪影響が出てしまっています(アカンがな…)。問題を解くのも解答を作成するのも、かなりの時間がかかってしまいます。」
■私もぐったりしながら結果稿を書いています。ぐったり。
隅の老人B 「今月はめずらしくヒントが出る前に解けました。で、爺さんなら、どんなヒントを出そうかな、です。9月も中旬を過ぎたのに、まだまだ猛暑が続きます。目には、さやかに見えないけれど、どこかに秋が来ているの?」
■台風15号も動きの遅い夏台風でしたし、秋はまだまだ先なんでしょうか。
鈴川優希 「今月はどれも易しかったです。94問題は、1条件作につづき、推理将棋普及のための良い問題形式だと思います。」
■ぜひぜひこれを使って広めちゃってください。
鈴木康夫 「新パソコンの設定が終わってないので棋譜並べとメール作成はスマートフォンで行いました。便利な時代に成りました。」
■モバイル関係は特に技術の進歩がすばらしいですよね。
みや 「いつもぎりぎりですいません。解答発表まで上級を解いて待ちます」
■ぎりぎりだろうと初中級だけだろうと、解答をいただけるのはありがたいことです。これからもよろしくお願いしますね。
推理将棋第48回出題全解答者: 25名
井上順一さん S.Kimuraさん 斧間徳子さん くるぼんさん KGさん
鈴川優希さん 鈴木康夫さん 隅の老人Bさん 諏訪冬葉さん 占魚亭さん
たくぼんさん チャンプさん テイエムガンバさん NAOさん 中村雅哉さん
はてるまさん はなさかしろうさん はやしさん はらたっとさん 平井康雄さん
変寝夢さん みやさん 宮谷保可楽さん リーグ戦ファンさん 渡辺さん
当選: テイエムガンバさん
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