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推理将棋第50回解答(3)

[2011年11月30日最終更新]
推理将棋第50回出題の50-3の解答、第50回出題の当選者(リーグ戦ファンさん) を発表します。推理将棋は将棋についての会話をヒントに将棋の指し手を復元するパズル。はじめての方は どんな将棋だったの? - 推理将棋入門 をごらんください。

関連情報: 推理将棋第50回出題  推理将棋第50回解答(1)  (2)  (3)
  推理将棋おもちゃ箱)  推理将棋(隣の将棋)  どんな将棋だったの? - 推理将棋入門


50-3 上級 DD++作        南無三!       15手

「さっきあっちで『南無三!』って叫んでたけど何があったの?」
「3枚も歩を成って、たった15手で詰ませたものだからつい。」
「『南無三!』ってことは、成った場所は7筋と6筋と3筋?」
「うん。順番はバラバラだけどね。」

さて、どんな将棋だったのだろうか?

(条件)

  • 15手で詰んだ
  • 先手は7筋、6筋、3筋(順不同)で歩を成った

出題のことば(担当 DD++)
  先手はたった8手で3回の歩成。どうやって実現しましょう。

追加ヒント:
  先手歩成は全て異なる段。10手目の歩打ちが鍵を握ります。


推理将棋50-3 解答  担当 DD++ Suiri503

▲3六歩  ▽7四歩  ▲3五歩  ▽7五歩
▲3四歩  ▽7六歩  ▲3三歩成 ▽7七歩成
▲7三歩  ▽7二歩  ▲同歩成  ▽6七と
▲6二歩  ▽5二金右 ▲6一歩成 まで15手

先手は8回の着手で3回の歩成。指定の3つの筋で実現するには「歩を4回突いて成る→そこで取った歩を打って成る→そこで取った歩を打って成る」しか実現手段はありません。先手が歩を打つ筋は当然あらかじめ後手が先手歩を取っておかなければならないので、その2つの筋は隣り合う6筋7筋と考えるのが妥当でしょう。

その考えのもと素直に進めると、取ってもらう歩を73に残すため9筋から桂を使って「36歩、94歩、35歩、93桂、34歩、85桂、33歩成、77桂成、74歩、67成桂、73歩成」で残り4手。そこから62歩成で詰まそうとすると、「64歩、63歩、62金、同歩成」で72銀の1手分足りません。ならばと63歩成で詰まそうとすると、「52玉、64歩、51を塞ぐ手、63歩成」ですが、適切な14手目が存在しません。何かがいけなかったようです。

ここで必要なのが発想の転換。そもそも73に歩を残したかったのは74歩と突くと先手が7筋歩成で歩を取れなくなるからでした。しかし、これを74よりもっと先まで突いてやると、77歩成で後手7筋歩を消去し、取った歩を7筋に打ちなおすという別の道が開けるのです。

73歩と打っては打ちなおしの恩恵が得られないので10手目は72歩、先手は73歩と打って72同歩成。この形になると、73歩成の時には不可能だった61歩成までが可能になり正解に至る、というカラクリでした。

それではみなさんの短評をどうぞ。

NAO 「歩を成るには、少なくとも『次に成る位置へ着手~歩成り』の2手かかる→3つの筋で歩が成るには、少なくとも6手かかる。そのため先手の8手中6手要する。残り2手のうち1手は初手。→初手に突いた歩はあと3手かけて成るしかない。他の筋は2手かけるのみ・・・のロジックで解けました。第一感では、2手目94歩~93桂~85桂でしたがこれはハズレ(73歩が残るため歩成が73になってしまう)。10手目以降の後手の手がぴったりで着地が決まりました。」

■想定どおりのアプローチありがとうございます。こう綺麗に解いてくださると制作者としても気持ちいいですね。

鈴川優希 「後手角が7七に飛び込んでくると王手で先手手数不足。歩のほうが足が早いとは!14手目に、取られるはずの金がかわすのが洒落ています。」

■言われてみればこの金の動きは面白いですね。こういう手はかなり珍しいかも。

中村雅哉 「3つとも歩を打って成るのでは歩打と歩成で6手要るので5手目には歩を打たねばならないが、これは無理。1枚は自陣駒を進めると決めればあとはそう悩むところはない。易しいが条件設定が不詰感十分で面白い。」

■1条件問題は不詰感たっぷりの作品が多数。

はなさかしろう 「先手の手割が歩突×3-歩成-歩打-歩成-歩打-歩成、後手が角以外の駒で6,7筋の歩取。先手の歩成は3-7-6筋の順、ですが△94歩からの桂跳ねでは綺麗に詰型が作れない。99%の論理と1%の閃き、△72歩ががりっと音を立てて打ち付けたくなる一着でした。」

■全体が論理的に進むのに、72歩は論理だけでは出てこない一手。

斧間徳子 「一見して困難と思われる条件を先後双方の絶妙な協力で実現する。手順・条件とも巧みな傑作。こんな作をお蔵入りさせる手はないですね。」

■実は1年以上前に投稿した作品で、タラパパさん担当時代に使って欲しかった作品です。

鈴木康夫 「苦労しました。7筋の歩を取る駒は角だと王手になってしまうので候補は歩と桂。桂だと10手目72歩が成立しないのですね。」

■どっちの駒を使ってもいいところで二歩回避のために歩の方を成るという限定方法は史上初かも。

リーグ戦ファン 「『63歩成まで』も『62歩成まで』も後手の囲いが一手間に合わない。72歩打、こういう一捻りはまさに『銭の取れるパズル』です。ブラボー!52に飛車が廻れないのがまた良いです・・・」

■「銭の取れるパズル」とはありがたいお言葉。14手目飛と金の限定のために347筋にすることができず、後手が7筋を突いて先手が3筋を突く妙な展開となりました。

チャンプ 「歩成りだけの一条件というのは、かなり異質ではないでしょうか。巧みな手順の限定に感心。」

■今まで見た中でもこれ以外には「7手で詰み、トドメは歩成」しか見たことがありませんね。他に作るなら11手で歩成2回か19手で歩成4回あたりでしょうけど。

諏訪冬葉 「
・8手で3回成るには4手+2手+2手
・歩を打つためには自分の歩を取ってもらう必要がある
・角で取られると王手なので他の駒で取る
ここまで分かって 94歩→93桂→85桂→77桂 という手が浮かぶも玉が詰まない。上の順で△94歩を△74歩にして▲72歩成→▲61歩成 もなら詰むが、72で歩が取れない。歩を成って72に打ち直す手順に気付くまで2日かかりました。」

■こういう玉方の駒打ちアシストはなかなか気づかないものです。

KG 「3筋と7筋の先手歩のどちらか一方は後手が取らないといけませんが角で取ろうとするとなかなかうまくいかずに苦労しました。地道に歩で取りに行くのですね。」

■角がダメと気づいた後に、桂を考えるか歩を考えるかでゴールまでの距離が大違い。

渡辺 「これは巧い限定。」

■詰む中できれいに限定するのはこの3つの筋の場合だけ。

S.Kimura 「互いの角で歩を取る手を散々考えたのですが,歩を取って,歩を成っても,歩を突いていって歩を成っても,どちらも4手かかることに気付き,ようやく,双方が歩を突いていく手にたどり着きました.」

■角は速い反面王手がネックになってしまいます。

通りすがり 「7二歩がたまらなくいい味を出してますね。南無三!」

■こういう手があると推理将棋は面白くなります。なんか自画自賛くさいコメントですけど。

ron 「先後とも平凡に歩を進める手順は手数が足りないだろうなと考えて、角や桂といった飛び道具を使う方法を最初考えました。そして失敗の連続・・・困ったときのヒント頼み。ヒントから詰み形を想定し、逆算する方法で何とか解答を出せました。」

■歩って意外と足が速いんですよ。歩成も桂成もかかるのは4手ですからね。

井上順一 「先手の手が限られるので初級より考えやすい。72歩がうまい。」

■手が限られるのは確かですが、初級より考えやすいとは。

はらたっと 「後手のアシストですが角がダメ。桂も惜しくも足りず、歩を渡すための歩成りがあざやかですな。」

■77歩成から72歩は面白いでしょう。

隅の老人B 「2度、いいえ3度の歩打が巧みな好手、これで歩成の条件達成。」

■実は歩成も3回ではなく4回という。

たくぼん 「とにかく10手目72歩が光り輝く1手。と金3枚で詰上るのは初めて見ました。」

■と金を3枚作るには最低15手必要ですしね。と金2枚ですらほとんど作例はないのでは?

変寝夢 「解けそうな感じだが時間切れ。4二玉、5一金の形で3三歩成までかなと思うが。」

■なるほど、角筋が通るのを利用する狙いですね。しかし後手角と桂の処理がけっこうな手間になるので詰みません。

宮谷保可楽 「初めのうちは、51を埋めて52玉を33・63・73とで詰ます、ことばかり考えていた。しかし、それを否定されるヒントが提示されると、あっさり解けてしまった。72歩~67とが62歩を打たせるナイスな手。」

■まさか後手がここまで先手歩成の支援に回るとは思わなかったでしょう?

はてるま 「3筋から行くのは逆モーションの感じ。10手目72歩として歩を調達するのがミソですね。渋い好作。」

■歩をうっかり73で調達したくなるのはトラップでした。


正解:20名

  井上順一さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  KGさん  鈴川優希さん
  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  たくぼんさん
  チャンプさん  通りすがりさん  NAOさん  中村雅哉さん  はてるまさん
  はなさかしろうさん  はらたっとさん  宮谷保可楽さん  リーグ戦ファンさん
  ronさん  渡辺さん


総評

NAO 「1条件に加え、歩の手筋特集でした。歩の着手は1番が後手のみ4手、2番が先手5手を含む6手、15手詰の3番は14手の合計24手もありました。手数の割に歩の問題は暗算しやすく解いて楽しく感じます。『知っておきたい推理将棋の各駒手筋、第1回 歩の手筋』を読んでいれば難しくありません。」

■おお、そんな共通点があったとは。

鈴川優希 「今月は、苦手な長手数作品が2作もありましたが、どちらもストレスを感じずに解ける作品で良かったです。」

■本格的に難問になる長手数はおもちゃ箱ではたぶん扱いませんのでご安心を。逆にそういう問題が解きたい方はmixiへいらっしゃいませ。

中村雅哉 「50回到達おめでとうございます。次は100回を目指してずっと続けてください。応援しています。」

■第100回というと4年半後ですか。そのころにはもっと推理将棋が普及しているといいなあ。

はなさかしろう 「50回記念おめでとうございます。なるほど、11月は1+1の一条件ものですか。裏推理が利きやすいので味消しをしないように、と気をつけましたが杞憂でした。意外性が潜んでいて悩ましくも楽しい回でしたが、タイトルのセンスは脱力系?」

■たしかにタイトルは脱力系……

斧間徳子 「条件の少ない問題は好感が持てますね。特に成/不成について限定する条件が入ると少し興ざめしてしまう(不可避の場合も多いですが・・・)。50-2は、作品自体は好作ですが、1条件問題というにはやや無理があるのでは。 」

■50-2は制作者本人もmixi出題時に「無理やり手数+1条件にした気もしますが・・・」と言っていますが、それでも1条件にまとめてあれば1条件問題です。

鈴木康夫 「最近は解答を送れなかったり、〆切ギリギリの時が多かったのでヒント提示前に解答できてほっとしています。」

リーグ戦ファン 「今回、難易度としては『秒殺・秒殺以前・15分』なのですけれど、このセレクションは大好きです。私は脳内解きオンリーなのですが、脳内で駒が勝手に動いて、『詰め上がり図が固まらないまま解ける』という楽しい経験。(1は7手目、3は14手目、2に至ってはトドメの15手目を最後に考えました)推理将棋、こういう楽しさは本当に素晴らしいと思います。 」

■ではその楽しさの伝わるような問題をさっくり5題ほど作って投稿してください(笑)。いや、本気で問題不足がけっこう深刻なんです……。

KG 「50回突破おめでとうございます。今月は長手数の問題が多かったですが条件がわかりやすく自分としてはとっつきやすかったです。」

■とっつきやすくなかったらこの手数は出せません。といいつつ来月はもっと長いのが登場しますが。

渡辺 「11月は1条件特集だったんですね、なるほど。しかし、そのうち2問が15手とは…。」

■長さは確かに長いんですけど、難しいわけではなかったので。

S.Kimura 「15手詰は難しい印象を持っていましたが,手がかなり限定されていためか,ノーヒントで解けたのは幸いでした.10手詰ぐらいではできない手が出てきて楽しめました.」

■こういう長編が増えてくると嬉しいですね。

通りすがり 「推理将棋、おもしろいですね。普通の将棋にはない独特の感覚が、推理将棋初挑戦の私には難しくもあり新鮮でもありました。」

■初解答ありがとうございます。いきなりノーヒント全正解とは素晴らしい。これからも解答お待ちしています。

ron 「今回はヒントなしで二問とけましたが、上級問題にやられました。うーん、自力解答まであとちょっと・・・。どうも私は『推理将棋は角を使うもの』という先入観が強いみたいです。今回の自分の解き方を振り返ってみてよくわかりました。ところで、15手詰の出題になったのは50回の5とかけているんですか?」

■今回は長手数中心だったので角の出番はありませんでしたが、短編、特に10手以内なら角を使うことは非常に多いですよ。といっても50-1があるので説得力に欠けるかもしれませんが。15手詰が並んだのは単なる偶然です。

はらたっと 「今月の問題は8手とmixiで解いたヤツと詰工房でDD++さんとミニベロさんがやりとりしてるのをみていた問題だったけど、いざやってみると時間かかること。。。人間は忘れる動物だったと言う事で。」

■よくありますよね。「これ絶対1回解いたことあるんだけど答えなんだっけー!」ってこと。

隅の老人B 「今月は全題が解けたぞ、嬉しいな。こんなことで喜んでいる爺がいます。ハイ、それは私、B爺です。」

■全て解けたときには素直に喜びましょう。わーい。

たくぼん 「50回おめでとうございます。次は100回ですね。私も解答で頑張りたいと思います。」

■100回になるころにはまた選題者がきっと変わっているでしょうかね。そのころには私も解答者でがんばります。

変寝夢 「最近の締め切り前ヒントは、私ぐらいのレベルには最適です。」

■ありがとうございます。ではこの程度のヒントレベルを継続ということで。

変寝夢 「極光21有り難うございました。私も作品集を製作している最中なので、完成したら賞品にして下さいね。数年は先ですが・・・。」

■だそうですよTETSUさん。

宮谷保可楽 「50回達成、おめでとうございます。これからも100回、2000回と頑張ってください。  さて今月も無闇矢鱈で解いてました。追加ヒントが出た時点で、1番しか解けていません…。追加ヒントに感謝。」

■そうですね、100回も200……え、2000回!?


推理将棋第50回出題全解答者: 23名

  井上順一さん  S.Kimuraさん  斧間徳子さん  KGさん  鈴川優希さん
  鈴木康夫さん  隅の老人Bさん  諏訪冬葉さん  占魚亭さん  たくぼんさん
  チャンプさん  通りすがりさん  NAOさん  中村雅哉さん  はてるまさん
  はなさかしろうさん  はらたっとさん  平尾一土さん  変寝夢さん
  宮谷保可楽さん  リーグ戦ファンさん  ronさん  渡辺さん

当選: リーグ戦ファンさん

おめでとうございます。
賞品をお送りしますので、賞品リスト から選んだご希望の賞品と送付先をメールでお知 らせください。

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コメント

中村雅哉 さんが2回登場していますが、文脈から考えると1回目は橘さんの間違い?

投稿: 渡辺 | 2011.11.30 21:45

すみません。二つ目のコメントは余計でした。削除しました。

投稿: TETSU | 2011.12.01 00:48

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